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2019年7月15日 (月)

東京芸大管打楽器シリーズ2019、ベルリン・フィル首席奏者 ヴェンツェル・フックスとシュテファン・ドールを迎えて

今日は「海の日」、未だ雨は止まず。

この長雨と冷夏は異常気象の様相を呈してきた。

 

これほどの長雨は平成5年以来だという。
この年は農作物に影響が出て米不足にもなっている。

 

金曜は吉祥寺でドキュメンタリー「ニューヨーク公共図書館 エクス リブリス」を見た後、そのまま上野へ。

 

金曜夕方の上野界隈、上野駅公園口からはそのまま東京文化会館へ吸い込まれていく多くの人。

オペラ夏の祭典2019-20 Japan⇔Tokyo⇔World『トゥーランドット』の初日だったのだ。

 

自分は東京芸大へ。

奏楽堂に着くと開場を待つ長い行列ができていた。

 

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この日は「管打楽器シリーズ2019 ベルリンフィル首席奏者 ヴェンツェル・フックスとシュテファン・ドールを迎えて」

 

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出演はベルリンフィルの首席ホルン奏者シュテファン・ドールと首席クラリネット奏者ヴェンツェル・フックスのほか、ピアニストの有森博、フルートの高木綾子や新日本フィルのコンマスだった松原勝也ほか在京オケの首席クラスにして芸大の先生たちと、芸大大学院在籍中の選抜学生たち。

 

・ストラヴィンスキー: 《七重奏曲》

・ヒンデミット:ピアノ、金管と2台のハープのための《 協奏音楽》 作品49

・ストラヴィンスキー:《 管楽器のための交響曲》 1947年版

・マルティヌー:《九重奏曲第2番》 H 374

・ラフ:《 シンフォニエッタ》 ヘ長調 作品188

というもの。

 

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珍しい曲のオンパレードで演奏者の顔ぶれも凄い。

ヒンデミットは10の金管楽器と2台のハープとピアノ。
他の曲も特異な編成でなかなか聴けない曲ばかり。

 

沼響が秋の演奏会で取り上げるラフの「シンフォニエッタ」もあるのがありがたい。

 

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開演に先立ちホールに突然トランペットの音が鳴り響いた。

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なんて下手なトランペットだ・・・・

 

するとドールとフックスが入場、フックスの片手にはトランペット。

フックスが吹いていたのだ。

 

通訳を交えてしばらく二人のトーク。

そしてフックスが「レオノーレ」のファンファーレを吹いて退場。

 

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このコンサートはシュテファン・ドールのプロデュースだという。

 

ヒンデミットとストラヴィンスキーの「シンフォニーズ」はドールが指揮して出演メンバーは芸大の学生が中心。

最初のストラヴィンスキーの七重奏曲とマルティヌーは、フックスとドールに加えて芸大の講師陣によるこれぞプロの演奏。

 

最後のラフは以上のメンバーに数人の学生たち。

 

最初のストラヴィンスキーの「七重奏曲」のホール全体に広がるふわりとした響きを聞いた瞬間に「あぁ、これはいい演奏会になりそうだ」と直感。

 

続くヒンデミットでは、モダンでシャープな響き、ブラス・クワイア独特の柔らかでまろやかな響きとフォルティシモの壮大さには「画家マチス」を髣髴させるものもあり、 ハープの2人とピアノの有森博の名人芸も堪能。

 

 

編成の大きな「シンフォニーズ」も、ストラヴィンスキー独特のミステリアスな響きとロシア民謡風のティストが見事に融合。
終盤の悲しげなコラールを聴いているうちにこの曲がドビュッシーの追悼のために書かれたことに今更ながら思いを寄せることができた。

 

休憩中に沼響の女性フルート奏者としばしの立ち話。

 

彼女によると、ストラヴィンスキーのシンフォニーズは秋の演奏会の候補曲のひとつだったとのこと。

彼女「今日聴いていて、無理だとわかったわ」

私「そりゃそうだよ とてもとてもアマチュアが短期で仕上げられる曲じゃないよ」

 

そして後半。

マルティヌーは木管五重奏にヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの編成。

 

さすがにプロ中のプロの演奏で、学生が多かったシンフォニーズとヒンデミットとは次元の異なる音楽が鳴っている。曲も良いし、本日最高の出来。

特にフルートの高木綾子とホルンのドールが凄い。

聴いていて鳥肌が立ってきた。

それにしても良い曲だなぁ。
マルティヌーがますます好きになってきた。

 

 

そして最後はラフの「シンフォニエッタ」。

沼響の秋の演奏会でも演奏する曲でフルート、クラリネット、オーボエ、ファゴットとホルン各2本の、ちょうど木管五重奏二つ分の編成だ。

リストの交響詩のオーケストレーションにも手を貸しているラフだが、自分の印象では いささか洗練さに欠け野暮な作風の印象があった作曲家。

 

だがここでは馥郁としたロマンティックな香りと、屈託のない喜びにあふれた音楽が鳴っている。
この演奏を聴いていて、こんなに楽しくて良い曲だったんだ。と印象が一変。

 

 

実演でこれだけ珍しい曲に接することができて、しかも望みうる最高水準の演奏に感謝。

 

これで2千円は安いなぁ。

 

東京滞在記、続きは後日。

 

Youtubeはストラヴィンスキーの管楽器のためのシンフォニーズ、ブーレーズの指揮

 

 

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突然のご連絡失礼いたします
汐留ホールと申します。

7月21日(日)毎夏恒例の弊社主催ガラコンサートを今年も開催いたします。
フランスで音楽を学ぶ留学生&帰国生たちが出演し、
今年はピアノ、フルート、クラリネット、ヴァイオリン等の
バリエーション豊かな演奏をお楽しみいただけます♪

♪公式HP:詳細&お申込みはこちらから♪※入場無料・先着受付中
https://www.ccfj.com/hall/gala/19_1.html
令和初のガラコンサートは総勢17名の豪華なメンバーです!

日程:2019年7月21日(日)
会場:汐留ホール
時間:第1部 11時00分/第2部 13時45分/第3部 16時55分
入場:無料(当日、受付にてご来場者様1名様につき500円以上の留学生支援金を申し受けます。)

留学生応援のため素晴らしい演奏会となるよう準備をしております!

ご不明な点等ございましたらお気軽にお問合せくださいませ。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

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日仏文化協会 汐留ホール
〠105-0021東京都港区東新橋1-7-2 汐留メディアタワーアネックス1F
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MAIL: hall@ccfj.com HP: http://www.ccfj.com/hall
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投稿: 汐留ホール | 2019年7月17日 (水) 15時22分

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