マルティノンのシカゴ響ライヴ
台風接近下9月半ばの日曜日。
昼ごろまでは良く晴れた。
朝のポコとの散歩。
2年前から始まって未だに開通しない道路工事現場からの富士。
今年は未だ初冠雪を記録していない。
お彼岸、帰省してきた娘と墓参り。
午前中、晴れているうちに畑作業をしようと耕耘機を納屋から出したけれど動かない。
この耕耘機はもう20年以上前に購入した亡父が使っていた年代物。
いよいよ限界か。
今日は父の命日。
今日はフランスの指揮者、ジャン・マルティノンのライヴを聴く。
マルティノンがシカゴ響の音楽監督時代。
1965年から1968年までの演奏を集めたものでシカゴ響の自主制作CD2枚組。
・歌劇「フィデリオ」序曲 (ベートーヴェン)
・四つの海の前奏曲 ~歌劇「ピーター・グライムズ」(ブリテン)
・交響詩「魔法使の弟子」 (デュカ)
・バレエ組曲「蜘蛛の饗宴」 (ルーセル)
・交響曲 第二番「人生讃歌」 (マルティノン)
・ファランドール ~劇音楽「アルルの女」(ビゼー)
・歌劇「秘密の結婚」序曲 (チマローザ)
・ブランデンブルク協奏曲 第四番 (バッハ)
・「映像」 (ドビュッシー)
・交響詩「太陽を踏む者」 (ラッグルズ)
・ユモレスク (ドヴォジャーク~ストック編)
ジャン・マルティノン指揮
シカゴ交響楽団
録音1965年~1968年
シカゴ、シンフォニーセンターホール(ライヴ)
この2枚組の何曲かを聴き直した。
シカゴ響時代のマルティノンは、本人が思い出したくない時代と、後に述べているほど不遇だったとされている。
だがどの演奏を聴いても、作曲家ならではの明晰な視点からの解釈が、シカゴ響の驚異的なアンサンブルを得てどの音も見事なバランスで音化しているのには驚く。
その点でドビュッシー、そして極めて精密なオーケストレーションで作曲されているルーセルは凄い。
ルーセルの最初の部分、弦楽器の響きに溶け込むフルートソロの渾然一体となった神秘的な響き。
シカゴ・シンフォニセンターホールの幾分デッドな響きが、なおさら細部の明確さを助長している。
ブーレーズにも似たこれらの音楽造りが、当時のアメリカの聴衆に理解されなかったのでは、とも感じる。
爽やかで格調高いチマローザとバッハも印象に残る。
最後のアンコールの「ユーモレスク」は、シカゴ響2代目シェフ、フレデリック・ストックがアレンジしたもの。
曲の途中でフォスターの「故郷の人々」が挿入されるユーモラスなアレンジ。
「ユーモレスク」での聴衆の暖かな反応を聴いていると、不遇時代であったことが不思議にも思えた。
マルテイノンのインタヴューが収録されているのも嬉しい。
Youtubeはマルティノンのオネゲル、「夏の牧歌」
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コメント
このころの 演奏は どこも十分楽しめますね
吹奏楽も同じです
シカゴフィル・・スポンサーはどこだったのか
日本には、このようなフィルは生まれなかった
レコードやCDで聞けることは素晴らしいな~
投稿: bandlover | 2019年10月 7日 (月) 14時43分
bandlover さんコメントありがとうございます。
60年代頃は前世期生まれの巨匠たちも生き残っていて若手の台頭もあって凄い演奏が録音でも残されていますよね。
投稿: 山本晴望 | 2019年10月 9日 (水) 00時36分