サヴァリッシュ、若き日のワーグナー
晴れ、東京からは桜開花のニュース。
新年度始動。
昨日から部署も勤務地も変わって全てがリセットされた気分。
新たな職場とはいえ若い頃心血を注いた部署。
今度の人事異動ではなじみの優秀なスタッフをそろえていただいたのがありがたい。
娘は4月から東京で社会人。入社式が終わり当分の間研修とのこと。
自分の事よりもこちらの方が気になる。
今日はサヴァリッシュのワーグナーを聴いていた。
フィルハーモニア管との録音で東芝の国内廉価盤LP.
・歌劇「タンホイザー」序曲
・楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕前奏曲
・楽劇「神々の黄昏」~夜明けとジークフリートのラインへの旅
ジークフリートの葬送行進曲
1958年の録音。
CDではTestamentから出ている。
サヴァリッシュは1957年に33歳でバイロイトデヴュー。
同じ年にはフィルハーモニア管を振ってロンドンデヴュー。
同時期にフィルハーモニア管を振ってドヴォルジャークやチャイコフスキー、ウェーバーなどのまとまった数の録音を残している。
カラヤンがこの時期にはEMIから離れつつあり、EMIとしてはカラヤンに代わる若手指揮者の逸材として期待の存在だったかもしれない。
その後1960年からサヴァリッシュはウィーン響の首席指揮者となり、フィリップスに移籍。
同じようなワーグナーの録音を残している。
・歌劇「さまよえるオランダ人」序曲、
・歌劇「タンホイザー」~ヴェヌスベルクの音楽
・歌劇「ローエングリン」第1幕前奏曲
・歌劇「ローエングリン」第3幕前奏曲
・楽劇「パルシファル」前奏曲と聖金曜日の音楽
・楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕前奏曲、
手持ちは日本フォノグラムから出ていた国内盤LP.
サヴァリッシュが首席指揮者だった1962年頃の録音。
演奏はウィーン響のものよりもフィルハーモア管との演奏が若々しい覇気と情熱が見事に音になっていてよいと思う。
中でも「神々のたそがれ」からの2曲は雄大な出来だ。
ウィーン響との演奏はサヴァリッシュの理詰めな一面が表に出ていて、よく整っているものの冷めていてワーグナーとしてはあまり楽しめない。
サヴァリッシュとウィーン響は、複数の管弦楽曲を含むブラームスの交響曲全集やドイツレクイエム、ハイドンの一連の交響曲など優れた録音が散見されるものの、このワーグナーは期待はずれだった。
この時期のサヴァリッシュはモーツァルトとハイドンの交響曲全集録音の計画もあり、特にモーツァルトについてはドレスデン・シュターカペレを振る具体的な話まで進んでいた。
結局、プロデューサーが辞めてしまったりして実現することがなかった。
サヴァリッシュの「マイスタージンガー」には、90年代の全曲録音とは別に1980年にバイエルン歌劇場管を振ったオイロディスクへの録音がある。
こちらはさすがに手馴れた音楽運びの中に、ドイツの深い伝統を思わせる重厚な音楽造りの名演だ。
Youtubeはサヴァリッシュ指揮N響のベートーヴェン、交響曲第7番
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コメント
異動先に部下を揃えてもらっていたということでしょうか?羨ましいですね。
投稿: prmaki2002 | 2017年4月 5日 (水) 01時38分
たまたまかもしれませんが、気心の知れたスタッフが集まりました。
投稿: 山本晴望 | 2017年4月 6日 (木) 22時54分