河出書房新社の「世界大音楽全集」
曇り。一日が飛ぶように過ぎていく年度末。
仕事では今週来週が今年度最後の大きな山場。
昨日、日曜の朝、お寺の院主さんの訃報が突然飛び込んできた。
90を越えたご高齢ながら先月まで散歩しているのを見かけていたのに・・・・・・
お寺の目の前が我が家の畑だったりするので、自分の幼い頃からも知っている近所のおじさんといった存在で、畑作業をしているとよく話しかけてきた。
訃報を聞きお寺に線香を上げに行った。
仏様になった安らかな表情を見ているうちに涙がこぼれそうになってきた。
お寺そのものは息子の住職、孫の副住職が継いでいるのでご隠居状態だったとはいえ、
実質お寺を仕切っていたのはこのご院主さん。
自分は役員の末席を汚しているので午後に緊急役員会、そして同じ町内の組内なので夜は葬儀その他の役割決め、とあわただしい一日となった。
「世界大音楽全集 全30巻 河出書房新社 発行」のうち第2巻バッハから
・ハープシコード、フルート、ヴァイオリンのための協奏曲イ短調
ルドルフ・バルシャイ指揮
モスクワ室内管弦楽団
・ピアノ協奏曲第5番 ヘ短調
マリア・グリンベルグ(ピアノ)
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮
モスクワ放送交響楽団
・チェロとハープシコードのためのソナタ第1番 ト長調
ダニール・シャフラン(チェロ)
アンドレ・ポルコンスキー(ハープシコード)
などをしんみり聴いていた。
70年代初頭の高度経済成長期に小学館や講談社など大手出版社が競って出していた名曲全集の中のひとつ。
1巻の定価が2,800円で、この年の大卒初任給は34,100円。
全30巻揃えるには当時の大卒初任給の2か月半ほどの計算だ。
豪華な装丁と分厚い解説書、そしてLP2枚のセットで一巻一巻が重く嵩張っていて、今となっては持て余してしまっている人も多いと思う。
手持ちのものも、親戚から邪魔だから言われてやむなく引き取ったもの。
どうも我が家がレコードの最終処分場になりつつあるようだ。

この河出書房のシリーズの音源は、主に日本ビクターが供給していたRCA原盤のもので
モントゥ、ミュンシュやライナーなど、おなじみの指揮者に加え、ロシアメロディア原盤の国内では主に新世界レコード名で出していたものが半数近く。
こちらはロジェストヴェンスキーやバルシャイらが主なもので、イワーノフやスヴェトラーノフらの顔ぶれ。
そんな中に若き日のネーメ・ヤルヴィのハイドンやグリンベルクやシャフランのバッハ、
潮田益子のパガニーニなど面白い音源が入っていたりする。
新世界レコードの音は固めの音だった印象があったのだけれど、今の自宅の装置で聴くと、
適度な艶と柔らかさも感じられ、それでいて鮮明な良い音で鳴っている。
グリンベルクのピアノもしっかりとした良い演奏だ。
Youtubeはグールドの弾くバッハ、ピアノ協奏曲第5番のラルゴ
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