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2017年10月14日 (土)

東京国立博物館「運慶展」

週末は冷たい雨。
気温も下がり慌てて冬物を出したほど。

本日土曜日、帯広では初氷。


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木曜と金曜日は東京に行っていた。

早めに家を出て上野の国立博物館で開催中の「運慶展」へ。


平日なのに開場前から長い行列ができていた。


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隣に並んだ男性は広島から来たとのこと。

開場係の方曰く「テレビの特番で放送されてから、来場者が倍になりました。」

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今回の展覧会は奈良仏師達が拠点としていた、興福寺の中金堂が再建されるのを記念したもので、全国に30数体あるという運慶の作品のうち実に22点を集めたもの。

さらに運慶の父、康慶の作品を始めとする慶派の作品も多数集めた空前の内容。


実際に観てみてやはりこれは大変な内容だった。

これだけのものが集まると、会場全体が大きな気のようなものに覆われていて、
特別な空間と化している。

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中では康慶と運慶の二人の作品が他を圧していた。

康慶の「法相六祖像」6人の僧侶像のあまりのリアルさにその前にしばし立ち尽くす。
水晶の象眼の白目の赤みなど、目が血走っている様子がそのままだ。

康慶と運慶作の2メートルを超える「四天王像」の今にも動き出しそうな躍動美。

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リアルな憤怒の表情の迫真の姿に、会場の多くの人たちが声も出ずに目を見張っている。

「金剛峯寺八大童子立像」のように、単にリアルなだけでなくその人間性をも伝えているのが凄い。

運慶自身が娘への所領の保証人として書いた自筆文書など、謎の多い運慶の人柄を垣間見させて興味深い。ちなみに文書には横線が三本引かれていた。

これはこの文書が無効になってしまった印だという。
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それに比べると運慶の息子達や弟子達の作品は、作風の違いもあるが表情が柔和になった分、迫真性が下がるように思う。

その中では慶派工房の作者不詳の「重源上人像」。

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東大寺の再建に力を尽くした重源上人像の暖かでいて孤高の厳しさが、あたかも本人に直接接しているかのように感じられる。

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そして運慶の三男康弁の「龍燈鬼立像」は、鬼のユーモラスな表情が作者の性格を表しているようで面白い。

隣町の伊豆の国市にある願成就院からは、5体ある運慶の作品のうち「毘沙門天立像」が来ていた。


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それらが運慶作と確定されたのは4年前のことだ。

広い会場だと寺内で見るのとはまた異なった雰囲気。
本尊脇の守り神としてではなく、それ自体が大きな存在感を持ちながら迫ってくる。

会場から出て昼食は上野精養軒でミックスフライランチ。


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しばらく興奮冷めやらず、味はほとんど覚えていない。



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コメント

運慶展を観た方にWEB小説「北円堂の秘密」をお薦めします。
グーグル検索にて無料で読めます。
少し難解ですが脳トレに面白いです。

投稿: omachi | 2017年10月23日 (月) 19時07分

omachiさま情報ありがとうございます。

運慶展は大きな感銘を受けました。

こちらの小説にも挑戦してみようと思います。

投稿: 山本晴望 | 2017年10月27日 (金) 19時40分

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