ステパニュック、海瀬京子 ジョイントコンサート
曇り時々晴れ。今年も早くも半分が終わろうとしている6月最後の週。
昨年末の入院を経て復帰。そして4月の異動でかつていた部署へ。
時の経つのは実に早い。
日曜は三島で、ウクライナ出身のソプラノ歌手のオクサーナ・ステパニュックさんとピアニストの海瀬京子さんのジョイントコンサートに行っていた。
場所は三島市民文化会館
あいにくの雨の中、家内と昼前に家を出て、途中県知事選挙の投票を済ませ、 三島の喜多方ラーメン坂内小法師で昼食。
かなり前から気にはなっていたが初めて入る店。
ちょうど昼時で行列ができていた。
開演時間が気になったものの行列ができるほどならば良い店だろうと最後尾に並ぶ。
意外と回転がよくて20分ほどで入ることができた。
ここは喜多方に本拠を置くお店のチェーン店。
味は可もなく不可もなく各種クーポンを使うと比較的安い金額になる。
人気の秘訣は味よりもそのあたりのようだ。
外に出ると雨。
会場到着は開演15分前。
ホールでは娘のピアノの先生に会いご挨拶。
そして開演。
最初に会場に来ていた地元選出の民進党の細野豪志代議士が挨拶をした。
どうやらソプラノ歌手を応援している方の知り合いらしい。
プログラムは二部構成。
最初に日本の歌曲数曲に海瀬さんのピアノソロによるウクライナの作曲家カスプーチンのピアノ2曲をはさんで、コロラトゥーラの技巧を散りばめた歌曲を数曲。
さながら多くのコロラトゥーラソプラノ歌手たちが覇を競っていた19世紀のコンサートプログラムのよう。
第二部は海瀬さんの弾く「熱情」ソナタに始まり「リゴレット」「椿姫」そして「ルチア」からの有名アリアの数々。
途中でフルート奏者の玉村三幸さんのフルートソロで「アルルの女」のメヌエット。
配られたプログラムの印刷が上下逆だったという変なところが気になったりしたのだが、
有名曲が多く、多彩な内容で楽しめました。
最初に日本の歌曲から「からまつ」「からたちの花」そしていずみたくの「見上げてごらん夜の星を」。
ステパニュックさんは美しい日本語で丁寧に歌い、海瀨さんの弾くカスプーチンの曲を挟みながらロシア民謡、そして「ヴェニスの謝肉祭」など。
多少線の細さは感じさせるものの可憐にして華やかな声。
声量も充分だ。
カスプーチンと言えばこの作曲家がほとんど知られていなかった20年ほど前。
ご近所にピアノが非常に達者なU君という東大生がいて、彼を通じて初めてロシアの作曲家カスプーチンのピアノ曲を知った。
U君のピアノはとても趣味というレベルではなく、プロ並みの水準であったと記憶している。
今にして思えばどこでカスプーチンを知り、どこから楽譜を入手したのだろうか?
U君一家は県外へ引っ越してしまい今や確かめる術もない。
カスプーチンの作品はジャズのテイスト漂う聴き当たりの良い作品。
京子さんは難曲カスプーチンをサラリと聴かせてくれたが、演奏はなかなか厄介だとU君が言っていたことを聴きながら思い出したりしていた。
そして第2部は「熱情」ソナタから。
お客さんは年配の方が多くてクラシックコンサートは初めての方が多かったようだ。
「熱情」の第一楽章の終わったところで盛大な拍手が入り、第二楽章が始まると「あれ?まだあった」との声があちらこちらから聞こえてきた。
「熱情」では冒頭最初の3小節の主題の提示される部分で、やわらかで木質の肌触りを感じさせるような渋い響きのピアニシモで始まった。
京子さんのピアノで初めて聴いた音だ。
第一楽章では感情の振幅が大きくラプソディックなベートーヴェンで、時として音の流れに行き場を失った迷いのようなものも感じられたけれども、第二楽章のアンダンテのヴァリエーションからは落ち着いた祈りにも似た深い音楽聴かせ、続く怒涛の第三楽章にはお客さんたちも圧倒されていた。
まさに入魂の演奏でした。
続く「リゴレット」「椿姫」のアリアは、自分としてはヴェルディの音楽としては楽天的すぎた。
「狂乱の場」は奇しくも前日に喫茶店「珈舎」で催された「蓄音機を聴く会」で往年の名歌手トティ・ダルモンテの歌を聴いたばかり。
ステパニュックさんはこの長い至難なアリアを華やかに歌いきっていた。
アンコールはショパンの「子犬のワルツ」の歌付きバージョン。
帰り間際に京子さん本人とご家族にご挨拶。
次は8月末に静岡交響楽団との共演でグリーグのコンチェルトを弾くという。
北欧の作曲家の作品は好きなのでこちらも楽しみ。
Youtubeはカプスーチンのトッカティーナ作品40

あいにくの雨の中、家内と昼前に家を出て、途中県知事選挙の投票を済ませ、 三島の喜多方ラーメン坂内小法師で昼食。

かなり前から気にはなっていたが初めて入る店。
ちょうど昼時で行列ができていた。
開演時間が気になったものの行列ができるほどならば良い店だろうと最後尾に並ぶ。
意外と回転がよくて20分ほどで入ることができた。
ここは喜多方に本拠を置くお店のチェーン店。
味は可もなく不可もなく各種クーポンを使うと比較的安い金額になる。
人気の秘訣は味よりもそのあたりのようだ。
外に出ると雨。
会場到着は開演15分前。
ホールでは娘のピアノの先生に会いご挨拶。

そして開演。
最初に会場に来ていた地元選出の民進党の細野豪志代議士が挨拶をした。
どうやらソプラノ歌手を応援している方の知り合いらしい。
プログラムは二部構成。

最初に日本の歌曲数曲に海瀬さんのピアノソロによるウクライナの作曲家カスプーチンのピアノ2曲をはさんで、コロラトゥーラの技巧を散りばめた歌曲を数曲。
さながら多くのコロラトゥーラソプラノ歌手たちが覇を競っていた19世紀のコンサートプログラムのよう。
第二部は海瀬さんの弾く「熱情」ソナタに始まり「リゴレット」「椿姫」そして「ルチア」からの有名アリアの数々。
途中でフルート奏者の玉村三幸さんのフルートソロで「アルルの女」のメヌエット。
配られたプログラムの印刷が上下逆だったという変なところが気になったりしたのだが、
有名曲が多く、多彩な内容で楽しめました。
最初に日本の歌曲から「からまつ」「からたちの花」そしていずみたくの「見上げてごらん夜の星を」。
ステパニュックさんは美しい日本語で丁寧に歌い、海瀨さんの弾くカスプーチンの曲を挟みながらロシア民謡、そして「ヴェニスの謝肉祭」など。
多少線の細さは感じさせるものの可憐にして華やかな声。
声量も充分だ。
カスプーチンと言えばこの作曲家がほとんど知られていなかった20年ほど前。
ご近所にピアノが非常に達者なU君という東大生がいて、彼を通じて初めてロシアの作曲家カスプーチンのピアノ曲を知った。
U君のピアノはとても趣味というレベルではなく、プロ並みの水準であったと記憶している。
今にして思えばどこでカスプーチンを知り、どこから楽譜を入手したのだろうか?
U君一家は県外へ引っ越してしまい今や確かめる術もない。
カスプーチンの作品はジャズのテイスト漂う聴き当たりの良い作品。
京子さんは難曲カスプーチンをサラリと聴かせてくれたが、演奏はなかなか厄介だとU君が言っていたことを聴きながら思い出したりしていた。
そして第2部は「熱情」ソナタから。
お客さんは年配の方が多くてクラシックコンサートは初めての方が多かったようだ。
「熱情」の第一楽章の終わったところで盛大な拍手が入り、第二楽章が始まると「あれ?まだあった」との声があちらこちらから聞こえてきた。
「熱情」では冒頭最初の3小節の主題の提示される部分で、やわらかで木質の肌触りを感じさせるような渋い響きのピアニシモで始まった。
京子さんのピアノで初めて聴いた音だ。
第一楽章では感情の振幅が大きくラプソディックなベートーヴェンで、時として音の流れに行き場を失った迷いのようなものも感じられたけれども、第二楽章のアンダンテのヴァリエーションからは落ち着いた祈りにも似た深い音楽聴かせ、続く怒涛の第三楽章にはお客さんたちも圧倒されていた。
まさに入魂の演奏でした。

続く「リゴレット」「椿姫」のアリアは、自分としてはヴェルディの音楽としては楽天的すぎた。
「狂乱の場」は奇しくも前日に喫茶店「珈舎」で催された「蓄音機を聴く会」で往年の名歌手トティ・ダルモンテの歌を聴いたばかり。
ステパニュックさんはこの長い至難なアリアを華やかに歌いきっていた。
アンコールはショパンの「子犬のワルツ」の歌付きバージョン。
帰り間際に京子さん本人とご家族にご挨拶。
次は8月末に静岡交響楽団との共演でグリーグのコンチェルトを弾くという。
北欧の作曲家の作品は好きなのでこちらも楽しみ。
Youtubeはカプスーチンのトッカティーナ作品40
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コメント
オクサーナ・ステパニュック...懐かしい名前です。10年位前にチェルノブイリ被曝経験ソプラノとして民族楽器バンドゥーラを引っ提げてお茶の水クラシック館で秋川雅史の例のヒット曲を歌っていました。まだ秋川氏がブレイクする前のことです。
投稿: prmaki2002 | 2017年6月27日 (火) 21時54分
prmaki2002さん、コメントありがとうございます。
ステパニュックさん、来日当初はいろいろと苦労されていたようです。
コンサートを聴いた限りではクラシック系よりも民族音楽系の方が向いているように思えました。
投稿: 山本晴望 | 2017年6月30日 (金) 08時37分