マルケヴィッチ、日本フィルとのメンデルスゾーン
曇りのち晴れ。
日曜日、この二日間は天気も崩れず穏やかな一日。
昨日は本来ならば沼響の第36回定期演奏会。
創立以来、台風直撃や様々な困難なことはあったけれども演奏会の中止は初めてのこと。
チラシは既に出来上がっていた。
今年はベートーヴェン生誕250年、チャイコフスキーも生誕180年の記念の年。
幻の演奏会になってしまった・・・・・
この状態はいつまで続くのだろうか・・・・
今日はマルケヴィッチのメンデルスゾーンを聴いていた。
・交響曲 第4番『イタリア』 :メンデルスゾーン
・イタリア風序曲
・『アルフォンソとエストレッラ』序曲
・序曲ホ短調
:以上 シューベルト
イゴール・マルケヴィチ
日本フィルハーモニー管弦楽団
録音 1970年5月21日 24日
世田谷区民会館
日本コンサートホールのLPで録音は1970年、世田谷市民会館。
コンサートホールレーベルには珍しい日本録音で、録音データの詳細な記載も他の録音には見られない異例なもの。
総じてコンサートホールの録音はよくないとの評判があるが、実際にはEQカーヴが適正な環境で再生すればさほど悪い録音ではない。
この日本録音は若林駿介氏の手によるもので、安定してバランスの良い再生音。
演奏は素晴らしい。
雑味がなく無駄のない響きに切れの良いシャープなリズム。
パリッとしたノリの効いたYシャツのような清潔感に品格もある名演だ。
この時期の日本のオケの出来として出色の出来だ。
この録音の数日後の演奏もライヴ録音が残されている。
・交響曲 第4番『イタリア』 :メンデルスゾーン
・幻想序曲『ロメオトジュリエット』 :チャイコフスキー
イゴール・マルケヴィチ
日本フィルハーモニー管弦楽団
録音 1970年6月4日
新宿厚生年金会館 ライヴ
最初学研のカペレレーベルからCDが出ていたが、手持ちはPLATZとして出た再発売CD.
当日の特別演奏会で演奏されたチャイコフスキーの幻想序曲「ロミオとジュリエット」とのカップリング。
会場は新宿の厚生年金会館に変わっている。
基本的な解釈は変わらぬものの、会場の違いのためかテンポが多少遅い。
終楽章の白熱の高揚感はライヴならではもの。
当時この録音は放送もされたそうだが、音のまとまりとしてはスタジオ録音が聴きやすい。
このイタリア交響曲は苦手な部類だけれども、マルケヴィッチの演奏には有無を言わさぬ説得力があり聴いていて興奮。
スタジオ録音の後の演奏なだけにアンサンブルの完成度も高い。
ところがチャイコフスキーの「ロメオとジュリエット」はかなり荒っぽい演奏で、各所で事故も発生、響きも汚い。
とても同じオケの同日の演奏とは思えないほど。
Youtubeはマルケヴィッチの「春の祭典」
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コメント
ストラヴィンスキーの「春の祭典」。アップされていたマルケヴィッチの映像を見ながらふと思い出しました。
作曲家の三善晃は私の恩師の中の一人ですが、嘗てこんな話をしてくださいました。それは「アゴン」の欧州初演時の事です。
’この曲を聴いていて、これははストラヴィンスキーの駄作だと思い途中で会場を出てビアホールへ入った。酒を飲みながらふと後ろを振り向くと鼻の穴の大きな男が一人ビールを飲んでいた。よく見るとそれはストラヴィンスキーその人だった。’これは1957年、パリでの事だと思います。
投稿: 大輪公壱 | 2021年4月11日 (日) 14時16分
大輪さま。
貴重なエピソードありがとうございます😃
思わずストラヴィンスキーの顔写真を見返してしまいました。
確かに大きな鼻✨
投稿: 山本晴望 | 2021年4月12日 (月) 21時41分