カレル・フサのバルトーク
曇りのち晴れ。
先の見えない不安が漂う毎日。
ここ数日一日毎に激しい雨が降っている。
今週は月曜日が朝から雨。
その日は休みだったけれども結局自宅から一歩も出ずに家の中に逼塞。
今日聴いたのはバルトーク
仏ムジディスクの古いLPで「中国の不思議な役人」組曲にヴァイオリンとオーケストラのための二つのラプソディ。
・組曲「中国の不思議な役人」
・ヴァイオリンとオーケストラのための二つのラプソディ*
カレル・フサ 指揮
セント・ソリ管弦楽団
ドゥヴィ・エルリ (ヴァイオリン)
録音:1953年9月12日 パリ、Maison de la Mutualite*
「中国の不思議な役人」もおそらく同じ時期の録音。
ステレオ表記ではあるけれどもモノラルからの疑似ステレオ。
カレル・フサは作曲家として著名なチェコの人。
指揮をクリュイタンスに学んでいる。
吹奏楽のために書かれた「プラハのための音楽1968」は傑作として知られ、後にオーケストラのために編曲されてジョージ・セルも取り上げているほど。
ヴァイオリンのドゥヴィ・エルリ(1928-2012)はパリ音楽院を卒業し1955年ロン・ティボー国際コンクール優勝のフランス人ヴァイオリニスト。
1980年以降はたびたび来日して指導者としての功績を残しているらしい。
録音は比較的多く残されているものの大部分はフランスのマイナーレーベル。
手持ちには同じくLe Club francaise du Disque系の録音から、ハチャトリアンのヴァイオリン協奏曲の国内盤LPがある。
「中国の不思議な役人」の録音についてはかつて怪しげな駅売りCDでも出ていた。
カップリングはバルトークの「管弦楽のための協奏曲」(カルロ・パンタリ指揮フィルハーモニア・スラヴォニカ、いずれも実在しない幽霊演奏家)とヴァイオリン協奏曲第2番の第2楽章。
こちらは実在するポーランドの女流ヴァイオリニスト、ヴァンダ・ヴィウコミルスカに実在しない架空指揮者ヘンリ・アドルフによるフィルハーモニア・スラヴォニカというでたらめぶり。
CDの音は音がこもり気味の悲惨な音だった。
LPではEQカーヴをNABに切り替えるとそれなりの音で聴くことができる。
演奏は二つのラプソディーが圧倒的に良い。
ひたすら暴走する突進的なヴァイオリンに懸命に付けるオケ。
手に汗握るスリリングな演奏だ。
一方の「中国の不思議な役人」の演奏は内声部を明確に浮き上がらせたユニークな演奏であるものの、音の貧弱さが感興を削ぐ。
Youtubeはバルトークの「中国の不思議な役人」メータ指揮ベルリンフィル
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