大河ドラマ「天と地と」、冨田勲の音楽
春霞、遠くに見える富士山はうっすらと浮かんでいた。
3種の花を咲かせる梅「思いのまま」も散り始め。
今年は白とピンクのみがきれいに分かれて咲いていた。
仕事上では今年度最後の大きな山を越えてしばしの小康状態。
ハードオフでゲットしたジャンクものから。
NHK大河ドラマ「天と地と」のサウンドトラック盤LP2枚組。
海音寺潮五郎原作、石坂浩二主演の上杉謙信の生涯を扱った作品。
NHK大河ドラマ初のカラー作品としてかなり力の入った作品だった。
そのころ小学生だった自分にはこの番組の存在は強烈な存在で、
この番組をきっかけにして歴史が好きになり日曜夜の放送時間を楽しみに待っていたものだ。
この頃、ビデオテープが非常に高価だったためにNHKはテープを使い回ししていた。
したがって番組の大部分は消去されてしまい、映像としてはわずか1話分のみしか残されていない。
残された映像は物語のクライマックスの「川中島の章」の合戦部分。
かつてビデオ化もされていて図書館で借りて見たことがある。
リアルにしてスケールの大きな野外ロケ、豪華な俳優陣の力の入った演技で演出も素晴らしく、後の角川映画「天と地と」よりも格調が高くて今でも立派に通用する内容になっていた。
特に冨田勲の音楽が素晴らしく、テーマ音楽のみならず劇中音楽も圧倒的な存在感で迫ってくるのが印象的だった。
この2枚組LPはいわゆる音楽のみのサウンドトラック盤ではなく、2度に渡って放送された総集編の前編と後編の大部分の音声部分をそのまま収録したもの。
テーマ音楽のみはNHK大河ドラマテーマ音楽集としてLPやCDで発売されていたが、古い放送年ものはモノラル録音を疑似ステレオ化していた。
このLPでもテーマ音楽のみは疑似ステレオ化された音源と同じように思えるものの、番組中身部分は俳優の位置関係もよくわかる。
オリジナルのステレオかもしれない。
NHKとしては映像が残せない無念さを、せめて音声だけでも最上の形で残そうとしたのだろうか。
音声だけとはいえ、ジャケットの豊富な写真と詳細な物語の進行にシンクロした詳細な解説。
当時小学生だった自分がどこまで理解して見ていたのかは疑問だが、聴いているうちに実際のテレビ映像のシーンがおぼろげながら再現されているかのよう。
そういえばこの頃の我が家はまだ白黒テレビだった。
そんなことまで思い出した。
それにしても冨田勲の劇中音楽が素晴らしい。
各シーンでのドラマティックにして叙情的な音楽がドラマの価値を数段高めている。
後に出たCD「冨田勲の音楽」にも「天と地と」のテーマ音楽は収録されているが、当時のスコアは散逸してしまいほとんど残っていないのだという。
番組終了とともに使い捨てとなってしまった名曲の数々。
Youtubeは「天と地と」テーマ―音楽と川中島の合戦
NHKとしては映像が残せない無念さを、せめて音声だけでも最上の形で残そうとしたのだろうか。
音声だけとはいえ、ジャケットの豊富な写真と詳細な物語の進行にシンクロした詳細な解説。
当時小学生だった自分がどこまで理解して見ていたのかは疑問だが、聴いているうちに実際のテレビ映像のシーンがおぼろげながら再現されているかのよう。
そういえばこの頃の我が家はまだ白黒テレビだった。
そんなことまで思い出した。
それにしても冨田勲の劇中音楽が素晴らしい。
各シーンでのドラマティックにして叙情的な音楽がドラマの価値を数段高めている。

後に出たCD「冨田勲の音楽」にも「天と地と」のテーマ音楽は収録されているが、当時のスコアは散逸してしまいほとんど残っていないのだという。
番組終了とともに使い捨てとなってしまった名曲の数々。
Youtubeは「天と地と」テーマ―音楽と川中島の合戦
| 固定リンク
「音盤視聴記録」カテゴリの記事
- ホロヴィッツ、1978-79ライヴ(2023.12.01)
- ディヴィッド・マンロウ、中世ルネサンスの楽器(2023.11.28)
- テンシュテットのエロイカ(2023.11.16)
- スーストロのトランペットでテレマンほか(2023.11.14)
- パリ、ノートルダム大聖堂のクリスマスライヴと朝比奈隆の第九(2023.11.12)
コメント
自分も当時小学生だったので、
やはり仰る通り同世代ですね。
小学生当時はまだクラシック音楽に興味なかったので、
アニメのソノシートやシングル盤ばかり聴いていました。
富田勲と言えばアニメの音楽もありますね。
富田勲のシンセサイザー音楽も出始めた頃、よく聴きました。
投稿: よしお | 2018年3月14日 (水) 23時56分
私が冨田勲の音楽を意識したのはシンセサイザーのアルバム「月の光」でした。
今まで聞いたことのない未知のサウンドが強烈でした。
この「天と地と」や新日本紀行、アニメではジャングル大帝など。
いずれも他に類のない作品群だと思います。
投稿: 山本晴望 | 2018年3月17日 (土) 20時50分