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2017年11月19日 (日)

海瀬京子&Duo-Bコンサート

快晴、昨日の雨で富士は裾野まで雪化粧。

演奏会を来週に控え、午後から夜まで練習が入っているものの、
本日仕事が入り練習参加は夕方から。



昨日午後は海瀬京子さんの後援会主催のコンサート。

「2017 音楽の贈り物」だった。

 

今回は、ヴァイオリンの杉本裕乃、フィリップ・ローセンス・ボーダー御夫妻のDuoーBとの共演。

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杉本さんのヴァイオリンは昨年3月に長泉町で聴いている。

キリッと引き締まった音色とはっきりとした自己主張の感じられる演奏だったと記憶している。



開演前に海瀬さんのお父様と談笑していると、目の前を昨年3月の演奏会の時にはまだお腹の中にいた杉本さんのお子さんが目の前をヨチヨチと通り過ぎていった。


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今回はこの9月のアメリカ公演で披露したドビュッシーで始まりラヴェルで終わる
プログラム。


その他、武満徹、フォーレ、ピアソラ、そして第二次世界大戦中に強制収容所で命を落としたチェコの作曲家シュールホフなど。


ヴァイオリン、チェロ、ピアノの様々な組合せの多彩な内容。

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前半はドビュッシーのヴァイオリンソナタとラヴェルの「ラ・ヴァルス」(ピアノ独奏版)


ドビュッシーのヴァイオリンソナタは、5月に東京でこの曲の校訂者でもあり
ドビュッシー自身の伴奏で初演したガストン・プーレのご子息ジェラール・プーレ氏のこの曲の初演後100年を記念したコンサートを聴いている。

いわば作曲者直伝の演奏。


杉本さんの演奏は年齢を重ねたプーレ氏の演奏とはまた異なるタイプの現代的で緊張感に満ちた中に華も感じられるもの。



そして海瀬さんの「ラ・ヴァルス」は、オケ版もかくやと思わせる華麗にして豪快なラヴェル。


これに音色の多彩さが加われば鬼に金棒。



休憩をはさんで後半の最初はヴァイオリンとピアノの組合せ。


武満徹の「妖精の距離」は初めて聴く。

短い時間の中に美しく純粋な武満徹の世界が凝縮された佳品だ。




続く宮城通雄の正月の定番「春の海」では、尺八独特の奏法の顎の上下動と

首振り、そしてメリ、カリをヴァイオリンのヴィヴラートで再現しているのには仰天。

尺八特有の鋭い息継ぎまで再現していたのには驚いた。



続いて御主人のチェロソロに交代。

フォーレの有名曲「夢のあとに」をボテッとした暖かな音色でしっとり聴かせてくれた。



会場が演奏者と近いので至近距離で朗々と鳴るチェロの音色が心地よい。



そして御夫妻によるピアソラ2曲にシュールホフの「ツィンガレスカ」。

中でもバルトークにも似た民族風のテイストの中に強烈な祖国への慟哭が放射されているシュールホフの作品には大きな感銘を受けた。


演奏も秀逸。是非全曲のレコーディングを聴いてみたい。



最後は超難曲のラヴェルのピアノ三重奏曲から第4楽章。

3人の個性が丁々発止とぶつかり合う、火の吹き出るような白熱の演奏。



アンコールは同じラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」のピアノトリオ版。

オケやピアノ版も良いけれど、ヴァイオリンとチェロがピアノにしっとりと絡むこの版も良いものだ。


ピアノ三重奏曲ですっかり興奮状態になった会場もクールダウン。



休憩中のお楽しみ抽選会では、京子さんのモンゴル公演土産の羊の尾の脂から作った石鹸を家内が当てました。



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ありがとうございます。


YoutubeはDuo-Bのピアソラ

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