クライバーンのグリーグ、ショパンのことなど
3月最初の土曜日は薄曇り。
気温も高く裏山の河津桜も満開だ。
そして花粉症の季節。
先日の唇の負傷もあってマスクが手放せない初春。
今日の午後、Proud NUMAZU CMコンテストの表彰式に行ってみた。
沼津を題材にし「沼津の愛」を30秒のCMに表現した映像を集めたもの。
どの作品もそれぞれに工夫、見慣れた風景が全く違ったものに見えてくるのが新鮮だ。
面白かった。
最優秀賞と審査員特別賞受賞はそれぞれ市内の高校生が取った。
2作品ともにシンプルながら思わず引き込まれる力作。
特に最優秀賞作品は、審査員の「伊右衛門」のCMを演出している中島信也にして 「テレビで今すぐに流しても十分いける」とまで言わせた出来。
これからはこの若い才能たちの時代だ。
今日はクライバーンの弾くグリーグとリスト、ショパンを聴いていた。
昨年末にリサイクルショップのジャンクコーナーから救出した一連の外盤LP。
・ピアノ協奏曲 イ短調 :グリーグ
・ピアノ協奏曲第1番変ホ長調S.124 :リスト
ヴァン・クライバーン (ピアノ)
ユージン・オーマンディ(指揮)
フィラデルフィア管弦楽団
録音:1972年、フィラデルフィア
冷戦下の1958年、チャイコフスキー国際コンクール優勝抜きにはクライバーンは語れない。
そして大成すること無く終わってしまったその後のことも。
クライバーンの演奏はコンクール直後にとにかくよく売れた。
そこで専属だったRCAは著名なピアノ曲を次から次へとクライバーンに録音させた。
今でもクライバーンのチャイコフスキーのピアノ協奏曲やベートーヴェンの「皇帝」などのLPは、カラヤンの「運命」などと一緒にリサイクルショップのLPコーナーの常連だ。
このグリーグとリストはコンクールの後、10数年を経た演奏。
既にクライバーンが消耗してしまっていたことがグリーグ最初の冒頭部分からして顕著。
とにかく音楽に力がなく平板なのだ。
女性的でなよっとしていてタッチも弱く最後まで聞き通すのが辛いほど。
テクニックもこの程度では今ではとても通用しない。
オーマンディの伴奏もクライバーンに合わせたのか随分と存在感が薄い。
同じ頃の録音でショパンの2つのソナタも聞いてみた。
・ピアノソナタ第2番変ロ短調 Op.35『葬送』 :ショパン
・ピアノソナタ第3番ロ短調 Op.58
ヴァン・クライバーン (ピアノ)
録音:1972年
こちらも同じ日に購入した外盤LP.
存在感は薄いけれども、静かに丁寧に弾いている無表情さが一種白痴美のような雰囲気を漂わせているのが興味深い。
音はNABで聴いた。
かなり厳しい感想になってしまったのでもう一枚。
コンクール直後のチャイコフスキーを聴いてみる。
こちらはスタジオ録音。
手持ちはいろいろ。
国内盤LPとRCAの外盤LPなど。
・チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 op.23
ヴァン・クライバーン(ピアノ)
キリル・コンドラシン(指揮)
RCA交響楽団
録音:1958年 ニューヨーク、カーネギー・ホール
おそらく世界で一番売れたクラシック音楽のレコード。
純粋なまでの初々しさが好感を呼ぶその名に恥じない清々しくも爽やかな名演だ。
コンドラシンの伴奏も理想的なバック。
面白かった。
最優秀賞と審査員特別賞受賞はそれぞれ市内の高校生が取った。
2作品ともにシンプルながら思わず引き込まれる力作。
特に最優秀賞作品は、審査員の「伊右衛門」のCMを演出している中島信也にして 「テレビで今すぐに流しても十分いける」とまで言わせた出来。
これからはこの若い才能たちの時代だ。
今日はクライバーンの弾くグリーグとリスト、ショパンを聴いていた。
昨年末にリサイクルショップのジャンクコーナーから救出した一連の外盤LP。

・ピアノ協奏曲 イ短調 :グリーグ
・ピアノ協奏曲第1番変ホ長調S.124 :リスト
ヴァン・クライバーン (ピアノ)
ユージン・オーマンディ(指揮)
フィラデルフィア管弦楽団
録音:1972年、フィラデルフィア
冷戦下の1958年、チャイコフスキー国際コンクール優勝抜きにはクライバーンは語れない。
そして大成すること無く終わってしまったその後のことも。
クライバーンの演奏はコンクール直後にとにかくよく売れた。
そこで専属だったRCAは著名なピアノ曲を次から次へとクライバーンに録音させた。
今でもクライバーンのチャイコフスキーのピアノ協奏曲やベートーヴェンの「皇帝」などのLPは、カラヤンの「運命」などと一緒にリサイクルショップのLPコーナーの常連だ。
このグリーグとリストはコンクールの後、10数年を経た演奏。
既にクライバーンが消耗してしまっていたことがグリーグ最初の冒頭部分からして顕著。
とにかく音楽に力がなく平板なのだ。
女性的でなよっとしていてタッチも弱く最後まで聞き通すのが辛いほど。
テクニックもこの程度では今ではとても通用しない。
オーマンディの伴奏もクライバーンに合わせたのか随分と存在感が薄い。
同じ頃の録音でショパンの2つのソナタも聞いてみた。

・ピアノソナタ第2番変ロ短調 Op.35『葬送』 :ショパン
・ピアノソナタ第3番ロ短調 Op.58
ヴァン・クライバーン (ピアノ)
録音:1972年
こちらも同じ日に購入した外盤LP.
存在感は薄いけれども、静かに丁寧に弾いている無表情さが一種白痴美のような雰囲気を漂わせているのが興味深い。
音はNABで聴いた。
かなり厳しい感想になってしまったのでもう一枚。
コンクール直後のチャイコフスキーを聴いてみる。
こちらはスタジオ録音。
手持ちはいろいろ。
国内盤LPとRCAの外盤LPなど。
・チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 op.23
ヴァン・クライバーン(ピアノ)
キリル・コンドラシン(指揮)
RCA交響楽団
録音:1958年 ニューヨーク、カーネギー・ホール
おそらく世界で一番売れたクラシック音楽のレコード。
純粋なまでの初々しさが好感を呼ぶその名に恥じない清々しくも爽やかな名演だ。
コンドラシンの伴奏も理想的なバック。
ここでは確かに天才の片鱗を聴くことができる。
結局この1枚がクライバーンにとっての最高傑作になってしまった。
結局この1枚がクライバーンにとっての最高傑作になってしまった。
処女作を越えられなかった作家のように。
Youtubeはクライバーンの弾くラフマニノフ、1962年モスクワライヴでのピアノ協奏曲第2番
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