スクロヴァチェフスキーのラヴェル
怒涛の週が明けて今日は新たな月曜日。
2月もあと二日を残すばかり。
裏山の河津桜も散り始めた。密に誘われたメジロが数羽。
大きな山がふたつばかり残ってはいるものの今週は小康状態の一週間。
今日は組織内の会議二つのみ。
土曜日は図書館に寄りながら市立病院主催の市民公開講座を聴いたりしていた。
「肝臓」をテーマとしたその道の権威によるわかりやすいお話。

内容は病理的な分野からの肝炎のしくみと、今や飲み薬のみで治癒率が90パーセントを超えるC型肝炎治療の最前線。
一粒5万円を超える非常に高価な治療薬に、ニセモノ事件が起きたことも記憶に新しい。
通常ならばひとりあたり百万円を超える薬代も、国の高額療養費制度で平均的な世帯でひと月当たり十数万円ほどの自己負担となっている日本の医療制度のありがたさを思う。
スクロヴァチェフスキー逝く。
クールにして明晰、作品の魅力を独特の視点で浮かび上がらせていた名匠だった。
米マーキュリーに残したスクロヴァチェフスキーの演奏を、60年代初頭に録音したいくつかの演奏で聴き始めた時はさほど良い指揮者だとは思わなかった。
その後80年前後になって録音したヘンデルやラヴェルが非常に良くて、 ショスタコーヴィチの交響曲第5番のハレ管との再録音での改変には驚愕。
その後目が離せない指揮者になった。

今日はミネソタ響とのラヴェル管弦楽曲全集から数曲を聴いた。
米VOXのLP4枚組。SQ4チャンネル盤。
明快にして音の一粒一粒が意味を持ち、完璧なバランスで響いている驚異的なラヴェル。
ブーレーズと異なる独特のアクの強さが好悪を分けるかもしれないが、ヒヤリとした冷たさの中に優しさが絶妙のバランスで共存している「古風なメヌエット」はこれ以上の演奏を知らない。
録音は驚異的に良い。
Youtubeはスクロヴァチェフスキー指揮のラヴェルの歌曲集「シェエラザーデ」から
| 固定リンク
「音盤視聴記録」カテゴリの記事
- シャルランの録音でロシア5人組の音楽(2025.02.15)
- マイケル・ティルソン・トーマスのマンフレッド交響曲(2025.02.11)
- オーマンディのストラヴィンスキー(2025.02.09)
- クラシック・レコードコンサートはアラウの「熱情」にクレーメルのモーツァルト(2025.01.26)
- 指揮者の秋山和慶さんのことなど(2025.01.23)
コメント