デルヴォー、ハンブルクのボレロ
平成最後の土曜日。 年号の変わり目大型連休の初日は朝から雨。
気温は下がり朝の外気温は11度。
午後から雷雨。
遠く伊豆の山々は雪を被っていた。
夜に一度しまいかけたストーヴに火を点ける。
昨晩は社内の大きな部門の管理職を集めた歓送迎会。
場所は市内ホテル内のステーキのお店。
去った人新しく来た人の大部分は顔見知り。
若い頃共に苦戦した時の苦労話やら思い出話エトセトラ。
おまけに新体制のグチも少々。
ともあれ最前線から退き気楽な身分となった自分には懐かしい思い出ばかり。
確か送別会はこれで終わりのはず。
3月半ばから始まり、有志による非公式の小さなものから公式なものまで、もう何回あったかわからなくなってしまった。
今日はフランスの指揮者、ピエール・デルヴォーの「ボレロ」を聴く。
デルヴォーのボレロではコロンヌ管とのEMI録音がよく知られ、LP期には
東芝のセラフィムの廉価盤LPが出ていた。
他に米Comandoにも同じコロンヌ管を振ってボレロを録音している。
聴いたのはこの演奏ではなくハンブルク国立フィル(現ハンブルク・フィルハーモニカー)を指揮した録音。
国内盤は60年代初めに発売された日本コロンビアからの家庭用名曲シリーズの中に入っていた。
手持ちは英ORIOLEのLPで番号はRM205。
・ボレロ (ラヴェル)
・亡き王女のためのパヴァーヌ
・牧神の午後への前奏曲 (ドビュッシー)
・組曲「3つのオレンジへの恋」 (プロコフィエフ)
ピエール・デルヴォー指揮
ハンブルク国立フィルハーモニー管弦楽団
日本コロンビアの国内盤はステレオだったがこちらはモノラルバージョン。
おそらくステレオも同時に出ていたと推測する。
このボレロはかなり遅いテンポ。
史上最も遅いボレロと巷で言われているフレイタス・ブランコ盤よりも遅い。
この遅いテンポでも音楽は弛緩せず緊張感を保ちつつ進む。
演奏の出来としては2種のコロンヌ管との録音を凌ぐ。
オケのアンサンブルも見事であたかもフランスのオケのような官能的にして色彩豊かな音なのが素晴らしい。
ハンブルク国立フィルはハンブルク州立歌劇場のピットに入るオケ。
この録音当時の音楽監督はカイルベルトからサヴァリッシュに交代したあたり。
カップリングされた「亡き王女のためのパヴァーヌ」と「牧神の午後への前奏曲」の艶っぽくも気品漂うオケの音が美しい。
中でも木管楽器が秀逸。
ホルン主席はクナッパーツブッシュ時代のバイロイトでソロホルン奏者だったハインリッヒ・ケラー。
パヴァーヌも7分を超える超スローモーな演奏。
管楽器は相当息継ぎが大変だったと思う。
「牧神の午後への前奏曲」のフルートソロを吹くクラウス・ショコウは相当な名手。
カール・リヒターのブランデンブルク協奏曲第2番の旧録音でもソロを吹いている。
この頃のハンブルク州立歌劇場はドイツ国内でも指折りの名手を集めていた。
モノラルとはいえNABカーヴで再生すると非常に生々しい音だ。
youtubeはデルヴォー&ハンブルクフィルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」
LPからのRIAA再生のため音は良くないが管楽器群の優秀さはよくわかる。
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