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2020年5月15日 (金)

ウィーンフィルによるヨハン&ヨゼフ・シュトラウス「ワルツ&ポルカ集」

晴れのち曇り。
南から台風接近中、週末には天気が崩れるようだ。
ここ数年5月の台風発生が珍しくなくなってきた。

 

今まで隠れていた新型ウイルスの出現も地球温暖化の影響があるのだろう。
寝た子を起こして自業自得、人類が自ら招いた災厄かもしれない。

 

Facebookで2人の友人から招待された【7日間ブックカバーチャレンジ】の7日目。

今回は最終回
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【7日間ブックカバーチャレンジ】

7日目、最終日です。

 

最後に紹介する本は非常に迷いましたが、今の社会の状況にふさわしいと思う本を紹介することにしました。

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・高橋是清自伝

     高橋是清 著
   上塚 司 編

        中公文庫

 

世界恐慌時の大蔵大臣として、迅速な対応で世界の中で最も早くに恐慌から日本を脱出させるなど、何度も日本の危機を救った政治家、高橋是清の自伝。

高橋是清の口述を側近の上塚司がまとめたものです。

高橋是清は総理大臣のほか大蔵大臣を実に6度も経験し、昭和恐慌、世界恐慌、そして日露戦争時では日銀副総裁として持ち前の語学力と度胸で出し渋るイギリスを説得、戦時外債を調達して日本の勝利に貢献しています。

 

親しみやすい容貌から「ダルマさん」と親しまれていた高橋是清が、その後半生で活躍できた下地がどのように形成されていったのか、興味深い前半生がここで語られます。

 

幕府の御用絵師の私生児として生まれ足軽の養子となり、幼い頃のちょっとした偶然から仙台藩の上級藩士の目に止まって横浜で英語を学び、その後アメリカ留学。

ところが本人は留学のつもりが実は奴隷としてアメリカに売られていた。
それとは知らず、ずいぶんキツイところだと思って普通に過ごしていたのだからすごい人です。

 

苦労の末に解放されて帰国したのが15歳の時、抜群の英語力を買われて大学南校(現在の東京大学)の教師となり、そのかたわら正岡子規や日本海海戦で活躍した海軍軍人秋山真之に英語を教えています。

 

その間の放蕩三昧。

その後文部省の役人になり局長として日本の特許制度を作ったりしながらも退職。

一山当てようとペルーに渡り銀鉱山の採掘を始めたら、ここでも騙されて廃坑をつかまされて失敗。

無一文で帰国後しばらくはホームレス。

 

ペルーでは馬と一緒に谷底へ転落したり底なし沼にはまったり、その都度命拾いするという強運の持ち主に加えて、とにかくスケールの大きな人だった高橋是清のハチャメチャな前半生。

 

結局高橋是清は、6度目の大蔵大臣の時に、軍事費を削減したことで軍部に恨まれ2・26事件で暗殺されてしまいます。

 

今この時期の日本で、高橋是清が国のリーダーだったならば・・・

読み返しながらそのようなことを思いました。

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ウィーンフィルによるウィンナワルツを通勤途中の車中で聴いている。

ヨハン&ヨゼフ・シュトラウス「ワルツ&ポルカ集」

 

1992年に楽団創立150周年を記念して発売された一連のCDのひとつ。
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1929年のエーリッヒ・クライバーから1990年のメータ指揮のニューイヤーコンサートのライヴ録音までのCD2枚組

 

・仲良しのワルツ/エーリッヒ・クライバー
・アンネン・ポルカ/クレメンス・クラウス
・ワルツ「美しく青きドナウ」/ジョージ・セル
・皇帝円舞曲/ブルーノ・ワルター
・ポルカ「浮気心」/ハンス・クナッパーツブッシュ
・常動曲/カール・ベーム
・ポルカ「観光列車」/クレメンス・クラウス
・ワルツ「天体の音楽」/ヘルベルト・フォン・カラヤン
・皇帝円舞曲/ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
・ワルツ「春の声」/クレメンス・クラウス
・ピチカート・ポルカ/同
・ワルツ「オーストリアの村つばめ」/同
・ラデツキー行進曲/同
・喜歌劇「くるまば草」序曲/ウィリー・ボスコフスキー
・加速度円舞曲/ヨゼフ・クリップス
・ワルツ「ウィーンの森の物語」/ハンス・クナッパーツブッシュ
・ポルカ「狩り」/ヘルベルト・フォン・カラヤン
・ワルツ「南国のばら」/カール・ベーム
・同「酒・女・歌」/ウィリー・ボスコフスキー
・喜歌劇「こうもり」序曲/ロリン・マゼール
・仮面舞踏会のカドリーユ/クラウディオ・アバド
・トリッチ・トラッチ・ポルカ/ズービン・メータ
・皇帝円舞曲/ヘルベルト・フォン・カラヤン

 

この中で今存命なのはメータだけだ。

クレメンス・クラウスが6曲で最多、続いてカラヤンが3種。

クナッパーツブッシュ、ボスコフスキー、ベームが2種。
クラウスはともかく、同じくニューイヤーコンサートの顔で残されたワルツ録音が断トツに多いボスコフスキーが少ない。

 

最初のエーリッヒ・クライバーの「仲良しのワルツ」は喜歌劇「こうもり」の有名なワルツ。

これが息子カルロスの演奏と瓜二つなのが非常に面白い。

 

フルトヴェングラーの堂々たる「皇帝円舞曲」、若き日のカラヤンの甘く耽美に歌わせた「天体の音楽」など、ワルツだと指揮者の個性が素のまま出ている。

 

カーステレオで聴くとモノラルもさほど古さが気にならない。

ただし1929年のクラウスの「アンネン・ポルカ」は、CDでは音が明快であるものの、手持ちの墺太利盤LPで聴かれるトロリとした艶っぽさがまったく感じられない。

 

Youtubeはエーリッヒ・クライバーの「美しき青きドナウ」

 

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