フランチェスカッティとオイストラフのチャイコフスキー
1月も後半となり日没が徐々に遅くなってきた。
来月から始まるはずだった一連の定例会議は予期せぬアクシデントのために延期の可能性。
昨日帰宅しようとすると奇妙な雲が浮かんでいた。
歪んだ円形で白く輝きながらユラリと浮遊している。
かなり巨大であることが遠目にも良くわかった。
一瞬オーロラと思ったほど美しかった。
このあまりにも不思議な雲は今朝のニュースでも紹介されていた。
種子島で打ち上げられたHⅡA 32号機によって出来た夜光雲とのこと。
非常に珍しい現象だという。
今年の定演の曲目のひとつ、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を聴いた。
音楽部屋のレコード棚を物色していると、意外にこの曲の音盤が見つからない。
コンチェルトとピアノ曲のCDは音楽部屋に収納しきれずに別室のラックに置いてある。
寒いその部屋まで取りに行く気にもなれず、音楽部屋のLPの協奏曲棚をごそごそしているうちに、メンデルスゾーンのコーナーに何枚かを見つけた。
LP時代はクラシックのカップリングの定番のようなものがあって、「運命」「未完成」の組み合わせや、グリーグのシューマンの二つのイ短調のピアノ協奏曲のほか、いわゆる、「メンチャイ」の愛称で、メンデルスゾーンとチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を1枚にまとめるLPが多かった。
取り出したのは、フランスのヴァイオリニスト、ジノ・フランチェスカッティの演奏。
伴奏はトーマス・シッパーズ指揮ニューヨークフィルの1962年録音。
カップリングのメンデルスゾーンの伴奏はジョージ・セル指揮のクリーヴランド管の1961音。
米コロンビア原盤の国内盤ソニーのLP.
フランチェスカッティには同じ組み合わせの2曲のモノラル録音もあり、こちらが非常に売れたらしい。
このチャイコフスキーでもフランチェスカッティ独特の艶のある美音を聴くことができるが、どちらかといえば、オケとの丁々発止の緊張感が聴きもの。
若くして逝ってしまったシッパーズの伴奏が非常に良い。
驚いたことにこのフランチェスカッティ盤のLPは、70年代の国内プレスなのに、イコライザーカーヴがRIAAでなく、古いコロンビアのカーヴの方が音が良い。
そしてもう一枚はロシアの巨匠、ダヴィッド・オイストラフ若き日の演奏。
オイストラフのチャイコフスキーは何種類かあるが、聴いたのは1939年のSP録音で、 ガウク指揮のモスクワフィルによるもの。
手持ちは米エヴェレスト原盤の日本コロンビアから70年代に出ていたヒストリカルレコーディングシリーズ中のLP。
貧弱な録音のためにオケの細部はあまり聞き取れないが、オイストラフのソロはよくわかる。
豊麗な音そのままに素晴らしい技巧でバリバリと弾きまくる爽快な名演だ。
第一楽章最初のヴァイオリンソロのトロリとした歌はオイストラフ独特のものだ。
なおフランチェスカッティ、オイストラフ盤の両方ともレオポルド・アウアー由来のカットがある。
Youtubeはフランチェスカッティの弾くバジーニの「妖精の踊り」
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