恐竜博2019と三国志展
週の半ばの水曜日。
朝までの小雨はやがて上がり昼ごろには青空。
気温も上がりようやく夏らしくなってきた。
ここ数日の肌寒さに夏風邪をひいてしまった人多数。
4月以降立場が変わったものの、定例の会議でも以前と変わらず自由に発言できる環境なのがありがたい。
周りが気遣っている様子も見えるので、余計な口は出さずに流れに任せてはいるが。
先週金曜の芸大でのコンサート終了後、そのまま上野泊。
東京二日目の土曜日も上野から。
この日も小雨。
土曜の本来の目的は、紀尾井ホールでおこなわれるMMCJのオーケストラ・コンサート。
実は浅草で「全日本レコード&CDサマーカーニバル」があり、実はそちらもお目当てのひとつ。
上野に宿を取ったのもそのためだった。
だが最近、身近の海外在住が長かったコレクターからのイタリアや東欧の稀少マイナーレーベル外盤数千枚の投げ売り大放出が有り、その煽りでいささか購入過剰気味。
おそらく浅草レコード市でも100~200円で稀少盤が出るわけもなく、この種の巨大レコード市は体力と時間も消耗するので、直前まで迷いながら自粛することにした。
この時期の上野の美術館、博物館は魅力的な展示が多い。
最近見たNHKのテレビ番組の影響で、国立科学博物館で開催中の「恐竜博2019」を選択。
思えば2004年にオープンした東京国立科学博物館新館は初めてだ。
行ってみるとちょうど初日ということで長い行列。
予想通り小さな子連れの若い夫婦が多い。
内心しまった!と思ったものの、巨大な手を持つ恐竜ディノケイルスの復元全身骨格の初展示にも興味があったので惰性で並ぶ。
ディノケイルスの復元骨格はなるほど巨大だけれども、巨大な手のインパクトに比べて、なんだこんなものか、というのが正直なところです。
自分が子供の頃と比べ恐竜の概念は大きく変わった。
毛がふさふさとした恐竜が卵を暖めているCGを観ると、今更ながら恐竜が鳥類の先祖であることを実感する。
NHK製作の多彩な4KのCGも楽しめた。
あまりにリアルな映像に、幼い子には現実とも区別がつかなくまるのではないか
などと思ったりしていた。
ついでに日本館(旧東京科学博物館本館)にも行ってみる。
とても全部を観る時間はない。
セレクトして見たのは2階の「日本人と自然」
古い階段を上っているうちに、幼い頃母に連れられてこの階段を上ったことを思い出した。
磨り減っていた石の階段は新しい樹脂で補強されていた。
日本人の起源の研究はDNA配列解析の研究で大きく進んでいる。
現代日本人と縄文人とのかかわりを、遺伝子レベルの最新の成果を知りたかった。
同じフロアに200年前の江戸時代の墓地から脂漏状態で発見された女性のミイラがあった。
とても200年前とは思えないほど生前の面影を残した小柄な女性の姿。
江戸時代に亡くなった人とはいえあまりにも生々しく、故人の尊厳を考えて公開にあたっては賛否両論があったとのこと。
この場所のみ撮影禁止だった。
見ているうちにいろいろなことが頭に浮かんできた。
この小柄な女性は200年前の江戸でどのような人生を歩んだのだろうか。
ビデオで公開されている発掘時の映像で見る丁寧な埋葬状態には共に生きた人々の故人に対する深い愛情と悲しみが伝わってくる。
厳粛な気持ちになりしばしその場で佇んでいた。
続いて国立博物館へ行き「三国志展」
曹操高陵からの出土品などの最新の発掘品の展示の数々。
おそらく副葬品の多くは盗掘されていたとはいえ、白磁の壷「罐」は今までの白磁の起源を覆すものだという。
写真で見る稀代の英雄曹操の陵墓は意外なほど質素。
正直なところ明や清時代の絵巻や、展示の各所で見られたゲームキャラの三国志の英雄達の像には興味なし。
後漢や三国時代の「関内侯印」金印や各種の石牌などに面白いものが多かった。
見終わり外に出ると未だコンサートの開演まで時間がある。
さてどうしよう・・・
紀尾井ホールのある四谷の手前にお茶の水・・・
ここで音盤購入の虫がフツフツと湧き上がってきた。
連想は御茶ノ水ディスクユニオンに及び時間調整で寄る事にしてしまった。
購入結果とMMCJのコンサートの感想は次回。
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