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2018年11月28日 (水)

ヒュッシュの「冬の旅」をold78で聴く

晴れのち曇り、天気は西から下り坂。

2025年万博の大阪誘致決定に沸く大阪の様子をテレビで見て1970年の大阪万博を思う。

当時自分は小学生。

その時未来への希望に満ちた明るい日差しの中にいるような、ウキウキとした気分が日本全体を覆っていたように記憶している。

もう50年近く過去のこと。

万博会場ではタッチパネル式のブラウン管に驚き、アメリカ館で月の石を見て疲れて会場の路上の端に座りこんでいた時に、当時皇太子だった今上陛下御夫妻を乗せた黒塗りの車がすぐ目の前を通過していったことなどがつい最近の出来事のように鮮明に思い浮かぶ。


NHKのテレビ番組「70年代われらの世界」の冨田勲作曲のテーマ音楽、
「青い地球は誰のもの」が頭の中で鳴り始めた。


そして再び東京オリンピックを経ての大阪万博。

50年前と同じ流れとはいえ時代は変わり、国債残高が平成の30年間で5倍になってしまった日本。
世界の中の日本の立ち位置も変わっている。


現在のどうにもならない閉塞感から脱却しようとして、過去の成功体験に縋っているようにも思える。

2025年、その時自分は何をしているかな。



そんなことを思いながら今日はシューベルト。

ゲルハルト・ヒュッシュが歌う「冬の旅」を聴いた。



Sdsc09995



手持ちは国内盤CDと最近リサイクルショップで100円で見つけた日本ビクターの国内初期LP。


内容が暗く感じられて自分は「冬の旅」の熱心な聴き手ではない。

以前岡村喬生で聴いたときに、歌よりも伴奏者の高橋悠治の方が印象に残っているほど。


それでも聴く気になったのは、イコライザーカーヴの調整でこの名高い演奏がどのような変化するかとの興味のみ。


この演奏は1933年のSP録音、録音時のヒュッシュは32歳だった。

DENONのモノラル専用カートリッジDL102と、ムジカのフォノアンプのから old78カーヴで聴いてみた。


RIAAに比べ若々しく張りのあるヒュッシュの声とピアノの生々しい音にびっくり。

音に力の無いCDとは格段の差だ。

年齢相応の音で聞こえていて、この曲の新たな魅力を知った思い。

これから古い録音を聴く楽しみが増えた。

Youtubeは冨田勲作曲「青い地球は誰のもの」、当時の音源から

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