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2020年3月 4日 (水)

ウエルナー・ハースのベートーヴェン

3月に入り春の訪れというのに世情は不安に満ちている。
コロナウイルスの猖獗は東日本大震災以来の災害の様相を呈してきた。

広がる社会不安、デマの横行買い占めに走る人々。

16世紀のペストの世界的大流行の時から何も進歩していない。
イタリアの休校中の校長が生徒に送った手紙が印象深い。

 

月曜日は休みで午前中に定期的に通っているクリニックに行くとかなり空いていた。

馴染みの院長とコロナウイルスについての話。

先生は多くは語らなかったけれども今の深刻さを表している印象を持った。

 

午後からは参議院の委員会中継の様子をテレビをつけっぱなしにして見ていた。

ニュースではエッセンスしか放送されないけれど生中継だとよくわかる。

 

自分の言葉で答えることができないこの国のリーダーたち。

恐ろしいほどの不勉強ぶりを見ていて、このような人たちに国を任せていて大丈夫だろうか。
腹が立ってきた。

 

「桜を見る会」や自らの保身のための検事の定年延長。


決裁には口頭もあるなどは呆れて開いた口が塞がらない。
とても法務大臣の言葉とは思えない。

このままではこの国は根底から崩れるのではないか。

今やこれが最大の国難。

 

この国のしくみが大きく失速しつつある日本。

東京オリンピックは開催できるのだろうか。

今年のセンバツ高校野球の静岡県代表は、春夏初めての甲子園出場を決めた沼津市内の加藤学園高等学校。

なんとか正常な形で試合をさせてやりたいと切に思う。

 

今日はフランクのミサ曲。

「3声のミサ曲」作品12。

「天使の糧」を含むミサとして有名なもの。

聴いたのはJames B. Welch(1915-1991)指揮のWelch Choraleによる
米LyrichordのLP.

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・Panis Angelicus - Mass In A Major Op. 12

 James B. Welch(指揮)
 Welch Chorale
 Allen J. Sever(オルガン)

 

この団体はニューヨークのPhilip Neri Roman Catholic Churchに属する合唱団で1939年創設。

オリジナルはオルガンとハープ、そしてテノールソロによるだがこの盤はオルガンのみの伴奏。

 

演奏は酷かった。

アンサンブルは粗雑だし音程もふらつき気味。

発声に素人さが感じられ、おそらくアマチュアではないかと思う。

アマチュアとはいえかなり低いレベル。

 

商品として音盤になる以上、買い手はそれ相応の水準が保たれていると思うのが普通だろう。

最後まで聴き通すのが辛いほどだった。

 

このままでは眠れそうもないので口直しにウエルナー・ハースのベートーヴェン。

ハースはドビュッシーやラヴェルなどのピアノ曲全集を残していて、フランスもの名演で知られるドイツのピアニスト。

大ピアニスト、ワルター・ギーゼーキングの弟子。

 

ハースは交通事故で若くして逝ってしまったけれども、残された録音はどれも知的で洗練されていて、ある種の清涼感を感じさせる魅力があった。

ハースのベートーヴェンは著名な三大ソナタのほか数曲の録音が残されている。

手持ちは伊フィリップスのLP。


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・ピアノソナタ第8番 ハ短調 作品13 「悲愴』
・ピアノソナタ第14番嬰ハ短調 作品27-2 「月光」
・ピアノソナタ第23番ヘ短調 作品57 「熱情」

 ウエルナー・ハース(ピアノ)

玉を転がすような爽やかで粒立ちのはっきりした音。
「熱情」での細やかで鮮やかな指の動きを聴くと、ハースは相当なテクニシャンであったことがわかる。

 

「悲愴」の第2楽章も美しい。

 

このようなベートーヴェンもよいものだ。

 

Youtubeはウエルナー・ハースのラヴェル

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