フリッツ・ヴェルナーの「マタイ受難曲」
この月曜日も朝から雨。
未明から振り出した雨は昼頃にようやく上がった。
午後からは雲の垂れ込めた灰色の日曜日から一転しての青空。
昨日からフリッツ・ヴェルナー指揮の「マタイ受難曲」を聴いている。
エラート原盤のワーナーミュージックから出ていたセットものCD。
ヘルムート・クレプス(福音史家、Ten)
フランツ・ケルヒ(イエス、B)
アグネス・ギーベル(S)
レナーテ・ギュンター(A)
ヘルマン・ヴェルダーマン(B)
マリー・クレール・アラン(オルガン)
ピエール・ピエルロ(オーボエ)
マクサン・ラリュー、ジャン・ピエール・ランパル(フルート)
フリッツ・ヴェルナー指揮
プフォルツハイム室内管弦楽団
ハイルブロン・ハインリヒ・シュッツ合唱団
ハイルブロン・ロベルト・マイヤー少年合唱団
録音: 1958年10月、ヴァインスベルク、プロテスタント教会
他にヨハネ受難曲、クリスマスオラトリオ、ロ短調ミサを収録したCD10枚組
ヴェルナーのバッハは80年代に千円の廉価盤LPが沢山出ていた。
その頃、バッハの宗教曲はリヒターが定番のようになっていて、
なんとなくヴェルナーは興味の対象外になっていた。
ところが偶然聴いたヴェルナーの「ロ短調ミサ」の、温かく大きな包容力を感じさせる演奏に魅了され、ワーナーから出たカンタータを含むセット物CDを購入。
60曲あまりのカンタータを通勤途中の車中で聴き終わり、今はマタイとヨハネの二つの受難曲を聴き始めている。
合唱やオケの精度にはおおらかな部分はあるけれども、ヴェルナーの指揮の下に演奏者たちが渾然一体となって大バッハの宇宙を無心に創り上げているのが感動的だ。
歌手は手堅い人々、器楽にはオルガンのアラン、ヴァイオリンのバルヒェットのほか フルートのランパルにラリュー、オーボエのピエルロにシャンボンなどフランス系の大物奏者がずらりと並ぶのが鳥肌もの。
ヴェルナーは第二次世界大戦中のナチスドイツ占領下のパリでラジオ・パリのディレクターを務め、その時に前途ある多くのフランス人の音楽家たちを擁護したという。
このヴェルナーが戦後になってバッハを録音するにあたり馳せ参じたフランスの音楽家達。
たまたまこの人達がエラートに所属していたということも単なる偶然ではあるまい。
この録音の第二部のアリア「憐れみたまえ、わが神よ」のアルトソロとバルヒェットのヴァイオリンには何度聴いても泣けてくる。
この名演を音楽的にして見事に捉えたのは名エンジニア、アンドレ・シャルラン。
youtubeはヴェルナーの「マタイ受難曲」
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