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2018年1月に作成された記事

2018年1月30日 (火)

バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタと友人Nのこと

今日は朝からみぞれ混じりの雨。

雨はまもなく上がったもののどんより曇天の寒い一日だった。



昨夕、大学時代の同級Fから突然の電話。

これは「近くに来たから一緒に飲もうかい」との誘いの電話かなと思いきやさにあらず。

同じ大学同級生Nの逝去の知らせだった。

あまりの突然の知らせ。



Nの兄と親交のあるFに、昨日Nが1月4日に死去したとの手紙が届いたのだという。

Fも驚き確認したところ昨年5月に膵臓癌が見つかり、12月に旅先のアメリカで倒れ、帰国の後の逝去だという。

NとFは大学の学部も同じ同級生で二人ともオケで一緒だった。
Nはヴァイオリン、Fはクラリネット。


優秀な二人は現在国立大学で教鞭をとっている。


Nは卒業後もヴァイオリンを続け、東京のアマオケに入ったり沼響草創期の頃には何度がエキストラにも出てくれた。

その都度我が家に泊まり楽しい時を過ごしたりもした。




個性的でなかなか妥協しない独特のキャラのNだったが、何故か自分とは学生時代から気が合った。



Nはその後アメリカへ留学。



帰国後は東京の医科大学に籍を置き、確か悪性腫瘍の研究をしていたと思う。


その後東北の国立大学に奉職。


沼津にも来てくれて一緒に酒を酌み交わしたりしてfacebookやメールのやりとりもしていたのが昨年6月頃、突然音信不通となってしまっていた。


卒業後も断続的に音信不通になったりしていたので、特に気に留めていなかった。


連絡が途絶えていたのはちょうど癌が見つかった時期と重なっていた。



今日は定期的に通っている眼科の検診の日だったので、最初から休暇を取る予定つもりで一日休み。

病院に行ったあと、東京とは異なり東北の地方都市でなかなか好きな音楽活動が出来ぬことを嘆いていたNのことなどをいろいろと思い出したりしていた。


学生時代、大学オケ練習場の古い木造の建物の廊下で、黙々とバッハの無伴奏ヴァイオリンソナタをさらっていたN。


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今日はそのバッハの「無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ」を、Nの供養の思いで聴いていた。


カール・ズスケのヴァイオリン。


そのうち、低く灰色の雲が垂れ込めた空から小雪が舞ってきた。




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2018年1月28日 (日)

ラヴェルの未出版作品「アンタール」そしてレコードコンサートのことなど

1月最後の土日も凍てつく寒さ。

昨日、家の近くからの富士山。
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年度末を控えて最近道路の工事がやたらと増えてきて通行止めばかり。

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金曜の夜は文化センター主催のクラシックレコードコンサートの解説だった。

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寒風吹きすさぶ冬の夜にもかかわらず今回も多くの方が来てくださいました。

ありがたいことです。

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今回はモーツァルトの作品が中心。

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盛り沢山となってしまい終演は9時半過ぎ。



AmazonからCDが届いた。

今年の音盤初買いは、NAXOSから出ているスラトキン指揮リヨン管のラヴェル管弦楽曲作品集第5集。

内容は、なんとリムスキー・コルサコフの交響曲第2番「アンタール」をラヴェルが劇音楽としたもの。

このような作品があるとは思わなかった。
もちろん未出版作品。

よくぞ録音してくれたものだ。

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・ラヴェル:付随音楽『アンタール』(原曲:リムスキー=コルサコフ)


第1番:リムスキー=コルサコフ 『アンタール』

      第1楽章「砂漠は空ではなく・・・」
第1番b:ラヴェル Allegro
第2番:ラヴェル Cadenza ad libitum「この時・・・」
第3番:ラヴェル Allegretto「彼の母、ゼビバ・・・」
第5番:ラヴェル Allargando「名声は彼とともに」
第6番:リムスキー=コルサコフ 『アンタール』
    第4楽章「ある日、彼は父に召還され・・・」
第7番:ラヴェル Allegretto
第8番:ラヴェル Andante「この戦い・・・」
第9番:ラヴェル Allegro-Quasi presto-Lent「彼の詩は彼を有名にした」
第10番:ラヴェル Allegro
第11番:リムスキー=コルサコフ 『アンタール』第3楽章
第11番b:ラヴェル Allegro, rythme「静かな一日・・・」
第12番:ラヴェル Allegro moderato - Piu mosso
       「アンタールは聞く耳を持たず・・・」
第13番:リムスキー=コルサコフ 『ムラダ』第3幕より
       「トリグラウ山にて」「その後、再び戦が・・・」
第14番:リムスキー=コルサコフ 『アンタール』
       第2楽章「平野に達すると・・・」
第16番:ラヴェル Andante「夕暮れに・・・」

・ ラヴェル:歌曲集『シェエラザード』 (1903)
   アジア
   魔法の笛
   つれない人

アンドレ・デュソリエ(ナレーター:アンタール)

イサベル・ドゥルエ(メゾ・ソプラノ:シェエラザード)

フランス国立リヨン管弦楽団

レナード・スラトキン(指揮)


Youtubeはラヴェルの「シェエラザーデ」から第3曲。
トロヤノスの官能的な歌。
 

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2018年1月26日 (金)

本日の練習、初見大会

寒波襲来、この冬の最低気温更新中。

庭の白梅がようやく咲き始めた。
例年よりも半月遅れ。

この寒さで辛そうなポコにも暖房対策。


下にずれて足が短く見えてしまった。


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沼響は今日から定演に向けての練習開始の初見大会。

曲は

・楽劇「ニュルンベルクのマイスターシンガー」第一幕前奏曲

・楽劇「トリスタンとイゾルデ」第一幕前奏曲と愛の死



・交響曲第3番「スコットランド」(メンデルスゾーン)


というもの。


「マイスターシンガー」と「トリスタン」は過去に沼響での演奏経験があり、スコットランドは全く初めての曲。


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大学入学間もない頃、入団した大学オケの5月定期のメインがこの「スコットランド」だった。


他の曲はスメタナの交響詩「高い城」とシャブリエの狂詩曲「スペイン」。


今にして思えばなかなか凝ったプログラム。

オケ経験初心者の一年坊主の自分に出番があるわけなく、演奏会はもっぱら裏方。

この時の先輩方の「スコットランド」の演奏内容の記憶は全くないけれど、スメタナとシャブリエに使われる2台のハープを運んだ時の重たさと、吹奏楽とは異なる学生オケの大人の雰囲気が眩しかったことを今でも覚えている。





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さては沼響の初見大会。



新しい団員も増えて、初めての曲に皆一様に期待充分の表情。

「スコットランド」は音符の数が多くてどのパートも苦戦必至と予想していたのに、意外なほどすんなり通っていった。

ソロの多いクラリネットも大健闘。


ホルンは第4楽章最後のハイトーンのキツさは覚悟していたものの、ペース配分さえ誤らなければなんとかなりそうな感触。


なによりもメンデルスゾーンの集大成とも言える「スコットランド」の音楽の素晴らしさを堪能。




引き続き後半はワーグナー2曲。


「トリスタン」をかなり以前に沼響は演奏したことはあるものの、その時のメンバーで今残るのは片手で数えるほど。



トリスタン独特の和声に戸惑うこと多く、この日は全く音楽にならなかった。



オーボエが欠席だったりと管楽器に歯抜けが多く、和音の落としどころを見失い彷徨うばかり。



これはスコットランド以上に苦戦となりそうだ。



Youtubeは「トリスタンとイゾルデ」から前奏曲と愛の死、クナッパーツブッシュ指揮の超弩級の名演

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2018年1月24日 (水)

ロストロポーヴィッチのアルペジョーネソナタ

晴れ、今日はこの冬一番の寒さ。

先週の金曜に母方の伯父逝去の突然の知らせ。
昨日はその葬儀だった。

伯父は今年米寿、事業で財を成し50代には仕事から手を引き、以後は自由な日々を送っていた。


遊びも仕事も破天荒な人物だったが、ここ数年はアルツハイマーを発症したこともあり、
すっかり疎遠になってしまっていた。

何事にも興味を示してすぐに実行に移す人。


趣味で始めた油絵は自宅敷地にアトリエを持ち、いくつか入賞したり個展まで開く本格的な腕前。

自分が若い頃に50代の伯父と音楽の話をしていた時。

伯父「決めた!小丸1小丸1(自分の娘のこと)の結婚式には「エリーゼのために」を弾くぞ。」

私「楽譜読めんの?」


伯父「読めん!明日から練習すればなんとかなるだろう」


私「あと三ヶ月しかないけど・・・・・」



伯父は本当に音楽教室に通い、従姉妹の結婚式に「エリーゼのために」を弾いた。


通夜の席にはその時の録音が流れていて、三十数年前の伯父との会話をまるで昨日の出来事のように思い出した。


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帰宅後聴いた音楽はロストロポーヴィチのチェロでシューベルトの「アルペジョーネソナタ」。

作曲家ブリテンのピアノ伴奏。



手持ちはキングレコードが出していた国内盤CD。


鋼のような堅牢なチェロ、ブリテンの伴奏も硬質。

深くもの思いにふける孤独感さえ漂う、今日のような凍てつく寒い冬の夜を連想させる演奏だ。

1968年、ロストロポーヴィチが未だソビエト連邦の音楽家だった時代の録音。

Youtubeはヨーヨーマと内田光子のアルペジョーネソナタ

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2018年1月22日 (月)

ニューイヤー・ガラ・コンサート終わる

昨年の今頃咲き始めていた庭の梅はようやく蕾がほころびはじめた。

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今年の冬は例年に比べて気温が低いようだ。

午後から降り始めた雨は途中で雪に変わって夕方には大雪警報。

東京はかなりの雪。

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昨日「ぬまづ ニューイヤー・ガラコンサート」終了しました。


文化センター主催の初めての試み。

地元ゆかりの演奏家たちを集めてのコンサート。

出演は海瀬京子(ピアノ) 
井出美保(ソプラノ)
三浦玲太(サクソフォーン)  
荒川太一(ヴァイオリン)

そして喜古恵理香先生指揮の沼津交響楽団


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ゲネプロ開始は10時。

今回は軽い曲が多くてMCを入れながらソリストと合わせながら曲順をざっと通すだけ。

さすが本番当日ともなるとソリストたちも本気モード。

練習時は控えめな印象だったサクソフォーンの三浦さんも朗々と鳴らし、今年二十歳だというヴァイオリンの荒川君も自己主張を前に押し出してなんとも頼もしい。

ソプラノの井出さんはとても3児の母とは思えぬ若々しさ。

今回は明るく楽しい曲ばかり、本番前の緊張の中に漂う余裕は定演とは違う雰囲気だ。



ゲネプロは11時ごろに終わり自分の出番まで3時間以上のインターバル。

オケのメンバーも時間を持て余し気味。



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開場30分前。

長い行列ができてステージ上では最後の調整中。


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実際の入場者はステージ上からざっと見て6割ほど。



そしてソリストたちの第一部のステージが始まる。

最初はお馴染みの海瀬京子さんで「子犬のワルツ」「月の光」「ラ・ヴァルス」の3曲。

舞台袖で調律師のKさんと一緒に聴かせていただいた。

舞台袖で聴くとホール座席よりも良い音で聞こえるようだ。

しっとり美しいドビュッシーにスタッフもシンとして聴き惚れていた。

「ラ・ヴァルス」も京子さん余裕のステージ。


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自分はその後楽屋に戻りしばしのウォームアップ。

そして沼響の出番の二部の始まったのはなんと3時半過ぎだった。

自分としては反省点は多々あるものの短いソロも含めてなんとか及第点かな。
今までとは異なる何かが掴めた感触。


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ソリストでは荒川君のブルッフが楽しくて今後楽しみな逸材。

アンコールは沼津市歌とラデツキー行進曲。


今回のコンサートは若いフレッシュなソリストを迎え、ニューイヤーらしく爽やかな後味の残るコンサート。


終演後ホールで簡単なレセプションの後、場所を居酒屋に変えてソリストたちを交えての打ち上げ。

打ち上げ参加者はほとんど自分の娘の世代の若者たちだった。

親父世代としては多少肩身が狭く、沼響も世代交代がやってきたことを実感。


さて、次からは第34回定演の練習が始まる。


ワーグナー、メンデルスゾーンの二人の作曲家の演奏会。

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2018年1月19日 (金)

本日の練習、本番迫る

今日も晴れ。
一昨日来の暖かさはそのままで初春の趣。

朝出勤前に庭の整備のための業者さんが入り打ち合わせ。

昨日はオケの練習だった。
先週風邪で休んでしまい2週間ぶり。

場所は本番会場の沼津市民文化センター大ホール。

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今回は舞台にひな壇を組みハープも参加。

エキストラも揃い本番モードだ。

日曜の本番に向けてのいよいよ追い込みとなってきた。


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曲はソリストを迎えてのヨハン・シュトラウスの「春の声」、そして喜歌劇「こうもり」序曲の練習が中心のシュトラウス三昧。

「春の声」中間部でソリストのカデンツァ部分からのオケの入りがなかなか合わない。


何度も繰り返しているうちにおかしなスパイラルになってきた。


最終的な着地点は見つけたもののこれは再度確認した方が良い気がする。

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自分としては早めに会場入りできたので、ウォーミングアップが充分できた。
まずまずのコンディションで練習に参加できた。

ワルツやポルカでのホルン特有の後打ちがホルンセクション全体として不揃いなのが気になってきた。


あと二日でなんとかなるだろうか。


ここ数日の体の不調はようやく本復の兆し。

オケの練習に参加できたのが良い気分転換となったようだ。

Youtubeはファランドール

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2018年1月17日 (水)

フランセの六つの大行進曲

昨夜半からの激しい雨は朝には小降りになったものの終日雨模様。


気温は高く出勤時の外気温度は12度。

昨日同時刻は1度だった。


風邪は治ったがどうも体に力が入らない。
首回りのコリと五十肩の痛みで睡眠不如意。

巷ではインフルエンザが流行中。




気軽な備忘録のつもりでこのブログを書き続けて今日で開設12年め。

振り返って古い記事を読み返すと当初の文体の方がナチュラルで要領を得ていたようにも思う。
沼津交響楽団のホームページの聴き比べコラムも同様で、最近の記事は冗長で理屈っぽさが目立つ。

ちょいと反省。

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音楽はフランスの作曲家フランセの行進曲集。

正確には「六つの大行進曲 第一帝政のスタイルで」

演奏はジョルジュ・ツィピーヌ指揮のコロンヌ管弦楽団。
仏パテの10吋盤でモノラル。



軽妙洒脱なフランセの芸風とはまた異なる勇壮で華やかな行進曲の数々。

フランス独特の明るい音色が楽しいホルン合奏のファンファーレ隊が活躍したりと滅法楽しく、それでいてノンキなテイストが漂うのが面白い。


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終曲などイギリス国歌「ゴット・セイヴ・ザ・クィーン」とフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」が掛け合い、最終的にフランス国歌が勝つという、
チャイコフスキーの大序曲「1812年」のパロディとなっている。


オネゲルで驚異的な名演を残しているツィピーヌの指揮は非常に良い。

イコライザーはリアよりもロンドンカーヴが自然だった。



Youtubeはフランセのホルンとピアノのためのディヴェルティメント

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2018年1月15日 (月)

アンセルメの火の鳥全曲

寒が緩む良く晴れた1日。

晩年のアンセルメの演奏に興味が出てきて、アンセルメ最後の録音「火の鳥」
全曲を聴く。


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こちらのオケはニューフィルハーモニア管。

これまでほとんどロマンド管と録音していたアンセルメがここでニューフィルハーモニア管との録音。手持ちは国内盤LP。

こちらも遅いがメンデルスゾーンを聴いた時に最初に感じた停滞感はない。

表現の必然としてのゆったりとしたテンポ設定。

オケの力量も安心して聴ける水準。

じっくり歌う子守唄から雄大に盛り上がるフィナーレの壮大さからは老いは全く感じられない。

そして同じ全曲で1955年スイスロマンド管との録音。



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ステレオ初期の録音で多少レンジの狭さは感じるものの、再録音の音とさほど遜色は感じられない。
こちらも国内盤LP。


速いテンポで突き進む「魔王カッチェイの踊り」の華やかさは再録音よりも好ましい。

フィナーレはテンポ設定が再録音とほぼ同じなのに、音楽自体小さなものに感じられる。



ニューフィルハーモニア管との録音にはリハーサル風景も残されている。
手持ちは特典盤として出ていた国内盤LP。


冒頭のヴァイオリンのフラジョレットの部分でD線の調律をA線に変えさせ、数小節後に元に戻させる部分など実演ではまずありえないことで。

編集を前提としたレコーディング現場での、アンセルメの職人的な秘密技が垣間見えるのが非常に興味深い。


音程のふらつきへの鋭い指摘を聴くと、アンセルメの聴覚は最後まで鋭敏であったことがわかる。

全てFFrrカーヴでの視聴。


Youtubeはゲルギエフの火の鳥

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2018年1月13日 (土)

アンセルメのメンデルスゾーン

土曜休み。
長かった風邪はようやく収まった模様、朝ポコとの散歩で見た富士山。

雲一つない青い空。

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真っ白だった。


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そして昼食は家族でケーキの名店ペルルの直営店「cafe genten」でランチ。

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今日から新メニューだそうだ。


「ビーフシチューハンバーグのパイ包み」

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音楽はエルネスト・アンセルメのメンデルスゾーン。

交響曲第4番に序曲が3曲。


手兵スイスロマンド管とのスタジオ録音で交響曲は1964年、アンセルメ82歳時の録音。

手持ちは70年代に出た国内LP.


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・交響曲第4番 イ長調 「イタリア」

・序曲「フィンガルの洞窟」
・序曲「ルイ・ブラス」
・序曲「美しいメルジーネの物語」


最初からゆったりとしたテンポなのはアンセルメが細かな棒を振れなくなったからか、
それともオケの性能に合わせたのかは不明。




吹きこぼれるような闊達な演奏が多い中でのスローモーさがユニーク。


最初はずいぶんと緩い演奏だなあと思っていたものの、
聴いていくうちにこの遅さが必然のように思えてくるのが不思議。

実際、他の演奏では聞こえてこないような、いろいろな音が浮かび上がってくる。


序曲3曲は軽く爽やかな涼風が吹くようなメンデルスゾーン。


再生はffrrカーヴ。あきらかにRIAAよりも良い。


Youtubeはアンセルメのリハーサル

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2018年1月12日 (金)

ミュンヒンガーの四季

今週早くも金曜日。

連休の二日間を無駄にしてしまった風邪は未だ本復せず。


火曜日は出勤したものの早退して翌日になっても快癒せず結局水曜は1日休むことに。

その日の職場絡みの新年会も欠席。

木曜日はさすがに仕事を休むことも出来ず翌日の重要な会議の下準備。
なんとか気力で一日持たせて定時退社。

極寒強風下で、オフィスから契約駐車場までの帰りの道のりがいつもに増して遠い。
そのうち寒さで耳が痛くなってきた。



そんなわけで昨日のオケの練習も休ませていただいた。


本日快晴、最低気温1度、近隣市町の最低気温がマイナスを記録したことを思えば沼津は暖かだ。

今日の会議では案件の説明、質疑応答はほとんど一人で対応。
後半には喉が猛烈に渇いて脱水状態。
だが気力が張っていた為か鼻水も咳も止まってしまった。

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帰宅して夕食は家内と隣町の清水町にある「ガウディ」で夕食。

ここは自分たちが結婚する前からこの地にある老舗の地中海料理の店。

正確には昼間は「カフェ・ガウディ」夜になると店名は「スペインバル イ・コルネ」。

久しぶりに入ってみたら店内の様子は30年前とほとんど変わっていないものの、メニューはスペイン料理に特化してより洗練された雰囲気だった。


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音楽はミュンヒンガーの指揮でビバルディの四季。

手持ちはリサイクルショップの108円ジャンク棚からの救出もの。
LB13という番号の国内盤LPで1955年頃の発売らしい。

1953年の録音。
ヴァイオリンソロは名手バルヒェット。

これはミュンヒンガーの3つある四季の録音中最初のもの。

「四季」の魅力を世界に知らしめた記念碑的な録音とされる。


この演奏の直後にイ・ムジチのモノラル録音の四季が出た。

以後イムジチとミュンヒンガーは競うように四季の録音を重ねていく。

「春」の冒頭からのゴリゴリッとした響きは、直後に出たイムジチのモノラル録音の柔らかな甘さとは対極にあるもの。

モダン楽器の演奏としては、イムジチやパイヤールとは全く異なるスタイル。

最初違和感があったものの、聴いているうちに演奏自体が持つ熱いほどの演奏者の思いがストレートに伝わってきて引き込まれてしまった。

この録音当時、ミュンヒンガー以下シュトウットガルト室内管のメンバーは皆30代。

創設間もないオケのフレッシュにしてやる気十分の気合いが何とも気持ちが良い。

バルヒェットのソロも艶やかにして気品もあり素晴らしい。



通奏低音部分で独特のリアライゼーションで聴かせる「秋」が最も良い。


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手持ちには62年と72年の再録音もあるが、回を重ねる毎につまらなくなっているのは、
ミュンヒンガーの指揮者としての限界かもしれない。


古い音楽雑誌の50年代から60年代までの記事では、ミュンヒンガーの評価は絶対的な絶賛ばかり。

今やミュンヒンガーはすっかり過去の人になってしまったけれども、
最初の「四季」は現在でも充分に存在価値を誇れるもの。

イコライザーはFFrrのカーヴの指定となっていて、モノラルながらイコライザーを合わせると音は驚異的に良い。

youtubeはランパル、ミュンヒンガーのブランデンブルク協奏曲第4番

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2018年1月 9日 (火)

メナム・プレスラーのグリーグ

昨日の雨は上がり連休明けの火曜日は曇り空。

かなり暖かな朝。午後から強風。


土曜日のオケの練習から悪化した風邪は日曜になって本格的に。

絶好の行楽日和だった日曜と雨の成人の日の二日間は家で臥せっていた。

二日寝込むほどの風邪はここ数年なかったこと。
それだけ体力が落ちているということだろうか。


そして本日通常出勤。季節外れの暖かさが有難い。

出勤したもののどうも全身に力が入らない。
五十肩の痛みも煩わしい。

明日は部門の長を集めた新年会があり今週後半にはひとつの山場。

急を要する案件もないようなので決裁書類に目を通し早退。

定例的に通院しているクリニックに行き診察をお願いした。


昼前に行くと駐車場は満車。

嫌な予感は的中して中の待合には人で一杯だった。
折しもインフルエンザが流行中、こちらは普通の風邪なので逆にうつされるのではないかと心配になった。

2時間半ほど待たされて診察は5分足らず。

診察結果はただの風邪。

娘が数年前に処方されたのと同じ薬を受け取りそのまま帰宅。



こんな状態なのでまともに音楽を聴いていない。


日曜の夜に放送されたクラシック音楽館を録画していた。

番組のメインはN響定期のプロコフィエフのオラトリオ「イワン雷帝」
めったに聴かれぬオラトリオ版なので興味はあったものの、 こんな状態では大曲は聴く気になれぬ。

飛ばしながら後半のミニ番組コンサートプラスは何かと視ていたら、
昨年来日した94歳のピアニスト、メナム・プレスラーのドキュメントだった。

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内容は来日時のマスタークラスとインタビュー。

そしてコンサートの模様を少し。

コンサートで演奏されたドビュッシーの「月の光」、「夢」、ショパンの「ノクターン」の神のごとき演奏に風邪のことを忘れて聴き入った。


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ちょっと元気をいただいたので、音楽部屋に行きプレスラーの弾くグリーグを聴いてみた。


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手持ちのLPはスイス・コンサートホールソサエティ盤。
伴奏はオーベルソン指揮のウィーン祝祭管。
おそらく1960年代の録音でプレスラー壮年期の演奏。

がっしりと鋼鉄のようなタッチの中に柔らかで純な叙情味にもあふれた名演だった。

テレビでみた演奏と芸風自体は変わっていない。


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これほどの名演なのに一般の流通にのらないレーベルの発売であったことと、幾分固めの録音が災いして話題になることはなかった。

世評高い名盤の中に、この演奏を越える感銘を与える演奏がいくつあるだろうか。

冷え切っていた部屋で聴いていたらまた寒気がしてきた。

Youtubeはプレスラーの弾くショパン、感動的な演奏です。

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2018年1月 6日 (土)

本日の練習、今年の初練習はブルッフとビゼー

晴れ、昨日の小雨は良いお湿りとなった。
今朝は冷えて車のフロントガラスが凍っていた。


早朝に東伊豆沖を震源地とする2回の地震。

規模が小さく僅かな揺れであったものの目が覚めた。
昨晩遅くには千葉県西部一帯の地震もあり、相模湾を中心にして不気味な地殻変動。


巷は三連休とはいえちょいと仕事で出勤。
そのまま夜はオケの初練習。


午後あたりからどうも体がだるい。

仕事場から練習会場の沼津市民文化センターに向かう途中で鼻水が出てきた。


大ホールに到着すると舞台ではブルッフのコンチェルトが鳴っていた。



練習開始は6時半だと思っていたら6時開始だったらしい。

慌てて楽器を取り出すと寒さで冷え切っている。

これではまともな音が出ないので、ロビーでしばらくウォーミングアップ。
楽器が温まったところで練習に参加。

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2018年沼響の初練習は、喜古恵理香先生の指揮でニューイヤー・ガラコンサートの曲目。

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ヴァイオリンの荒川太一さんのソロでブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番第3楽章。

そしてサクソフォンの三浦玲汰さんのソロでビゼーの「アルルの女」から間奏曲。

荒川さんのヴァイオリンは昨年末の練習よりもリラックスした様子。
自由闊達でなかなか良い演奏だった。

荒川太一さんサックスとは初顔合わせ。

正直なところ「間奏曲」はサックスと同じメロディをホルンも演奏しているので、自分の場所にソロの音はあまり聞こえてこない。

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サックスを活かすならば「展覧会の絵」の古城あたりが最適だと思うのだが。



練習の後半で風邪の症状が本格的になり辛くなってきた。

途中退場しようかなとも思ったが、あと三十分なので耐えていると演奏中にくしゃみ三連発。



帰宅後、娘が風邪でクリニックにかかった時に処方された薬を物色。

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いつのものだか判らないが「葛根湯」と「小青竜湯」を見つけた。

ついでにインベスタンもあったけれど、とりあえず漢方に頼ることにして早めに就寝。


Youtubeは「アルルの女」の間奏曲のメロディを使用した歌曲「神の子羊」

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2018年1月 5日 (金)

グランジャニーのハープのことなど

曇り時々雨。

朝出勤時に車を走らせるとフロントガラスに霧のような雨滴。
山間部は雪のようだ。

正月ボケもなく仕事は年の初めからフル稼働。

今年はちゃんと音楽を聴き初めたのは伊東温泉から帰った3日から。

久しぶりにメインシステムにスィッチを入れると、パワーアンプの電源が途中で落ちた。
モノラル専用に使っているVictorのアナログプレーヤーも電源が入らない。

これは正月から縁起が悪い。

どうやらシステム全体の電源部分に問題がありそうだ。

部屋が暖まると音が安定してきた。


今年はドビュッシー生誕150年の記念の年。

ということで最初に聴いたのはドビュッシー。

ハープと弦楽オーケストラの曲で、「神聖なる舞曲と世俗的な舞曲」


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演奏はフランス生まれで主にアメリカで活動をしたマルセル・グランジャニーにフェリックス・スラトキン率いるコンサートアーツ合奏団によるもの。

オケはハリウッドの腕利きを集めた臨時編成オケと推察。
アメリカのペーパーバックレーベルから出ていたLPで1960年前後の録音。
手持ちはモノラル盤だがステレオ盤もあるようだ。
原盤はCapitol。

カップリングはスラトキンがメンバーの一人だったハリウッドカルテットにフルートの
アーサー・グレッグホーン、クラリネットのヒューゴ・ライモンディも加わったラヴェルの「序奏とアレグロ」に、グランジャニーとロジェ・デュカスによるハープの独奏曲。


1;序奏とアレグロ       (ラヴェル)
2;神聖なる舞曲と世俗的な舞曲 (ドビュッシー)
3;組曲「子どもの時間」    (グランジャニー)
4;舟歌            (ロジェ・デュカス)
5;ラプソディー        (グランジャニー)

ハープ;   マルセル・グランジャニー
2, ハリウッド弦楽四重奏団  
   フルート;アーサー・グレッグホーン
   クラリネット;ヒューゴ・ライモンディ
3,フェリックス・スラトキン指揮コンサートアーツ合奏団

フルートのグレッグホーンはビーチャム時代のロンドンフィルを経て、フィルハーモニア管、ロンドン響の首席奏者だった名手。
40年代末にアメリカに渡りハリウッドのスタジオミュージシャンとして活動。

クラリネットのライモンディとともにロバート・クラフト指揮のウェーベルン全集やシェーンベルク全集などのコロンビアレーベルへの録音の多くに名を連ねている。

ブルーノ・ワルターが晩年に残したコロンビア交響楽団との一連の録音にも加わっていたかもしれない。

爽やかな涼風が吹き抜けるような美しくも清々しい演奏。
奏者一人一人が唖然とするほどうまい。

気品と格調の高さを感じさせるグランジャニーのハープも非常に良い。

独奏曲ではロジェ・デュカスの小品が傑出。

イコライザーはコロンビアカーヴが自然な音。
Youtubeはドビュッシーの神聖なる舞曲と世俗的な舞曲

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2018年1月 4日 (木)

正月は伊東温泉

本日快晴、今年は元日からよく晴れた。
年末年始は一日一日が慌ただしく過ぎ、時間の経つのが実に早い。

 

休暇は終わり今日から仕事始め。家内や娘はまだ休み。

 



朝の社長挨拶の後、いつもと変わらぬ日常。

早くも正月は遠い彼方の出来事のよう。

 




今年の正月は2日から伊東温泉へ行っていた。

正月三が日に家を空けるのは初めてのこと。

 

愛犬ポコの面倒は弟に頼んでおばぁちゃんも連れての一泊旅行。

 


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宿は野坂昭如作詞いずみたく作曲のCMソングで知られる「ハトヤホテル」

 

この一回聞いただけで覚えられる名作CMは自分が小学生の頃から流れていた。


CMを見て、「泊まりたいなぁ」と子供心に思いつつもこの年まで行くことはなかった。

 



伊東まで自宅から車で一時間余り。


到着すると予想通り昭和の雰囲気を各所に残す雰囲気はあれど、

要所要所はリニューアルされていて、今まで生き残ってきたのも納得。

 

駐車場にはハトヤ消防の車。

本当に出動したことがあるのだろうか?
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年始ということで満室状態。

小さな子連れのファミリー層が多かった。

 

ホテルに到着早々、マイクロバスに乗り姉妹ホテルのサンハトヤの海底温泉風呂に行ってみた。

 

ここは海底から自噴している温泉を使用した大浴場。

 

周囲は水族館のような魚とウミガメが泳ぐ大水槽。

 

ところが小さな子供たちがはしゃいでいて落ち着かない。
やはり子供向けだ。

 

本家のハトヤホテルの大浴場はオーソドクスな温泉宿の湯。

 



夕食は大ホールで豪華バイキング。

料理は良かったが、ビンゴ大会は景品が完全に幼児向けで途中でやる気が失せ食事に集中。

 

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部屋の窓から見える相模湾の夜景。


海上には初島リゾートの明かりが見える。遠くの大都市の灯りは藤沢市街のようだ。
 

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3日は熱海の来宮神社に行ってみた。
 

 

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ここには樹齢2000年の大楠があり、最近パワースポットとして注目されているのだという。

 

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予想通りの混み具合だ。

 


大楠を見て一昨年切った庭の楠を思い出した。

 

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家の楠は樹齢80年、大きさは来宮神社境内の推定樹齢2000年の大楠にはとうてい及ばないが元気に育ちすぎて、太い根が家の土台下に入り込み持ち上げはじめたので、切り倒すことに。

 




ここで引いたお神籤は大吉だった。

 

家族全員が大吉だったのが不思議。


そして行列の出来ている店を何軒か目撃しながら、そのまま東京へ帰る帰省していた娘を熱海駅まで送る。



熱海の町は一時鄙びていたのが見違えるように活性化していた。



途中丹那盆地のパン屋に寄りながら日の明るいうちに帰宅。



飽食の今年の正月はこれで終了。


長くなりましたので音楽の聴き初めは次回。

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2018年1月 1日 (月)

2018年、戌年の正月

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

ことしは戌年。

ポコは今年も元気です。

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雨がぱらついた大晦日から平成30年戌年最初の朝は風もなく快晴。


初日の出もよく見えた様子。

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大晦日、家の掃除が早く終わったので、一杯になってしまったレコード棚の棚の移動を始めたら年を越してしまった。



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音盤整理をしているうちに次々と見つかるダブリ買い音盤。

国内盤と外盤で同じものもあったりしている。


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ダブッていても同じ国内盤でもマトリックス番号が異なっていたりすると、どちらが音が良いか聴き比べたくなってしまって手放せない。

最近フォノイコライザーにはまっていたりするのでなおさらだ。



そして元旦。

昼は弟家族を交えての年始の食事。

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今年の正月料理の多くは娘の手製。

京都の大学に在籍している甥は京都の正月を満喫したいと帰省せず。




そして地域の鎮守、楊原神社と吉田神社へ初詣。


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その後に家内の実家で夕食。

芸能人格付けチェックを観ながら、いつものプロとアマチュアの演奏家の聴き比べや
総額39億円と80万円の弦楽器との比較などを面白く見ながら。

昼からの酒と正月料理の攻勢でいささか胃が持たれ気味。

お酒を飲み始めた娘たちを見て岳父はゴキゲンだ。





家内の実家を辞したのは9時過ぎ。

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帰るついでに夜遅くの三島大社に行ってみた。

この時間はさすが空いていた。

風はない。
さほど寒くもなく頭上の大きな満月が参道を照らしている。

引いた御神籤は小吉だった。

サラリーマン生活も残り少なくなった。

今年は堅実地道に過ごそうか・・・・・


元日はお酒漬けで音楽は聴いていません。

ウィーンフィルのニューイヤーコンサートは録画しておいた。

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