イレーヌ・ベルティエの歌
寒い風が吹いていた一日。
譲っていただいた、まとまった数のタンゴのレコードを中にシャンソンのLPが数枚入っている。
その中のシャンソンベスト24というRCAから出ていた国内盤LP2枚組を聴いていた。
枯葉(アラン・バリエール)
バラ色の人生(イベット・ジロー)
愛の讃歌(イベット・ジロー)
あわれなジャンの歌(イレーヌ・ベルティエ)
パダム・パダム(イレーヌ・ベルティエ)
私の回転木馬(イレーヌ・ベルティエ)
ラ・メール(イベット・ジロー)
パリのお嬢さん(アンヌ・サンドリーヌ)
ラ・セーヌ(アンヌ・サンドリーヌ)
パリの空の下(イベット・ジロー)
ミラボー橋(シモーヌ・ラングロア)
モンマルトルの丘(ヴィヴィアンヌ・シャンテル)
風船売り(ギレーヌ・ギイ)
ドミノ(アラン・バリエール)
セ・シ・ボン(ジョージ・メラクリーノ楽団)
パリの屋根の下(モーリス・シュバリエ)
パリ祭(モーリス・シュバリエ)
モン・パリ(シモーヌ・ラングロア)
サ・セ・パリ(モーリス・シュバリエ)
フルー・フルー(カトリーヌ・メイス)
聞かせてよ愛の言葉を(シュジー・ドレール)
私の心はヴァイオリン(ギレーヌ・ギイ)
待ちましょう(アニー・グールド)
パリの橋の下(モーリス・シュバリエ)
ジローとかシュバリエとか、どこかで聞いたような名前の歌手が並んでいる。
部屋の中にBGM的に流しながら藤沢周平の本なんぞを読んでいた。
すると突然、ミレイユ・マチューのような強烈な巻き舌とパンチのある歌声が飛び込んできた。
あれ?マチューの名前があったかな?
とジャケットを見たらイレーヌ・ベルティエという知らない名前。
マチューに似ているけれど幾分太く翳りのある声。
「なかなか良いな」と思い、ネットで検索してみたがこの歌手の情報がほとんどない。
CDも「シャンソンベストアルバム」のようなこのLPに似た、いろいろな歌手によるオムニバスしか国内盤はないようだ。
同じように疑問に感じている人のブログが少々。
外国のサイトでもほとんど情報が拾えない。
何枚かのアルバムを出していた痕跡はあるものの、かろうじてYoutubeで、若い頃の白黒映像と最近のものらしい不鮮明な映像が数件。
最近の歌手で、そこそこの実力がありながらこれほど経歴がわからない歌手も珍しいのではなかろうか。
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コメント
こんにちは。
シャンソンは一時期はまっていまして、グレコ、ソヴァージュ、コラ=ヴォケールといった歌手をよく聴きました。この歌手、ミレイユ マチューよりもさらにピアフにそっくりな声ですね。伸ばした時のヴィブラートが異常なくらい似ています。マチューだとピーンと張ったような伸ばし方ですが、この人は少し抜いたように伸ばします。
ちなみに、グレコやソヴァージュはヴィブラート一切かけません。
63年にピアフがなくなったので、レコード会社はピアフの後継者さがしをしたのでしょう。最初、写真の美女がイレーヌ嬢だと勘違いしました。
ピアフの映画で、別の歌手、ベティ マルスが吹き替えたものがありました。そういう需要もあったのでしょう。マリオン コティヤール主演の映画は基本的にピアフの歌唱でしたが、やはりピアフのように歌い上げるスタイルでは、ピアフに勝てませんね。
投稿: サンセバスチャン | 2017年3月10日 (金) 14時09分
サンセバスチャンさん、コメントありがとうございます。
私はシャンソンについてはピアフやマチューくらいしか知らないのですが、サンセバスチャンさんの
・・63年にピアフがなくなったので、レコード会社はピアフの後継者さがしをしたのでしょう。
・・・のコメントをいただいて、イレーヌがいつのまにか消えてしまった理由がわかったような気がします。
おそらくあまりにもピアフに似てしまったのですね。
投稿: 山本晴望 | 2017年3月11日 (土) 20時14分