ffss ステレオの旅
お盆も過ぎ今朝の明け方は寒気も感じさせるほど。
長かった酷暑の夏もようやく終わりが見えてきた。
今朝、旅立ったはずのツバメが我が家の周りを旋回していた。
一瞬、目を疑ったが確かにツバメだった。
こんなことは初めてだ。
高く青い空は秋を感じさせるもの。
子どもたちは静岡に来ている劇団四季の「オペラ座の怪人」を観に行ったり海外に行ったりとそれなりに社会人の夏休みを満喫している様子。
昨日は午後から休みを取って我が社OB3人と駅前の「魚がし鮨」で昼食会。
3人とも自分の部署の経験者。
その中の1人は大学同窓の先輩で、定年前に退職し最近まで非常勤講師として大学で教鞭をとっていた。
もう一人も定年前に退職。
今は飲食店数軒のオーナーとして辣腕を振るっている。
見るからに現役時代よりも忙しそうだ。
健康の話にもなり、3人とも持病を抱え大きな手術も受けていた。
それでも楽しみながら日々を過ごしている様子が羨ましい。
これからの自分にとって有益なアドバイスをいくつもいただいた。
有難きかな。
昼間からのおっさんたちの騒がしい酒宴。
食事に来た他のお客の中で浮いている我々を自覚。
お開きは夕方となり駅からのバスで明るいうちに帰宅。
車内でバスの出発を待つうちに仕事を終えた我が社の若者たちが乗ってきた。
最近手持ちの音源をさまざまなイコライザーカーヴで聴き直している。
今日聴いたのは「ffssステレオの旅 A JOURNEY INTO STEREO SOUND」
英デッカがステレオLPを発売するにあたり、手持ちの音源やこのアルバムのために新たな録音を加えたステレオの宣伝用LP。
1958年発売。
手持ちはキングレコードから出ていたLPで番号はSL0。
・疾走するSL
・狂詩曲「スペイン」(シャブリエ)から
アタウフォ・アルヘンタ指揮ロンドン交響楽団
・タップダンスの練習風景
・パリの橋の下で
エドムンド・ロス・オーケストラ
・春の祭典(ストラヴィンスキー)から
リハーサルと本テイク
エルネスト・アンセルメ指揮 スイスロマンド管弦楽団
・楽劇「ワルキューレ」から(ワーグナー)
ゲオルグ・ショルティ指揮ウィーンフィル
・レーシング会場の様子
・真実の恋
マントヴァーニ楽団
・倫敦塔衛兵の交代の様子
・スペイン奇想曲から (R.コルサコフ)
アタウフォ・アルヘンタ指揮ロンドン交響楽団
・おお聖なる贖い主よ (グノー)
K.フラグスタート :ソプラノ
A.ボールト指揮ロンドン交響楽団
など・・・・・
ナレーション付き。
タップダンスや衛兵交代の様子などかなりリアルだ。
珍しいのはアンセルメの「春の祭典」のリハーサル。
アンセルメのリハーサルやレクチャーの録音はいくつかあるけれども
「春の祭典」のリハーサルはこの盤以外は見たことがない。
第一部の終盤の終結に向かって加速していく部分で、弦楽器部分のみを取り出してアンセルメが管楽器部分を大声で歌いながら反応の鈍い弦楽器パートをドライヴしていくスリリングなもの。
続く本テイクの管楽器も含めてなんともユルいアンサンブルに苦笑。
途中でアンセルメの叱責のような怒号も混入している。
もうひとつ不思議なのはショルティ指揮の「ワルキューレ」。
あまりにも有名なデッカの「ニーベルングの指輪」全曲からの抜粋かと思いきや、 あの「ワルキューレ」全曲はこのLP発売以後の1962年録音のはず。
「ワルキューレ」の一部のみ先行して録音していたのだろうか?
それとも全曲盤とは別録音か。
いずれもffrrカーヴでの超鮮明な録音に驚嘆する1枚。
購入したのはだいぶ以前のことだけれども印象が一変。
ポピュラー音楽のヴォーカルの生々しさは凄い。
youtubeはアルヘンタの狂詩曲「スペイン」
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コメント
ショルティは1957年にワルキューレの第三幕のみ録音しています。この辺りの経緯は以下のページに自伝の引用で触れられています。ご参考まで。
http://classic.music.coocan.jp/opera/wagner/ring.htm
投稿: たなかま | 2018年8月18日 (土) 22時09分
たなかまさん、情報ありがとうございます。
なるほど有名な全曲録音とは別録音ですね。
カルショー著「ニーベルングの指輪」にあたってみましたら、このあたりのいきさつが詳しく書いてありました。
当初ソプラノのフラグスタートをブリュンヒルデ役としてショルティ指揮で「ワルキューレ」を全曲録音するはずが、フラグスタートが第2幕の始めの部分を歌うことを拒み、ジークリンデ役を希望したために、ジークリンデ役として第一幕のみをクナッパーツブッシュと録音。
ブリュンヒルデ役として三幕のみをショルティと録音。
結局第2幕は録音されなかった。
というのが真相のようです。
投稿: 山本晴望 | 2018年8月19日 (日) 01時48分
アンセルメの春の祭典。
何でこんな演奏を発売したのでしょう。
デッカなのに録音も良くないです。
アンセルメの最後の録音が、
ストラヴィンスキーの火の鳥なのですが、
流石にオケがニューフィルハーモニア管に変わっていますね。
投稿: よしお | 2018年8月19日 (日) 12時03分
この当時はこれで通用したのでしょうか。
リハーサルではアンセルメもかなり苛立っているようです。
投稿: 山本晴望 | 2018年8月21日 (火) 22時53分