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2020年2月12日 (水)

ラトビアのオケのことなど

天気は西から下り坂。


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朝、狩野川河川敷から見る富士山には傘雲予備軍の「つるし雲」。

湿った空気が上空に流れ込んでいるようだ。


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家の近くの河津桜が咲き始めた。

枝にはメジロの姿。


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月曜の晩に高校吹奏楽部の後輩二人が家に遊びに来ていた。

一人は吹奏楽の指導者として自ら手塩にかけたバンドを率い、吹奏楽コンクール全国大会に出場した経験もある県東部でも知られた存在。
彼は今年のコンクールの自由曲について音源の相談。

 

もう一人はホルンを専門に勉強し今は外資系の会社に勤務。

彼は国内外の音楽家とも交流が広く頻繁に海外に出張。
その傍ら現地のレコード店を巡回して音盤を買い漁り、珍しい盤を見つけては時々持参してくる。

持参の音盤は独墺圏だけではなく、リトアニアやスロヴァキア、エトセトラ。

 

ロシア圏を中心に旧東欧圏の珍しい国々の田舎の音盤店を見つけ出して発掘。
多くはメロディア音源ながら国内ではまず目にしたこともない演奏家や曲目ばかり。

今回も10枚ほどを持ち込んできた。

 

ロシアの名ホルニスト、ブヤノフスキーのヒンデミットやブリテン、
ロシアの民族楽器のバヤンによる演奏でバッハの曲の数々。

ほかに国内外の音楽大オケの演奏も数枚。

 

70年代半ばの録音と思われるハンブルクの音楽大学のオケには、ヴァイオリンやチェンバロパートに日本人の名前も見える。
聴いたバルトークは演奏そのものが青いままで未だプロの域には遠い。

一方、スロヴァキアの音大のオケはマルティヌーのセレナード。
こちらは一流プロ団体顔負けの名演。
曲も美しい。

レコードジャケットには、カラヤン財団主催の国際青少年オーケストラ大会(通称・カラヤンコンクール)出場の記述がある。

1978年の同コンクールでは、世界の音楽大学オケを制し早稲田大学交響楽団が春の祭典をを演奏して優勝している。(ちなみにこの時のホルントップは沼響に在籍)

 

他にベラルーシのオケだったかな、知らない長老指揮者によるラヴェルの「クープランの墓」は、丁寧な歌い口と清々しい弦楽器の響きが曲想とぴったり合っていた。

オケはさほど高性能とは思えないけれど、これだけ音楽的にまとめる指揮者の力量は非凡なもの。

世界にはまだまだ知られざる名演奏家が存在するのだ。


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そしてお茶の水ディスクユニオンで見つけたというODEONレーベルのモーリス・アンドレ若き日の小品集。

ホラ・スタッカートやヴェニスの謝肉祭などは唖然とするほどのテクニック。

Columbiaカーヴで聴くとモノラルながら音もよい。

 

音盤を持参した彼もホルン吹きなので、自分の音源も含めいろいろな演奏を聴きながら誰がソロを吹いているのか推測したりして、それがめっぽう楽しい。


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先ごろ亡くなったバリー・タックウエルの話題になり、モントゥー指揮ロンドン響による超ド級の名演、ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」冒頭のホルンソロはタックウエルだろうか?

アルヘンタ指揮のパリの臨時編成オケによる同曲の冒頭ソロは、本当にクリュイタンス盤の名演で知られる名手ルシアン・テーヴェなのだろうか・・・など。


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さらに我が家にある来日オケの古いプログラムのオケのメンバー表を見ながら、彼のドイツ留学時に知り合ったメンバーを見つけてのいろいろな裏話など。

興味深い話ばかりで積もる話は深夜に及ぶ。

 

彼が持参したLPで、ダブリ買いしたとかでいただいたのはメロディアのLP2枚組。

ロシアの指揮者ワシリー・シナイスキー指揮のラトビアのオケの演奏で、R.シュトラウスの「英雄の生涯」そのほか。


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・交響詩「英雄の生涯」 Op.40      :Rシュトラウス
・婚礼の歌              :R.Kalsons(1936~)
・悲しきワルツ              :シベリウス
・牧神の午後への前奏曲          :ドビュッシー

 

 ワシリー・シナイスキー  (指揮)
 ラトビア国立交響楽団

 

 録音場所 Rīgas Skaņu Ierakstu Studija
 1984年  初出。

このオケは1926年創設、ラトビアの首都リガに有り放送や歌劇場のオケも兼ねているらしい。


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今年のウィーンフィルのニューイヤーコンサートに初登場したリガ生まれの指揮者アンドレアス・ネルソンズは、このオケのトランペット奏者から首席指揮者に就任し、指揮者のキャリアを始めている。

ちなみにネルソンズの前任者には西本智美の名が見える。

 

ワシリー・シナイスキーはカラヤン国際指揮者コンクール金メダル受賞、モスクワフィルやスヴェトラーノフのあとロシア国立響の首席指揮者となった実力者だが、この録音時はようやく国際的なキャリアを築き始めた頃。


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実際聴いてみると暗く重い音色のオケ。

R.シュトラウスなど、鈍重な牛を強引に引きずりまわしているような演奏だ。

その点他の軽い曲は良い。

ラトビアの作曲家Romualds Kalsonsの「婚礼の歌」は映画音楽風の軽い曲。

自国の作曲家ということなのだろう、オケも生き生きとしてコブシの効いた節回しに躍動するリズム。
これは楽しめる。

 

中でも第2曲のホルンソロが非常にうまい。


首席ホルン奏者Arvids Klisansは在籍50年に及ぶかなりの名手とされているらしい

 

「悲しきワルツ」もほの暗いオケの音色がピタリと曲にはまり、「牧神の午後への前奏曲」もヴィヴラートをかけた管楽器群が古めかしさを感じさせながらもよい雰囲気だ。

 

Youtubeはその首席ホルン奏者Arvids Klisansによるラトビアの作曲家Andrejs Jurjāns( 1856 – 1922)によるホルンと弦楽のための「舟歌」

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