再び音盤大人買い、ヴィンダーリヒの歌う「第九」
低気圧が停滞、金曜夜から激しい雨。
朝の狩野川は再び増水していた。
河川敷には上流から流されてくる小魚を狙う白鷺が群れている。
我が家の台風被害は昨年ほどではないけれども、雨樋のいくつかにダメージがあったらしく屋根のおかしな場所から雨水が垂れている。
今週火曜日は休みで、午前中に契約しているケーブルテレビ局が4K対応の工事をするというので立ち会っていた。
電柱を工事するような作業車で来て屋根付近の電線を加工していた。
作業車を見ているうちに閃いた。
「すいませーん、そこの雨樋見ていただきますか?」
「わかりました。外れているので直しておきます」
「ありがとうございます。」
大きく外れているところを直していただいた。
工事は2時間ほどで終了。
母親の部屋のテレビリモコンが壊れてしまったので、クリニックへ定期健診のついでにハードオフによりリモコンを物色。
幸い同じメーカーのものが見つかったが800円。
高いな。
ソニーやパナソニックのリモコンは100~200円なのにアクオスは高い。
レジに持っていくと消費税込みで880円。
メーカー正規品は高いけれども他社の対応リモコンが新品で1000円。
微妙なところだ。
今月からレジ袋代5円だということになっていた。
「袋は結構です」
帰ろうと車に乗りかけたけて、ついでにレコードコーナーを覗いてみようとUターン。
昨年暮れからの怒涛のクラシック外盤LPジャンク品大放出もこの夏で収束した気配だったので、ここしばらくハードオフには来ていなかった。
大して期待せずにジャンクコーナーに行くと、再びまとまった数のクラシック輸入LP群を発見!
「あ!」思わず声を出してしまった。
店員が興味深げにこちらをじろじろと見ているのが視界の端に入ってきた。
しかもほとんど100円。
どうも手放した方の音盤は無尽蔵のようだ。
お店もあまりの数の多さに諦めて100円均一にしてしまった様子。
パタパタとレコードを漁る。
目に付くのは独テレフンケンの古楽シリーズ「ダス・アルテ・ヴェルク」の一連のLP。
全てドイツプレスのSAWT規格のもので、テレフンケンの別ブランド、ノイマン製のマイクとカッティングマシンを使ったロイヤルサウンドのマーク付きの非常に音の良いもの。
今回はベートーヴェンが多い。
交響曲の有名どころではトスカニーニはすでにあるのでパス。
フルトヴェングラーがローマのRAIオーケストラを振ったCetra盤から2枚とバルシャイ指揮で1,6,7,8番。
他にグローヴス指揮の「田園」。
フェレンチク指揮チェコフィルの4番スプラフォン盤など。
その他マイナーな指揮者達の「第九」が数枚あって、ウィーレン、ヴロンスキー、デーゼンハウス、ケストナーら。
オケはヴィスバーデンやシュトゥットガルト、ブルノのオケ。
この中では実演を聴いたヴロンスキーしか知らない。
ディーゼンハンスの第九はステレオ表記になっているが1955年7月の録音でオリジナルは独Intercord原盤のモノラル。
合唱はおろかソリストの記載のないおかしなものだが、実は前年にオペラデビューしたばかりの名テノール、フリッツ・ヴィンダーリヒがソロとして加わっている非常に珍しいもの。
ヴィンダーリヒはこの年にシュトゥットガルト歌劇場に契約したばかりでおそらくヴィンダーリヒの最も初期の録音だと思う。
ヴィンダーリヒの「第九」はクレンペラーとの1960年ウィーンライヴと、ディーン・ディクソンの1962年のライヴがあるが、スタジオ録音としては唯一のもので最も古い録音。
コンチェルトでは、フルトヴェングラー時代のベルリンフィルのコンマスだったジークフリート・ボリスのソロのヴァイオリン協奏曲。
マックス・レーガーのスペシャリストとして知られるエリック・テン=ベルクのピアノ協奏曲第5番「皇帝」とピアノソナタ数曲。
伴奏はいずれもフリッツ・リーガー指揮のミュンヘンフィル。
他にベートーヴェン以外の交響曲ではハイティンク指揮ロンドンフィルのショスタコーヴィチの第15番、プレヴィン指揮ロンドン響のチャイコフスキーの交響曲第2番。
フランスの名指揮者アンゲルブレシュトによるラヴェルで「マ・メール・ロア」「スペイン狂詩曲」「ダフニスとクロエ」のデュクレテ・トムソン盤。
映画音楽界の異才バーナード・ハーマン指揮によるクルト・ワイル、ミヨー、ストラヴィンスキー。
オーストリアのピアニスト、ロジャー・ウッドワードの弾く武満徹のピアノ曲WERGO盤。
ブルーノ・マデルナ指揮のペンデレツキ、ノーノなどエトセトラ。
思わぬ展開に完全にハイなってしまい1枚100円とはいえ冷静さを欠いての大人買い。
あまりに大量なので有料袋をお願いした。
Youtubeはヴィンダーリヒの歌うシューマン「詩人の恋」
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