ベルマンのラフマニノフ
4月に入り令和の元号発表から丸一年。
一年前にはまさかこのような大変な時代になるとは思わなかった。
まさに第二次世界大戦以来の世界的危機。
本日隣町の長泉町で初の感染者。
今日は 木曜日。
毎週木曜の夜はオケの練習日なのに30年あまり続いていたルーティンがコロナウイルスで突然絶ちきられてしまった。
5月の定期演奏会は中止となり練習再開の目処は立っていない。
今日はラフマニノフ。
ピアノ協奏曲第3番をロシアのピアニスト、ラザール・ベルマンのピアノで聴いた。
・ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op.30
ラザール・ベルマン (ピアノ)
クラウディオ・アバド(指揮)
ロンドン交響楽団
録音:1976年
ロンドン、ヘンリー・ウッド・ホール
ベルマンはその晩年にチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番の実演を聴いた。
のっそり熊のようなおっさんが舞台に登場して、もっさりとピアノを弾く姿はなんとなくユーモラスだった。
演奏は見事で、内省的でじっくりと歌い上げた中にも余裕のテクニックが印象に残っている。
センセーショナルな西側デビューのあと、しだいに地味な活動に移っていったベルマン。
だが19世紀風のヴィルトオーゾとしての芸風は生涯にわたって変わらなかった。
この演奏は第一楽章は比較的穏やかな開始。
ホロヴィッツのような凄みはなく、しっとり落ち着いた哀愁が漂う。
ところが第2楽章から徐々に熱を帯びて煌びやかな演奏に豹変。
ヴィルトオーゾとしてのベルマンのテクニックも全開。
怒濤のフィナーレに突入していく。
アバドの指揮も節度を保ちながら風格の感じられる見事な伴奏だ。
Youtubeはベルマンの弾くラフマニノフ、楽興の時第4番
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