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2019年10月16日 (水)

テミルカーノフ指揮読響のチャイコフスキー、交響曲第5番

曇り朝のうち雨。
気温は下がり月曜に横浜で買ったハーフコートを着て出勤

 

月曜の横浜行き、横浜美術館のあとの昼食は東急スクエア地下の中華「香家」で坦々麺

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直ぐ隣の店は回転寿司「沼津港」

食事を済ませ、みなとみらいホールに向かう。

 

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ロシアの巨匠ユーリ・テミルカーノフ指揮のチャイコフスキーの交響曲第5番をメインとするもの。
オケは読売日本交響楽団。

今月は奇しくも小林研一郎の「カルミナ・ブラーナ」に引き続き2度目の読響。

 

スヴェトラーノフとロジェストヴェンスキー亡き今、ロシアの巨匠と言えばフェドセーエフとテミルカーノフ。

フェドセーエフは何度も聴いているのでこの演奏を聴く為に横浜へ。

 

翌15日のサントリーホール公演は完売。

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・ヴァイオリン協奏曲    :シベリウス

・交響曲第5番ホ短調    :チャイコフスキー。

 

ヴァイオリンソロは未だ20代の俊英エマニュエル・チェクナボリアン。
個性的な演奏を聴かせるアルメニアの指揮者ロリス・チェクナボリアンの息子だという。

 

客演コンミスはベルリン・コンツェルトハウス管の第1コンサートミストレルの日下 紗矢子。

彼女は12月にベルリン・コンツェルトハウス室内管を率いて沼津にやって来る。

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今回自分の席は2階左側ステージの真上。
ちょうどホルンセクションの真後ろで、指揮者も斜め右正面から良く見える位置だ。

自分がオケで吹いている位置に近いのがありがたい。

 

そして最初はシベリウス。

チェクナボリアンはシベリウス国際ヴァイオリンコンクールで2位となっている。
シベリウスを得意としているのだろう。

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テクニックは問題ない。

音色に適度な艶と粘り気があるのがこのヴァイオリニストの個性なのだろうか。

楽器は1698年製のストラディヴァリウスだという。

だが音楽への切り込みが浅いように思う。

この曲は過去にロンドン響の来日公演で同じ年頃の若き日の五嶋みどりで聴いている。

 

その時の五嶋みどりにあった挑戦的な鋭さとホール全体に拡散していくようなエネルギーの放射はこのヴァイオリニストには、ない。

さらに2年前にはラ・フォルジュルネで竹沢恭子の入魂のシベリウスを聴いている。

あれは本当に凄かった。

 

チェクナボリアンはよくも悪くも優等生的で、ある種のひ弱さを感じさせる。

オケも第2楽章終盤で一部乱れを感じさせる場面があった。

 

アンコールはヴァイオリンソロで「浜辺の歌」。

美しい音色でしっとりと叙情豊かに歌わせていて、これはよい。

 

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休憩のあとはチャイコフスキー。

高まる期待でホール内には指揮者の登場前から独特の雰囲気が漂う。

 

やがてテミルカーノフの登場。

シーンと静まり返った会場にオケも緊張気味。

自分の席からは指揮棒を使わないテミルカーノフ独特の指揮がよく見える。

 

テミルカーノフが俯きがちに両手を合わせて拝むような姿勢のまま静かに両手を下ろすと、ごく自然に曲が始まった。

へぇー!これは凄いな、指揮者とオケの以心伝心の姿。

まるで蕎麦打ち職人のような手の動き。

左手が実に雄弁だ。

 

シベリウスの時とはオケの響きがガラリと変わったのにも驚いた

ホルンセクションの真後ろの席、しかもチャイコフスキーの第5番は何度も自分が演奏している曲なのであたかも演奏しているような気分。

各ホルン奏者の右手の動きも良く見えた。

シベリウスもチャイコフスキーもゲシュトップの部分があり、良く見ているとシベリウスではゲシュトップミュートを使っていたがチャイコフスキーの第3楽章では使っていなかった。

 

持ち替えのタイミングや音色の選択の関係の理由があるのだろう。

 

手馴れたチャイコフスキーでありながらテミルカーノフは終始スコアを見ている。

時として熱くなりがちなオケを引き締めながら壮大なチャイコフスキーを構築。

客席も息を呑んで聴いている様子が伝わってきた。

 

テミルカーノフの若い頃の演奏には、ある種のあざとさが感じられてあまり好きではなかった。

初めて聴いたテミルカーノフの実演、オケが十分に鳴るように効果的に書かれた楽譜の中で、何もしなくても効果的に響く部分は自然に流し、強調したい部分はきっちり指示を出すという全てを知り尽くしたものの強みと凄み。

 

自然体の中での非常に説得力の強いチャイコフスキー。

演奏会終了後のホールロビーではチョコレートが配られていた。

 

Youtubeはテミルカーノフ指揮のラフマニノフ、シンフォニックダンス

 

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