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2019年10月 5日 (土)

山種美術館「大観.春草.玉堂.龍子 日本画のパイオニア」展と名曲喫茶「ライオン」のことなど

10月最初の土曜日、本日の最高気温31度。

 

朝、市街中心部を流れる狩野川堤防を歩いていた。

日差しは強いが頬に触れる川風に秋の色。

 

 

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川向こうの林立するマンションの間からの富士山。

 

ズームアップすると宝永火口もくっきり見えた。


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木曜の東京行きでは山種美術館をはじめ、渋谷の老舗名曲喫茶「ライオン」に久しぶりに寄りその他音盤購入もいくつか。

 

 

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山種美術館は広尾開館10周年記念「大観.春草.玉堂.龍子 日本画のパイオニア」展。

 

内容は当美術館が所蔵する近代日本画の四巨頭、横山大観、菱田春草、川合玉堂、川端龍子の作品を集めた展示。


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横山大観は出雲旅行の際に足立美術館でかなりの作品を見た。

 

 

今回館内で撮影を許されている唯一の作品、大観の「心神」


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大観の絵は小さなサイズの絵でも、その奥に広大な世界が無限に広がっていくのを感じさせる。

 

だが自分には時としてその巨大さに押し潰されそうな重圧を感じることがある。

 

 

今回ここに展示されている4人の作品では、菱田春草と川合玉堂の作品に最も親近感を覚えた。

 

なかでも玉堂の「渓雨紅樹」が良かった。

 

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静かな秋、山村の紅葉の向こうに霧雨に煙る山々、遠くに傘をさして歩く二人の農夫の姿

 

ミュージーアムショップで絵はがきを買い求めたほど。

 

 

昭和の狩野永徳とも呼ばれた川端龍子の大作「鳴門」は、沼津江浦の静かな海を見て真逆の荒れた鳴門の海を想像して描いた、のだそうだ。

 

よく見ると確かに右側の海岸は江浦海岸のデフォルメだ。

 

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その後は渋谷に行きレコファン渋谷店を冷やかし、道玄坂の1926年創業の老舗名曲喫茶「ライオン」でコーヒーブレイク。

 

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ここに訪れたのは30年ぶりくらい。

場所がどうしても思い出せず、迷ってしまってようやくたどり着いた店の外観は以前と変わらず中もそのまま。

 

この場所だけ時間が止まっているかのようだ。

 

 

壁の中空にはめ込まれた手作り感のあるスピーカーは、記憶ではもう少し大きかった印象があったのだが空間の広さに比べて小さく感じた。

 

お客さんは10人ほど。

 

流れていた音楽はクロイツァーのピアノでリストのメフィストワルツ。
CDのようだ。

 

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やがて現代音楽に変わった。

 

チェンバロによる刺激的な曲が大音量で鳴っている。
自分は初めて聴く曲。

 

静かにコーヒーを飲みながらクラシック音楽を聴く場が名曲喫茶とするならば、かなり異質な音楽が流れている。

 

周りを見ると読書する人、論文らしき原稿を書いている男性、ノートパソコンを叩いている人、じっと聴いている紳士、若いアベックなど、みなさん静かに聞き入っている。

 

リクエストだったのだろうか。

 

自分には正直苦痛な音楽だった。

 

流れていた曲はリゲティの「コンティヌム」。

 

続いて定例のレコードコンサート。

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内容はスタインバーグ指揮のピッツバーグ交響楽団によるウィンナワルツ特集。

 

ずいぶんとマニアックな演奏を流しているものだ。
これは同じものを持っている。

 

使用していた米Captolのレコードは盤が汚れていてノイズが大きかった。

 

レコードをかける学生アルバイトらしき男性のレコードの扱いも気になる。

 

レコードをターンテーブルに載せるときにセンターを狙わず漫然とスピンドル周辺を探りながら置いている。

 

あれでは大切なレコードがヒゲだらけだ。

 

 

 

今や希少価値となった名曲喫茶。

 

末永く続けていただきたいだけに、多くの人が訪れるように些細なことにも気を使って欲しい。

 

 

しばしここで時間調整をして御茶ノ水ディスクユニオンへ。

 

 

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