サヴァリッシュの「スコットランド」
曇りのち晴れ。
寒暖差は大きく昨日はクシャミが一時止まらなかった。
今日の最高気温は29度。
昨日夜は市内ホテルで新社長を迎えた歓迎会。
家では新しいフォノアンプでいろいろと手持ちの音盤行脚。
今、沼響で練習しているメンデルスゾーンの「スコットランド」を聴いてみた。
沼響のHPには定演や主な演奏会で演奏するメイン曲の聴き比べを連載しているけれども、 ここ2年ほど新しい連載をスルーしてしまっている。
「スコットランド」も参考となる本や伝記、スコアなども集めてはみたものの、あまりにも奥の深い曲だということが調べるほどに、また練習を重ねるにつれて判ってきて、結局手が付けられなくなってしまった。
連載が頓挫してる他の曲も同様。
曲と演奏側との譜面上の深い事情、さらにレコード製作現場の思惑などが複雑にからんできていることが自分の知識と演奏経験が増えてくるにつれわかってきて、裏を取ったりしてる内に気軽に書けなくなってしまった。
音楽部屋には連載を待つLP、CDの山。
とはいえHPに載せるまでには至らないけれども、それぞれの曲について数回は聴いていてメモ程度の感想は残しているので、そのうちアップすることができると思います。
と言うことで今練習している「スコットランド」
手持ち音源リストを見ると古くはワインガルトナーやトスカニーニ。
新しいものでは有田正弘の初稿盤などLPCDで30種。
そのほかビデオのエアチェックではN響定期でのサヴァリッシュ、ブロムシュテット、ギブソン。他にはショルティ、シャイーなど。
FMエアチェックでは実演を聴いたコリン・デーヴィス指揮ロンドン響そのほか。
全て合わせても50種をちょいと越える程度だと思う。
これは今までの聴き比べ対象曲の手持ち音源中ではかなり少ない部類。

LPラックの交響曲棚コーナーからメンデルスゾーン部分を見てみると、
マークやクレンペラーらの定番演奏のほかプレヴィターリやボールトなど、面白そうなものが出てきたけれども、今日はN響との名演が印象に残っているサヴァリッシュ。
ニューフィルハーモニア管との1967年録音フィリップスへの交響曲全集中の1枚。
サヴァリッシュのメンデルスゾーンでは他にウィーン響との「イタリア」旧録音やオラトリオ「エリア」の名演があり、「エリア」はN響とのライヴがCDにもなっていた。

この「スコットランド」は定評のある演奏だが、よくまとまっているものの意外と平板。
ニューフィルハーモニア管の幾分無機質で無個性な感触が、今熱い気持ちでこの曲を練習している自分にはあまりにも冷たく聞こえる。
この時のサヴァリッシュは44歳。
N響とのライヴはもう少し面白みがあったと思う。
手持ちは日本フォノグラムが出していた国内盤LP。
さまざまなイコライザーカーヴで聴いてみたけれども、どれがぴったりはまるのかよくわからない。
比較的良かったのはffrrで多少低音をブーストしたとき。
そしてコロンビアカーヴ。
サヴァリッシュの自伝を読むと、サヴァリッシュの60年代後半から70年代までの録音は、ドイツシャルプラッテンのディレクターだったゲルハルト・ヴォルムとの共同作業だという。
この時の録音としてメンデルスゾーン(ニューフィルハーモニア管)、シューベルトとシューマン(ドレスデン国立歌劇場管)の各交響曲全集とサヴァリッシュ自身が書いている。
メンデルスゾーンとシューベルトはフィリップスから発売されシューマンはEMIから出ていた。
この辺は当時の専属契約のマジックがありそうで、イコライザーカーヴの選択もレーベルによって複雑になってしまったのかもしれない。

サヴァリッシュの自伝「音楽と我が人生」原題は「Im Interesse der Deutlichkeit(明瞭にするために)」 には、1960年から音楽監督となり次第に良好な関係になっていったウィーン響との録音が2年ほどで突然打ち切られた事情が書かれている。
レコード会社とオーケストラ、指揮者の思惑が絡んだ60年代の専属契約の複雑さについての記述が非常に興味深い。
Youtubeはサヴァリッシュ指揮N響の「スコットランド」
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コメント
>比較的良かったのはffrrで多少低音をブーストしたとき。
これはAESでしょうね。東ドイツのレコード会社はAESかNABが多いです。AESはフィリプスもメインで使っていましたし、1000hz以上のロールオフはffrrと同一です。
投稿: ぶりちょふ | 2018年6月10日 (日) 11時38分