クレツキのボロディン
薄曇ったような春の空。2月も今週で終わり。
午後遅くから外部委員を交えた報告会議。
年度代わりの3月を控えて慌ただしくなってきた。
先週土曜のランチは大仁にある玄米レストラン「ぜんな」で家内とランチ。
「ぜんな」は2年ほど前にオープンした自然食レストラン。
その日の朝、家内が偶然目にした病院の機関誌に紹介された店の記事を見て突然行きたいと言い出した。
伊豆市大仁までは自宅から車で30分ほどの距離。
「えぇ!遠いじゃん、お昼は家にあるものでいいよ」と言いかけて。
記事を見ると良さげな店なので行くことにした。
江戸時代は豊富な金の採掘で賑わい、その後金鉱から温泉が噴出し金の採掘が出来なくなってからは温泉地として栄えた旧大仁町。
土曜日ということで伊豆観光お目当ての市外ナンバーの車で渋滞していた。
それにしても普段の土曜日よりも車が多い。
狩野川沿いを走っているうちに堤防沿いに咲く河津桜に気がついた。
今が盛りの河津桜を見に行くために河津方面に向かう車列だったのだ。
結局所要時間は40分ほど。
お店につくと駐車場は広く第2駐車場まで完備。
それなりに人気のある店らしい。
玄関で靴を脱いで店内へ。
昼過ぎなのにほぼ満席。
シニア層と女性が多い。
初めてなので本日のランチをオーダー。
自分は本日お魚に「ほうぼうの刺身」、家内はアコウダイの焼き物をセレクト。
玄米と味噌汁、品数は多いけれど一品一品は少量。
見た目は地味です。
でも素材や調味料に非常なこだわりが感じられ、ひとつひとつが美味しい。
ゆっくり噛み締めると素材のよさに本物の良さが伝わってくる。
なるほど、これが人気の秘密なのだろう。
ただ油気がほとんどないので若者には物足りないかもしれない。
あらためて店内を見渡すと常連さんらしき女性の二人組が何組かと観光客らしきグループ、
中年の紳士など。
年齢層は高い。
美味しかったけれど物足りない感もあったのでデザートもオーダー。
タピオカの原料となるキャッサバのケーキにした。
もちもち感とサツマイモにも似た仄かな甘味が良い。
しばらくすると店主らしき女性がワインゼリーを持ってきて話しかけてきた。
??
私「すいません、これたのんでないですけど」
店主さん「サービスです。今日はどちらから来られましたか?」
私「え? ありがとうございます。沼津からです」
思いがけない気配りに饒舌となる家内。
無農薬の話、調味料の話エトセトラ。
特産のイチゴ入りして底には豆乳を固めたヨーグルトのワインゼリー。
これも絶品。
ささやかながら暖かで気持ちの良い対応に気分がよくなって店内販売の自家製ふりかけも購入。
お店の人気の秘密もわかりました。
今日はポーランドの指揮者、パウル・クレツキのロシアもの。
ボロディンとイッポリトフ=イワーノフ。
英コロンビアの外盤LP
・交響曲第2番 ロ短調 :ボロディン
・「コーカサスの風景」組曲 Op.10 :イッポリトフ=イワーノフ*
パウル・クレツキ (指揮)
フィルハーモニア管弦楽団
録音 1954年 2月3日、12日
1953年 6月16,23日 *
この時期のフィルハーモニア管弦楽団は、カラヤンやカンテルリといった当時注目の若手指揮者の録音の合間に、ガリエラやクレツキといった職人的な確かな腕の指揮者と優れた演奏を残していた。
創設して日が浅いオケのトレーナーとして最良の人たち。
だが録音の多くはモノラルだったために忘れ去られていた。
クレツキとの一連の演奏もそのひとつ。
いわゆるロシア的な民族色は希薄だが洗練された解釈が新鮮。
きっちり整えたアンサンブル、各楽器が完璧に近いバランスで鳴り響くのも圧巻だ。
野暮天に陥りがちな「酋長の行列」など、これほど品格を保って響いた演奏は聞いたことがない。
ボロディンの第3楽章やイッポリトフ=イワーノフの第1曲冒頭で聴けるデニス・ブレインのホルンソロはこれ以上ないほど見事なもの。
イコライザーカーヴはcolumbiaカーヴ。
youtubeはボロディンの交響曲第2番、フェドセーエフの指揮
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