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2019年6月24日 (月)

シュムスキーとウォーレンシュタインのモーツァルトのことなど

今日は朝から雨。夜からは雷雨。

 

朝、千葉房総沖を震源地とする地震があった。
夜には熱海沖が震源地の地震。

熱海沖の地震は直下型の強いもの。

 

ちょうど30年前の伊東沖の海底火山の噴火を思い出した。

この時もグラグラと頻繁に揺れていた。

 

先週金曜日は、沼津市立図書館主催の文芸講座最終回。
「そして神話が歴史となる」。

講師は静岡大学人文科学部、上利博規教授。

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非常に面白かった。

 

大伴、物部、蘇我氏ら古代豪族たちが次々と没落していく中で、存在感を増しながら生き残っていく天皇家。
そして中臣氏(藤原氏)の台頭。

 

大化の改新の始まりとなった「乙巳の変」の黒幕を様々な資料からの解析、
記紀が、成立以前に存在していた地方の物語や古代氏族たちの記録を、天皇系譜の正当化のために集約したものであることなどを、わかりやすく話してくださった。

 

そして日本書紀には邪馬台国、卑弥呼に関係することは一切触れられていないこと、
記紀成立前に存在していた、各々の豪族の中に伝承された記録が意図的に抹殺されていった歴史、おそらく藤原不比等による日本書紀の改竄など。

 

記紀の内容を詳細に検討していく中での具体的な記述から解き明かしていくのが実にスリリング。

 

 

今日はアメリカの演奏家たちのモーツァルト。
英ワールドクラブから出ていたLPで交響曲第35番「ハフナー」とヴァイオリン協奏曲第5番。

 

「ハフナー」はアメリカの指揮者ウォーレンシュタイン指揮のロサンゼルスフィル。
協奏曲はオスカー・シュムスキーのヴァイオリン、
シャーマン指揮のリトルオーケストラ・オブ・ニューヨーク

 

Dsc01182

 

・交響曲第35番 ニ長調 K. 385「ハフナー」

 アルフレッド・ウォーレンスタイン指揮
 ロサンジェルスフィルハーモニー管弦楽団

・ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調

 オスカー・シュムスキー(ヴァイオリン)
 トーマス・シャーマン指揮
 リトルオーケストラ・オブ・ニューヨーク

 

「ハフナー」はウォーレンシュタインがロスフィルの音楽監督であった時期の最後のあたり、1955年前後の録音だと思う。

 

「ハフナー」は固く絞った雑巾のような乾いた感触と引き締まった響きが特徴的な演奏。
テンポもかなり速い。

快速に飛ばすフィナーレでのオケのアンサンブルの正確さにも驚いた。

ウィーレンシュタインはトスカニーニ時代のニューヨークフィルでチェロ奏者。

かなりトスカニーニの影響を感じさせる演奏だ。

 

 

ヴァイオリン協奏曲のシュムスキーは、8歳でストコフスキーの勧めでデヴューした神童。その後室内楽や教師としての地味な活動期が長かった。

80年代に、英NIMBUSからまとまった量の録音が発売されて、にわかに注目されたのを覚えている。

 

シュムスキーの弾くモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番は80年代になってからの再録音もあるが、シャーマン伴奏盤は50年代前半の録音だと思う。

 

NIMBUSへの一連の録音では柔らかで渋い演奏を聴かせたが、このモーツァルトでは、艶やかな音色と颯爽と走り抜ける爽快さが印象的。

 

シュムスキーは一時期トスカニーニ率いるNBC響に在籍したこともあったらしい。

ウォーレンシュタインと同じく、この時期のトスカニーニの影響は相当強烈だったのだろう。

 

なお指揮のトーマス・シャーマンは、今では忘れらえた存在。
同じころ録音されたウォーレンシュタイン指揮ロサンゼルスフィルのブラームスの交響曲第2番の録音に付録で録音された解説レコードの指揮者だった。

最近、ハンブルク国立フィルを振ったチャイコフスキーの「イタリア奇想曲」でこっそりCD化されている。

 

Youtubeはシュムスキーの弾くクライスラー

 

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