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2019年4月に作成された記事

2019年4月29日 (月)

ツィピーヌのフォーレ「マスクとベルガマスク」

連休3日目の月曜日。

 

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雨上がりの朝、遠出してポコと裏山の奥までの散歩。

野鳥のさえずりの中、山道を登って行くと突然ポコが興奮状態に。
見るとぬかるみの泥溜まりにイノシシの足跡。

 

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イノシシの泥遊びの場所「ぬた場」を見つけたようだ。

そして麓に下りて花畑で落ちつきを取り戻したポコ。

 

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散歩から帰ると雨がポツリポツリ。

 

午後から家内の買い物につきあって沼津市街へ。

いつもより人出が多かった。
この連休中全国からラブライバー達が集まっているようだ。

街中を散策して「鮪小屋」で早い夕食。

客はそれなりに入っていたけれども、以前食べた時よりも精彩を欠く内容。

 

オネゲルで驚異的な名演を残しているクリュイタンスと同世代のフランスの指揮者ジョルジュ・ツィピーヌ指揮するフォーレの管弦楽曲集。

 

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・組曲「ドリー」(アンリ・ラボー編)
・組曲「マスクとベルガマスク」
・組曲「ペレアスとメリザンド」(シャルル・ケックラン編)

 

  ジョルジュ・ツィピーヌ指揮
  オペラ=コミック国立劇場管弦楽団

    1955年6月4、5日*、12、13日
    パリ、メゾン・ド・ラ・ミュテュアリテ

 

ロマンティックにして明晰、気品漂う素晴らしい演奏。

あたかもモノクロの名作映画を観るような趣。

 

アンサンブルはラフだがホルンのルシアン・テーヴェをはじめとした往年の管楽器奏者の名人芸を楽しめる。

次回定演で取り上げる「マスクとベルガマスク」について手持ち音源をいろいろ聴いた中で、このツィピーヌ盤が最も私の琴線に触れた。

 

手持ちは米AngelのLPでジャケットは素っ気ないものだが音は良い。

 

Youtubeはツィピーヌの指揮するフォーレ、「ペレアスとメリザンド」からシシリエンヌ

 

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2019年4月28日 (日)

月光天文台、スコダのシューマン

日曜日の朝、なかなか完成しない家の近くの道路工事現場からの富士山。

 

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昨日の冷たい雨で麓まで雪化粧。

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宝永火口が良く見える。

裏山にはヤマフジが咲き庭のツツジは散り始め。

 

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夜遅くから雨。

娘が帰省してきて庭の変貌ぶりに驚いていた。

 

午後から家内と月光天文台

 

この天文台はかつて沼津市内の香貫山山頂にあって小学生たちの遠足コースとなっていた。

1972年に大流星雨が出現するとされたジャコビニ流星群騒動の時には夜遅くに山頂の天文台まで見に行ったのも懐かしい思い出だ。

この時流星は全く出現せず、立錐の余地もないほど大勢集まった人たちのがっかりとした様子とヨッパライの喧嘩があったことを今でもはっきり覚えている。

 

それからまもなくして箱根の麓、函南町の山麓に月光天文台として移転した。

 

場所はかなりの山奥。

 

対向車が来ると困るような狭い道を20分ほど登るといきなり広い場所に出た。

建物も意外と新しくて広い。

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テレビドラマ「相棒」のロケ地として使われたこともあるらしい。

 

ちょうどプラネタリウムが始まる時間だったのでそのまま会場へ。

椅子の座り心地が良く、ヒーリングミュージックと解説の女性の声でそのまま寝落ち・・・

 

目覚めたところで博物館内を見て回ると、天体写真のほか各種岩石、化石類など、かなり充実の展示。

リアルタイムの太陽の様子と詳細なスペクトル表示も興味深い。

 

マニアックな内容で自分たちのほかには小学生を連れた家族連れが数組程度。

 

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外に出ると曇り空、朝には良く見えていた富士山も雲の中。

 

遠く駿河湾も見えて天気がよければ絶景なのだろう。

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その後数件家内のショッピングに付き合い帰宅。

 

ウィーンのピアニスト、パウル・スコダのシューマン
先日デムスのハンマーフリューゲルで聴いた「子どものためのアルバム」。

 

手持ちはCBSから出ていた国内盤LP

 

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・子供のためのアルバム OP68.

 パウル・バドゥラ・スコダ(ピアノ)

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しっとりとした美しい音色、幾分軽いけれども聴いていて心穏やかになるようなピアノ。

 

平易な曲だけれども深い音楽に聞こえるのはスコダの芸だろう。

 

かつてはデムスやグルダと並びウィーンの三羽烏と呼ばれたスコダ。

他の2人ほど華々しい印象はないけれど、着実な円熟のへ歩みを感じさせる演奏。

 

youtubeはスコダのシューマン「子供の領分」

 

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2019年4月27日 (土)

デルヴォー、ハンブルクのボレロ

平成最後の土曜日。 年号の変わり目大型連休の初日は朝から雨。

気温は下がり朝の外気温は11度。
午後から雷雨。

 

遠く伊豆の山々は雪を被っていた。

夜に一度しまいかけたストーヴに火を点ける。

 

昨晩は社内の大きな部門の管理職を集めた歓送迎会。
場所は市内ホテル内のステーキのお店

 

去った人新しく来た人の大部分は顔見知り。

 

若い頃共に苦戦した時の苦労話やら思い出話エトセトラ。
おまけに新体制のグチも少々。

 

ともあれ最前線から退き気楽な身分となった自分には懐かしい思い出ばかり。

確か送別会はこれで終わりのはず。

 

3月半ばから始まり、有志による非公式の小さなものから公式なものまで、もう何回あったかわからなくなってしまった。

 

今日はフランスの指揮者、ピエール・デルヴォーの「ボレロ」を聴く。

 

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デルヴォーのボレロではコロンヌ管とのEMI録音がよく知られ、LP期には
東芝のセラフィムの廉価盤LPが出ていた。

 

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他に米Comandoにも同じコロンヌ管を振ってボレロを録音している。

 

聴いたのはこの演奏ではなくハンブルク国立フィル(現ハンブルク・フィルハーモニカー)を指揮した録音。

国内盤は60年代初めに発売された日本コロンビアからの家庭用名曲シリーズの中に入っていた。

 

手持ちは英ORIOLEのLPで番号はRM205。

 

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・ボレロ               (ラヴェル)
・亡き王女のためのパヴァーヌ   
・牧神の午後への前奏曲        (ドビュッシー)
・組曲「3つのオレンジへの恋」    (プロコフィエフ)

 ピエール・デルヴォー指揮
 ハンブルク国立フィルハーモニー管弦楽団

 

日本コロンビアの国内盤はステレオだったがこちらはモノラルバージョン。
おそらくステレオも同時に出ていたと推測する。

 

このボレロはかなり遅いテンポ。

史上最も遅いボレロと巷で言われているフレイタス・ブランコ盤よりも遅い。

 

この遅いテンポでも音楽は弛緩せず緊張感を保ちつつ進む。
演奏の出来としては2種のコロンヌ管との録音を凌ぐ。

 

オケのアンサンブルも見事であたかもフランスのオケのような官能的にして色彩豊かな音なのが素晴らしい。

 

ハンブルク国立フィルはハンブルク州立歌劇場のピットに入るオケ。
この録音当時の音楽監督はカイルベルトからサヴァリッシュに交代したあたり。

 

カップリングされた「亡き王女のためのパヴァーヌ」と「牧神の午後への前奏曲」の艶っぽくも気品漂うオケの音が美しい。

中でも木管楽器が秀逸。

ホルン主席はクナッパーツブッシュ時代のバイロイトでソロホルン奏者だったハインリッヒ・ケラー。

 

パヴァーヌも7分を超える超スローモーな演奏。
管楽器は相当息継ぎが大変だったと思う。

 

「牧神の午後への前奏曲」のフルートソロを吹くクラウス・ショコウは相当な名手。
カール・リヒターのブランデンブルク協奏曲第2番の旧録音でもソロを吹いている。

 

この頃のハンブルク州立歌劇場はドイツ国内でも指折りの名手を集めていた。

 

モノラルとはいえNABカーヴで再生すると非常に生々しい音だ。

youtubeはデルヴォー&ハンブルクフィルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」
LPからのRIAA再生のため音は良くないが管楽器群の優秀さはよくわかる。

 

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2019年4月25日 (木)

本日の練習、4手ピアノ入り、そしてペーター・マークのサン・サーンス

 

曇り、昨日の雨の影響で湿度が高く蒸し暑い1日。
日々の気温は初夏の到来を感じさせるもの。

 

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庭のツツジが満開となり白梅には小さな実がたくさん。

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この実は種が大きくて食用には向かない。

 

今日はオケの練習、場所は市民文化センター大ホール。

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横島先生の指揮でサン・サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」とフォーレの組曲「マスクとベルガマスク」。

 

サン・サーンスでは4手のピアノが入る。

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本番と同じ会場練習なのでピアノの位置決め。
オケとピアノのバランス、これがなかなか難しい。

 

今回はピアノと簡易的に電子オルガンも入り、いよいよ本格的な音に近づいてきた。

 

本番のオルガンは大阪の教会にあるものを持ち込むらしい。
金のかかる曲だ。

 

 

ペーター・マークのサン・サーンスを聴いていた。

ファンハウスから出ていた国内盤CD。

 

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交響曲第3番ハ短調op.78「オルガン付」

ペーター・マーク指揮
ベルン交響楽団
ダニエル・コルゼンパ(og)

1985年8月 録音

 

ペーター・マークがベルン交響楽団の音楽監督就任直後の録音。

明晰にしてロマンティックな演奏。

 

澄んだ清流を音楽に例えればその中に泳ぐ音符の魚が良く見えるよう。

オケの美しい響きの中で時々ぎょっとしたテンポの変化もさほど嫌味には感じられない。

 

第一楽章第二部アダージョの美しさと第二楽章マエストーソの響きわたるオルガンがこの曲の魅力を十二分に引き出したもの。

 

コルゼンパのオルガンが非常に明快に録音されていて、フォルティシモのオケの響きの中でもオルガンの動きが良く聴き取れるのが良い。

 

Youtubeはパーヴォ・ヤルヴィのサン・サーーンス交響曲第3番

 

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2019年4月24日 (水)

春の終わりのボエームの会

曇りのち雨。

 

昨晩は定例ボエームの会。

 

場所は三島の小料理「はちまき」

 

640x640_rect_8103763 仕事を終えて18時8分沼津発宇都宮行きに乗り三島駅下車。

 

店へ行く途中の清流に、つがいらしきカルガモが2羽遊んでいる。

 

 

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レンズを向けたら睨まれた。

 

 

店に入ると満席状態。

 

今回の出席は4人。

 

「獺祭 純米大吟醸 磨き2割3分」という貴重なお酒の差し入れがあり、「初亀」は今回お目出たで欠席の酒豪女性クラリネット奏者からの差し入れ。

 

楽しみにしていた調律師の瀬川さんが体調を崩されて欠席だったのが残念。

 

 

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とはいえ美酒のそろい踏みにテンションが挙がる。

 

 

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料理は鰻の白焼き、スペアリブ、牛テール素麺その他。

 

 

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トルコ音楽やギターの話、その他メンバーの近況やこれからの予定など。

 

 

自分も足を踏み入れたリタイア組ながら、それそれ生きがいを見つけて、
皆様ますますアクティヴな毎日を送られているご様子。

 

 

ツツジ咲く春の終わりの夜の宴。

 

 

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2019年4月21日 (日)

トルコ軍楽隊を聴く

天気も良くすっきりさわやかな日曜日。

昨日家内が丸茂芹沢酒店に行きたいと突然言い出した。

 

家内は日本酒をほとんど飲まない。
「何故?」と聞くと。

ある方からこの店に置いてある味醂が体に良いということを聞いたらしい。

この店主催の日本酒試飲会「沼津日本酒フェス2019」のチラシを私に見せたりしている。

 

 

珍しい地酒を数多く置いてある丸茂芹沢酒店のことは聞いていたものの、まだ行ったことはなかった。

次回のボエームの会用の日本酒を調達しようかな・・・と行くことにした。

 

酒屋としては小さめな店に入ると、見たこともないような銘柄の地酒が狭い店内にびっしり。
日本酒だけでなくワインその他の洋酒も尋常でない品揃え。

 

店主の奥様らしき女性といろいろ話をしているうちに、この女性の酒に対する知識がものすごいことがわかってきた。

 

初めて見る銘柄の地酒について聞くと、即座に細かな解説が返ってくるのには仰天。

店に置いてある酒のほとんど全てを飲んでいるではなかろうか・・・・

 

家内はこの奥様と意気投合。

県内の一流酒蔵の酒粕までいただいていた。

 

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結局リーズナブルで料理に合いそうな福岡の「車坂」と和歌山の「杜の蔵 春の純米酒」をセレクト。

家内はお目当ての味醂とフランス製の珍しいぶどうジュースを購入。

 

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ジュースにしては結構なお値段なので色々聞くと高級コニャックを醸すぶどうをセレクトしたじゅーすだという。

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なんとなく満足して市内最大のDIYショップ「カインズホーム」へ。

改造中の庭に必要なブロックその他を調達するつもりが気に入ったものがなかった。

 

 

帰りに家内が吉野家の牛丼が食べたいと言い出したので久しぶりに吉野家へ。
これも超特盛のチラシに触発されたかららしい。

 

家内はさすがに超特盛ではなく牛牛定食

自分は期間限定のタルタルから揚げ定食を。

値段もリーズナブルで米がこの手の店としてはうまかったので満足して帰宅。

 

 

 

今日の音楽はトルコの軍楽隊。

ブックオフで未開封280円で見つけたもの。

 

トルコ製のCDで見たことないレーベル。
解説はなし(あっても読めない)

16曲ほどを収録。

演奏はOttoman military band 世界最古の軍楽隊だとCDのパッケージには書いてある。

 

オスマン帝国やトルコの軍楽のことを「メフテル」と呼ぶ。

調べてみるとこのバンドの創設はなんと8世紀まで遡るという。

 

トルコの行進曲は、ダブルリード族のズルナを中心として太鼓のトントコトット・トンココトンのリズムをひたすら繰り返すもの。

 

その中でトルコを讃える男たちの歌声が響き渡る。

 

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NHKドラマ「阿修羅のごとく」のテーマ曲にも使われた名曲「ジェッディン デデン」も入っている。

演奏は千年を超える伝統の重みを感じさせる見事なもの。

 

ひた押しに押してくる太鼓の音、男たちの絶叫に近いユニゾンの声のド迫力。

生で聴いたらさぞや凄いだろう。

 

 

17世紀末、オスマン帝国軍はヨーロッパに侵攻しウィーンを包囲。

モーツァルトやベートーヴェン、グルックなど、有名無名の数多くの作曲家たちがトルコの軍楽隊に触発された音楽を書いている。

 

ヨーロッパの人達がトルコの軍楽隊に圧倒された記憶がいかに強烈だったのがよくわかる。

 

Youtubeは「ジェッディン デデン」

 

 

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2019年4月19日 (金)

デムスのシューマン

4月も半ば過ぎて今日も暖かな1日。
そろそろストーヴを片付けようかな。

 

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今年もツバメが帰ってきた。
車庫の天井に数年前からある巣。

 

 

見上げるとこちらの顔をじっと見つめて逃げようともしない。

 

 

 

 

オーストリアのピアニスト、デムスの訃報が入ってきた。

 

日本にもたびたび訪れていたので取り上げ方も大きい。

 

デムスの演奏はどの曲を聴いても安定したずしりとした重量感と美しい音色が印象に残っている。

 

ドイツ物のみならずフランス音楽にも名演を聴かせてくれたデムス。

 

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ベーゼルドルファーの深い響きの低音を響かせたドビュッシーの「沈める寺」の演奏は今でも時々聴く。

 

 

今日は全集録音も残している得意のシューマンから「子どものためのアルバム」から数曲を落穂拾いのような感覚で聴いていた。

 

 

手持ちはハルモニア・ムンディ原盤のティチクの国内盤LP2枚組。

 

13枚組のCDで出たデムスのシューマンピアノ曲全集の演奏とは別録音。

 

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デムスはシューマンの自筆譜を使用し、実際にシューマンが使用していたハンマーフリューゲルで演奏している。

 

古雅な音色もさることながら、幼い子どもを優しく慈しむような包容力を感じさせるのがすばらしい。

 

思えば昨年六月にもこの演奏を聴いていた。

 

 

Youtubeはデムスの弾くドビュッシー、「版画」

 

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2019年4月18日 (木)

本日の練習、合宿後初練習

青葉の匂いが香る初夏の陽気。

 

 

4月に入り人生の新たなフェイズに入った。

 

 

最初のうちさほど変化は感じなかったものの、出勤日が減り比較的自由な立場となって新たな環境の中で少しずつ自分のペースが見えてきた感触。

 

 

そして今年は昨年のリフォームに続き手のかかる古い庭木を整理して庭全体の改造。
人生の新たな段階の環境造り中。

 

だが身の回りの断捨離はなかなか進まない。

 

 

 

そして木曜夜はオーケストラ。

 

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沼響、合宿後最初の練習。

 

 

場所は沼津市民文化センター小ホール。

 

 

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横島先生の指揮でサン・サーンスの交響曲第3番とラロのスペイン交響曲。

 

 

徐々に細部の練習に入ってきたけれども合宿で指摘されながら早くも忘れている部分もあり。

 

 

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道のりは遠い。

 

 

Youtubeは準メルクル指揮スペイン放送管によるサン・サーンス、交響曲第3番

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2019年4月17日 (水)

古いレコードの持ち主

晴れのち曇り、夜遅くに雨。

 

ノートルダム寺院の火災でオルガンはダメージは受けたものの奇跡的に火災を免れたとのこと

 

復活への一縷の望みは残された。

 

古いレコードをや古本を入手した時、レシートや栞など以前の所有者の残したものが挟まっていることがある。

 

先年MUSIC APPRIECIATION RECORDSから出ていたアルフレッド・ウォーレンステイン指揮
ロスアンジェルスフィルのブラームスの交響曲第2番の中古LPを購入したときのこと。

 

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このシリーズはトーマス・シャーマンによる曲の解説レコードの20吋盤が付録についているおそらくクラシック入門者向けの会員制レコード。

 

このレコードジャケットの中に最初の所有者らしき人の会員カードが入っていた。

 

そこにはアメリカ人女性らしき人の名とサンフランシスコの住所が書かれていた。

このLPが発売されたのは1960年頃。

フランソワーズ・サガンの小説『ブラームスはお好き』が発表されたのは1959年のこと。

 

60年前のサンフランシスコで、静かにブラームスを聴きながらサガンの小説を読む若い女性の姿が目に浮かんできた。

 

ここに書かれた住所はどのような場所だろう?

会員カードに書かれた住所をgoogle earthで検索してみた。

するとそこは広い道路沿いに普通の住宅が整然と並ぶ場所。

 

だが書かれた住所のその場所だけピンポイントのように空き地になっていた。

 

手掛かりがプツンとそこで途絶えてしまったような寂しくも不思議な感覚。

 

このレコードを聴いていた女性はその後どのような人生を歩み、どこへ行ってしまったのか。

 

海を渡り、縁あって自分の手元に行き着いたレコードをしみじみ見つめながら60年の歳月を想う。

 

 

Yoitubeはブラームスの交響曲第2番のアダージョ、ハイティンクの指揮

 

 

 

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2019年4月16日 (火)

パリ、ノートルダム寺院3題

本日快晴、日中の気温が24度を超えていた。
朝、テレビのニュースで衝撃的な映像が飛び込んできた。

 

 

パリ・ノートルダム寺院の尖塔が焼け落ちる場面。
一瞬何が起きているのか理解できなかった。

 

炎に包まれている映像を見て大聖堂のオルガンのことが頭に浮かんできた。

 

 

自分はノートルダム寺院はおろかパリにも行ったことがない。

 

だがノートルダム寺院のオルガンの天から降ってくるような響きの素晴らしさは、友人の話などで知り時間の余裕ができたら一度は聴いてみようと思っていた。

 

これでささやかなひとつの夢が消えてしまった。

 

 

 

今日は在りし日のノートルダム寺院で録音された手持ちの音源のいくつかを聴いて
一日も早い復旧を想う。

 

 

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20世紀フランスの盲目の作曲家、ジャン・ラングレーの合唱作品でミサ曲「幸いなるかな女王」。

 

仏エラートのLPでカイヤール合唱団の演奏。

 

 

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・ミサ曲「幸いなるかな女王」      :ジャン・ラングレー
・「無名のミサ(Missa sine nomine)」  :ギヨーム・デユファイ

 

 

 デイヴィッド・ジュリアン指揮 
 カイヤール合唱団
 ブラスアンサンブル
 オルガン:ジャン・ラングレー

 

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 録音 1955年2月 パリ ノートルダム寺院 

 

冒頭からブラス群の咆哮とオルガンの豊麗な響きに圧倒される1枚。

 

寺院内にあふれる巨大な音響の洪水がすさまじい。
ラングレー自身がオルガンを弾いている。

 

 

名エンジニア、アンドレ・シャルランの手になる曲の特徴を見事に捉えた名録音だ。

 

1956年、フランス・ディスク大賞受賞の名盤。

 

 

 

 

そしてパリ・ノートルダム寺院のオルガニストだったピエール・コシュローの即興演奏を集めたアルバム。

 

 

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仏FYから出ていたLP2枚組から。

 

宗教的な静謐さと空間を圧する荘厳な音響との見事な対比。
自由なファンタジーに満ちたコシュローの即興。

 

 

もう一枚、数あるクリスマス音楽のアルバムの中で自分は最高傑作だと思っている
「パリ・ノートルダムのクリスマス音楽」

 

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仏FYから出ていた外盤LP

 

パリ、ノートルダム寺院の巨大な空間に響く、ピエール・コシュローの弾く大オルガンの即興演奏とそれに呼応する合唱団とブラスアンサンブルの壮大な響きに魂を奪われた。

 

長岡鉄男の外盤級コレクションにも選ばれている名録音盤で 時には残響過剰とも思えるような音の洪水の中に、合唱、ブラス、オルガンがそれぞれの存在を主張しながらも混然と溶け合っている。

 

この素晴らしい響きの一日も早い復活を願う。

 

 

youtubeはノートルダム寺院でのサン・サーンス交響曲第3番

 

 

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2019年4月14日 (日)

沼響、平成最後の合宿

この土日は沼響春の合宿。

 

場所は定宿、天城湯ヶ島温泉の「白雲楼」

 

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沼響35年目にして自分も20代半ばから参加して35回目の合宿。

「白雲楼」そのものはほとんど変わらず、赤い橋を渡ると35年前の昭和の時代にタイムスリップ。

 

 

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今回は初日土曜の午後からの参加。

伊豆縦貫道が天城まで開通したので快適なドライヴだ。

往路は順調で自宅から40分ほどで到着。

合宿の参加者は50人ほど。
幼き乳飲み子を抱えたり小さなお子様連れの参加者も数人。

道路が整備され時間が短縮された分、今まで幼い子供やペットの世話で参加できなかった団員が宿泊せずに通いでも参加しやすくなった。

 

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曲はフォーレの組曲「マスクとベルガマスク」、ラロのスペイン交響曲にサン・サーンスの交響曲第3番というもの。

分奏はおこなわず土曜日は横島先生、日曜は下田先生の指揮で合奏のみ。

 

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土曜日の練習時は、ホルン奏者の下田先生がホルンパートに加わり直接ホルンパートの御指導を受けるという贅沢な合宿。

自分としては練習不足のままこの合宿に臨んだ感あり。

頭掻き掻きの恥ずかしい状態。

下田先生の御指導でいろいろと気づく点もありました。

 

オケ全体は未だ粗いけれども曲としての体裁がかなり整ってきた。
何よりも曲の面白さが見えてきたのが良かった。

 

お楽しみの夜の宴会は両先生も参加。

下田先生とホルンセクションを囲んでのホルン談義は楽しかった。

就寝は1時頃。

 

合宿二日目の日曜はいつも朝早くに起き、周辺を散策することにしている。

今年の天城は寒い。

 

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宿周辺の世古峡や梶井基次郎の文学碑などを見て回る。

荒れていた文学碑周辺は綺麗に清掃されていた。

 

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文学碑の前に小さな檸檬が二つ供えられていて苔むした檸檬塚と美しい対比。

 

練習は下田先生の指揮に代わって合奏。

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そして昼食は定番の白雲楼カレー。

いつもおかわりの行列ができます。

 

3時に解散、帰りは近くの日帰り温泉「いずみ園」でゆったり湯に浸かる。

 

家へのお土産は伊豆長岡のいちごプラザで「若桃の大福」

 

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爽やかで上品な味だった。

 

20代半ばの沼響草創期から参加して35回目の合宿。

今回は平成最後の合宿、本番の6月1日は令和の世だ。

 

今年も元気に参加することができて、変わらぬ日常のささやかな幸福を思う。

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2019年4月12日 (金)

本日の練習、ピアノ、オルガン付き

雨のち曇り。本日の最高気温11度。

 

今週は雨が多くて庭の工事が捗らない。

 

 

 

木曜日はオーケストラ。
沼響春の合宿直前のホール練習だった。

 

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横島先生の指示でこの練習からホルンは下手(しもて)奥横一列に並ぶことになった。
自分の目の前がセカンドヴァイオリンなのが新鮮。

 

サン・サーンスでは4手ピアノの奏者二人が初めて参加。

 

 

 

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一人は社会人、もう一人は今年音大の付属高校に入学したばかり。
いずれもピアニストの海瀬京子さんのお弟子さん。

 

 

今回オルガンの代用として小さな電子キーボードとスピーカーを持ち込んだ。
これが意外と大きな音で効果バツグン。

 

 

本番はそれなりの装置を持ち込むとはいえ練習にはこれで十分だ。

 

 

練習はサン・サーンスの交響曲第3番第2楽章から。

 

ピアノそして代用品とはいえオルガンが入るだけで響きがゴージャスになってきた。

 

いよいよ明日から沼響35回目の春の合宿。

 

天城は寒そうだな。

 

この時期の天城はいつも雨。

 

Youtubeはサン・サーンスの交響曲第3番第2楽章、ヴィヨーム指揮N響

 

 

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2019年4月10日 (水)

コンヴィチュニーのベートーヴェン、そしてクレンペラーの「真夏の夜の夢」

朝から雨、気温が下がり前日との温度差は10度。
山間部は雪が降った。

 

コートをクリーニングに出してしまったのを後悔。

 

 

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先日ポコとの散歩の途中の沼津アルプス象山登り口のヤマザクラ並木。

 

風に桜の花びらが舞っていた。桜はもう散り初め。

 

 

 

4月から環境が変わり出勤日も減り比較的自由な立場になり精神的には楽になった。

 

 

今、庭を改造中。

 

庭に古くからある木々が大きくなりすぎて毎年の手入れが負担になってきた。

 

 

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そこで大きなものは思い切って伐採することにした。

 

いずれも父や祖父、それ以前の先祖が植えたものばかり。

 

102歳で大往生した大叔母が二十歳の記念に植えた大楠など、根が家の土台下にもぐりこみ、家を持ち上げ始めていた。

 

 

 

 

今日はコンヴィチュニーのベートーヴェン。

 

交響曲全集から第1番と第2番の2曲。
手持ちは70年代に出たフォノグラムの廉価番LPのほかCDの全集など。

 

今日聞いたのはフォンタナレーベルのイタリア盤LP.

 

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・交響曲第1番ハ長調Op.21
・交響曲第2番ニ長調Op.36

 

 フランツ・コンヴィチュニー(指揮)
 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
 
 録音:1959年

 

 

 

この演奏を廉価盤LPで初めて聴いたのは高校のときだったと思う。

 

 

その時以来、コンヴィチュニーのベートーヴェンは、オケの渋い音を生かしながらの石橋を叩いて渡るような堅実な解釈、という一般的な印象。

 

 

今回イコライザーカーヴをNABにして聴いてみたらいろいろな発見があった。

 

第1番の第3楽章の1拍目のアクセントの生かし方など非常にユニーク。

 

特に第2番が非常な名演で、第2楽章のラルゲットの深い歌わせ方などオケの落ち着いた美しい音色も相まってベートーヴェンの音楽に浸る幸せを実感させてくれるもの。

 

 

そしてもう一枚、ゲヴァントハウス管の楽長だったメンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」をクレンペラーの指揮で聴く。

 

 

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・劇付随音楽『真夏の夜の夢』抜粋

 

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー(指揮)

 

 録音 1960年1月&2月

 

 

 

今回は独逸EMIのLPで聴いた.

 

遅めのテンポでありながらも決して重くならない軽快感が見事。

 

イコライザーカーヴはColumbiaカーヴ。

 

youtubeはマズア指揮ゲヴァントハウス管によるメンデルスゾーン、「真夏の夜の夢」序曲。

 

 

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2019年4月 7日 (日)

オッテルローとベンツィのサン・サーンス

新しい年度が始まり最初の日曜日。
天気は良いが遠くの山々は霞んでいる。

 

どうやら黄砂が降りているようだ。

 

この4月から静岡市勤務となった娘が昨日帰省。

 

昼食は娘が予約していた「Inn the Park 」

 

 

 

Top2

 

 

ここはかつて市直営だった少年自然の家をリニューアルしたもの。

 

 

泊まれる公園として評判になっている。

 

 

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一時過ぎに入ったので客は外国人らしきファミリーのみ。

 

天井が高い広い空間にグランドピアノが置いてある。

 

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メニューは1日限定20食の「森のランチ」。

 

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自然食品風のシンプルなもの。

 

 

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テーブルの家の桜といい自然の素材を生かした調度類などアウトドア風。

 

 

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部屋の窓からは駿河湾がよく見えた。

 

 

 

 

食後に周囲を散策。

 

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自分が小学生のとき、野外自然教室でこの施設に宿泊したことを思い出した。

 

 

リニューアルされたとはいえ建物の配置は変わっていない。

 

 

 

 

 

今練習中のサン・サーンスの交響曲第3番を聴いている。

 

 

聴いたのはオランダの指揮者オッテルロー指揮のハーグフィルによるオランダEPIC盤LP.

 

 

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・交響曲第3番 ハ短調        :サン・サーンス

 

ウイレム・ヴァン・オッテルロー
ハーグフィルハーモニー管弦楽団
Organ – Feike Asma

 

1954年録音

 

 

恐るべき速さで疾風怒濤のように駆け抜けた豪快な演奏。

 

おそらく自分が今まで聞いた中では最速。

 

 

第2楽章第一部の細かなパッセージもちゃんと弾けてアンサンブルもきちんと整っているのが驚異的。

 

録音はモノラルだがオルガンとオケのバランスも驚異的に良い。

 

 

 

 

そしてもう一枚、ハーグフィルによるサン・サーンスの交響曲第3番。

 

ベルギーの指揮者ロベルト・ペンツィ指揮によるもの。

 

こちらも外盤フィリップスの録音。

 

 

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・交響曲第3番 ハ短調        :サン・サーンス

 

 ロベルト・ベンツィ 指揮
 ハーグフィルハーモニー管弦楽団
 Organ – Feike Asma

 

 

オケとオルガン奏者は同じだが聞いた印象はかなり異なる。

 

オッテルローを聴いた後ではいささか生ぬるさは免れない。
録音も冴えない。

 

 

Youtubeはメルクル指揮のサン・サーンス交響曲第3番第一楽章からポコ・アダージョ

 

 

 

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2019年4月 5日 (金)

本日の練習、小ホールでサンサーンス

晴れて暖かな4月最初の金曜日。西風が強い。

 

下水道工事への切り替えが始まり午前中は新設する庭の散水栓の立会い。

 

 

木曜夜はオーケストラ。
沼津交響楽団の練習だった。

 

 

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横島マエストロの指揮で、サン・サーンスの交響曲第3番第2部最後の変則的に拍子が変化する終結部から。

 

1分の3拍子が続く他の作曲家ではなかなかお目にかかれない変わった楽譜。

 

 

聴くと演奏するとでは大違い。

 

さりげない箇所でのサン・サーンスの凝った作曲テクニック。

 

 

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ラロのスペイン交響曲とフォーレの「マスクとベルガマスク」も部分的に練習。

 

小ホールなので周りの音が聞き取れて練習の効率は良いけれども、実際はようやく曲の形が見えてきた程度。

 

来週末の合宿でどの程度詰められるかが今年のカギだろう。

 

フランス音楽に必須の音色の美しさを聞かせるにはまだまだ道は遠い。

 

 

今年も定演のプログラムの曲目解説を仕上げなければ。

 

 

今回は同じ時代を生きた3人のフランス作曲家の作品3曲。

 

ラロ      (1823~1892)
サン・サーンス (1835~1921)
フォーレ    (1845~1924)

 

それぞれ異なるキャラクターのユニークな個性の持ち主で辿った人生も三人三様。

 

ありきたりな解説はつまらぬので3人の人間関係を絡めながら作品の特徴を展開させていきたい。

 

けれども紙数が限られているからなぁ・・・・・・

 

 

 

 

Youtubeは「マスクとベルガマスク」からガヴォット

 

 

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2019年4月 3日 (水)

ドラティのグリーグとメンデルスゾーン、ついでにグリューバーのペール・ギュントのことなど

年度変わり、そして新しい年号は「令和」に決まった。

 

なんとなく平和と昭和が連想されて昭和から平成へ変わった時の唐突感はない。

 

久しぶりに「万葉集」を紐解いて典拠先を探したりした。

 

けれども頭に入らない。
この古典の良さがわかるにはもう少し気持ちの落ち着きが欲しいところ。

 

 

 

今月中に送別会があと4つほど。

 

 

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裏山の崖っぷちにに咲く野生の希少種オオシマザクラが今年も満開となった。

 

 

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工事車両が迫る中なんとか存続させて欲しいもの。

 

 

ドラティがウィーン響を振った演奏を聴いていた。

 

日本フォノグラムから70年代に出ていたLPで、「ペール・ギュント」と
「真夏の夜の夢」の2つの組曲。

 

 

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・「ペール・ギュント」第1組曲、第2組曲

 

・「真夏の夜の夢」序曲*
・「真夏の夜の夢」組曲*

 

  アンタル・ドラティ指揮 
  ウィーン交響楽団

 

   1958年9月   1957年10月*録音 

 

 

この時期のドラティはミネアポリス響(現ミネソタ響)、ロンドン響と米マーキュリーへの録音を集中的におこなっていた。

 

ウィーン響を振った録音は珍しいと思う。
ウィーン響とはこのほかに「田園」がある程度。

 

グリーグはタワーレコードが独自のCDを出していた。

 

 

膨大な量の録音を残したドラティは、どの作曲家の曲でも水準以上の演奏を聴かせてくれたけれども、その一見ドライな解釈であまり人気を得ることがなかったように思う。

 

その慣習に捕らわれない楽譜の緻密な読みと解析から生まれる演奏は、一見ユニークに思える解釈もスコアを見ながら聴くと「へーぇ!なるほど」と思える演奏が多かった。

 

ロイヤルフィルとのベートーヴェンの交響曲全集やミネアポリス響との「展覧会の絵」などはその代表的な例。

 

キエフの大門の終結部のティンパニと大太鼓の扱いは、チェリビダッケとゲルギエフもドラティと同じ解釈で演奏している。

 

 

 

 

この音盤のイコライザーカーヴをコロンビアカーヴにして聴くと、ウィーン独特のオーボエの美しい音と弦楽器の美しくもしなやかな響き、そして明快なリズムの冴えが立体的に浮かび上がってくる。

 

そして職人的な手際の良さの中に時々聴かせる内声部の強調。

 

メンデルスゾーンでは最初の序曲からして軽快に飛ばしている。

 

結婚行進曲でのホルンの強奏もゴキゲンな出来だ。

 

 

 

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ついでに「ペール・ギュント」をウィーンの指揮者、ヨゼフ・レオ・グリューバーの演奏で聴いてみた。

 

オケはウィーンフォルクスオパー管弦楽団。
米ヴォックス原盤に日本コロンビアの廉価盤LP.

 

ウィンナワルツなどで味のある演奏を聴かせたグリューバーだが、どちらかといえば二線級の指揮者でこの録音もバジェットプライスの家庭用一般名曲集の類。

 

ドラティの演奏のあとで聴くと芸格の差は如何ともし難いが、「ソルヴェイクの歌」で、
「あ!」と驚く解釈。

 

 

あの有名なメロディをヴィオラソロで纏綿と歌わせていた。

 

これはなかなかいける。

 

youtubeはBBCプロムスのペール・ギュント

 

 

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