ニコレのフルート
今日はすっきりとした秋晴れの空。
気温もさほど低くなく、頬に当たる風も心地よいほど。
昨日は仕事を早めに終わらせてかかりつけのクリニックで定期検診。
風邪は幸い早めの葛根湯が効き初期症状だけで治まったようだ。
ついでにインフルエンザの予防接種も済ませておく。
帰宅後聴いたのはオーレル・ニコレのフルート。
1968年グラモフォンへの録音の国内盤LP。
・ フルート・ソナタ ヘ長調K.13 :モーツァルト
・ シリンクス :ドビュッシー
・ フルートソロのための小品 :イベール
・ セクエンツァ :ベリオ
・ 冥 :福島和夫
・フルートソロのためのパルティータ イ短調BWV1013 :バッハ
・「しぼめる花」の主題による序奏と変奏曲ホ短調D.802 :シューベルト
バッハの無伴奏パルティータからモーツァルトの初期のソナタ、シューベルト、ドビュッシー、イベールを経てベリオ、福島和夫に至るフルートソロの代表曲を集めたもの。
伴奏はカール・エンゲル。
今から20数年前、時はバブル末期の頃、隣町の裾野市が主催していた富士山麓国際音楽祭にニコレが来演していた。
この音楽祭はフルーティストの金昌国氏が音楽監督となり、国内外のトップ奏者を集め 20世紀音楽を数多く取り上げていた.
とにかくハイレベルな音楽祭だった。
この時ドビュッシーの「フルートとヴィオラ、ハープのためのソナタ」や、デニソフの「フルートとハープのための協奏曲」などを聴いた。
フルートはニコレ、ハープは吉野直子。
別の日のプログラムの中にブリテンの「ホルンのためのセレナード」もあり、
ホルンソロはシカゴ響首席のクレヴェンジャー。
そのほかバッハの「オーボエとヴァイオリンのための協奏曲」ではベルリンフィルのオーボエ奏者アルブレヒト・マイヤー、ヴァイオリンは小林美恵。
今にして思えば夢のようなメンバーが集まっていた。
この時ニコレは予想外に老いた容貌で、曲が終わった時にニタリとしながら吉野直子の手を取った時の様子は、まるで腰の曲がった魔法使いのお婆さんが白雪姫に話しかけているかのような雰囲気だった、というおかしな所が印象に残っている。
ニコレの演奏は、芯が強くそれでいて素朴な柔らかさが感じられる音色と老いを感じさせない指回りの良さが、聴き手の集中力を逸らさない内容であったと記憶している。
このレコードでも印象は変わらない。
ベリオの「セクエンツァ」や福島和夫の「瞑」では、部屋の中がシーンと張り詰めたような緊張感に満たされるのが見事。
モーツァルトの初期のソナタやシューベルトも、ひたすら禁欲的で厳しい音楽になっている。
エンゲルの伴奏も非常に良い。
録音もバランス良く両者の音を捉えている。
Youtubeはニコレの吹く武満徹「Air」
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