スラヴ行進曲のことなど
5月最終の一週間。
昨晩は、3月までいた職場の同僚と数年前に退職した先輩と3人で会食。
同僚は自分と同じ年ながら職種は異なり定年前に退職、自分の技術を生かして今は大学の非常勤講師のかたわら悠々自適の羨ましい身分。
先輩も退職後は第2の職場の重鎮としてノビノビと活躍中。
場所は沼津市内の「遊宇」。
ここは先輩のいきつけの小料理屋。
料理はとろりとした海老入り茶碗蒸しに始まり、フグ皮の刻みものに中トロ、帆立貝、生海老その他。
山芋の素麺のシャクっとした食感も絶品。
次々と登場する品も厳選された食材と確かな料理人の腕の冴えを堪能。
お酒は出羽桜の一本に絞って3人で鯨飲。
良いお店を教えていただきました。
そして本日の昼食は我が社社長との会食。
いささか二日酔い気味でほとんど何を食べたか覚えていない。
定演の余韻は未だ残り、今日は前プロで演奏した「スラヴ行進曲」を聴いた。
この曲は中学3年の時に吹奏楽コンクールの自由曲として演奏した思い出の曲だ。
この時の録音テープが未だに再生できる状態で残っている。
今聴いてもさほど悪くない出来だ。
この曲の刷り込みは、70年頃にCBSソニーから出ていたオーマンディー指揮の演奏。
CBSソニーのオーマンディーの1300円廉価盤シリーズが出る以前のLPで、シルバーのジャケットの1500円盤。
その頃は千円盤の隆盛期。
ところが新興のCBSソニーは千円盤をなかなか出さなず、だいぶ後になってワルターのモノラル期の録音を出したけれども、オイルショックの影響ですぐに1200円になってしまった。
当時一ヶ月に千円盤1枚買うのがやっとの自分にとって、この1500円盤の購入はすいぶんと勇気のいる決断だった。
そもそも当時千円盤で買えるスラヴ行進曲の演奏自体があまりなかった。
この演奏はフィラデルフィア管弦楽団のゴージャスな響きがゴキゲン、オーマンディーの確かな職人技もあって、何度も何度も繰り返し聴いて自分の演奏の参考にしていた。
この曲の中間部で、ホルン2本が後打ちの掛け合いをする部分があって、多くの録音では遅れて聞こえてしまっているのにもかかわらずこのオーマンディー盤はうまくやっていた。
ある時、中学時代のコンクール練習で外部のトレーナーがやってきて、カラヤンとベルリンフィルの録音を参考演奏として皆に聴かせた。
当時中学生の自分にはどうしてもホルンの入りが遅れているようにしか聞こえなかった。
思わず「ホルンが遅れてる。フィラデルフィア管弦楽団のがうまいな」とつぶやいたら、招かれたトレーナーの逆鱗に触れて、「そんなことは無い!天下のベルリンフィルだ。オーマンディーの演奏は聴いたことがあるが、クラリネットの音が汚い」
と一蹴されてしまった。
中学生の自分はただただ首をうなだれるだけだった。
今両方の演奏を聞き直しても自分の判断は誤っていなかったと思う。
ちなみにその頃のフィラデルフィア管の首席クラリネット奏者は、アンソニー・ジリオッティ。
思い返してみると、音楽的にもずいぶんとひどいトレーナーだった。
(顧問の先生は素晴らしい方で、教え子から優れた音楽指導者を何人も輩出しています)
Youtubeはスヴェトラーノフ&N響の「スラヴ行進曲」
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