アリス=紗良・オットのことなど
2月も半ばを過ぎた土曜日は暖かな朝。
富士山には笠雲らしき雲。
アリス=紗良・オットのことなど。
昨晩、ピアニストのアリス=紗良・オットが自身のホームページで多発性硬化症の発症を告げていた。
競泳の池江璃花子選手の白血病といい、若い才能になんとも酷な運命が待ち受けていたことかと、驚きと同時に悲しい。
多発性硬化症と言えば、自分の世代としてはチェリストのジャクリーヌ・デュプレのことが思い浮かぶ。
音楽を奪われた彼女の生涯を思う毎に心が痛む。
アリスは5年ほど前に隣町の富士市で実演を聴くことができた。
この時、遠くの客席のほんの微かなノイズにも反応する彼女の超人的な耳の良さと鋭い感性に驚き、音楽が瑞々しくも生き生きと躍動していて、若き才能の出演に嬉しくなった。
今日は録画してあった昨年11月のN響定期でのラヴェルのト調のピアノ協奏曲を見ていた。
実演で聴いた時その頃よりも数段スケールアップされ洗練された演奏。
これから益々成長が期待されるピアニストだったのに天は彼女に酷な運命を与えてしまった。
医学の進歩を信じて早くの回復を心から祈ります。
youtubeはアリス=紗良・オットのラヴェル、ピアノ協奏曲
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