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2020年5月 6日 (水)

「バイエルの謎」そしてヴァンデルノートのプルチネルラ

曇り時々雨。GW最終日。
今日も仕事。

 

出勤時の道は昨日以上に走る車は少ない。

 

自分が留守の間に義母が三島の「兎月園」の柏餅を持ってきてくれた。

 

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老舗和菓子店の逸品、こし餡と草もちです。

 

 

Facebookで2人の友人から招待された【7日間ブックカバーチャレンジ】
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読書文化の普及に貢献するためのチャレンジで、好きな本を1日1冊選び、本についての説明はナシで表紙画像をFacebookへ7日間アップを続ける。
その際毎日1人のFB友達を招待し、このチャレンジへの参加をお願いする。
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というもの。


チェーンメール的なものは好まないので、友人は招待しない。

 

3日目は音楽書を取り上げることにしたけれど、この「バイエルの謎」はこのブログでも取り上げているので旧稿の手直し。
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3日目です。

 

・「バイエルの謎」
        日本文化になったピアノ教則本

 

     安田寛 著
                音楽之友社
                *新潮文庫

 

私は音楽好きなので音楽の本も紹介します。
かつてピアノを習うほとんどの人がバイエルの教則本から始めていました。
                            
今でも自宅には私が子供の頃に使った赤い表紙のバイエルがあります。

 

でもバイエルを使っているのは日本くらいで、他の国ではほとんど使われていないようです。
日本でも最近はあまり使われなくなったようです。
私の子供達はバイエルを使いませんでした。
                                                       
これほど有名なバイエルですが、作曲者バイエルの実像はほとんど知られていません。

 

以前、NHKの名曲アルバムでバイエル教則本中の1曲がピアノ協奏曲風にアレンジされ放送されたのが、作曲家バイエルが公式に紹介された唯一の出来事であったと思います。

 

この短い番組中で、バイエルの墓地跡と推定される場所がひっそりとした公園の一角だったことが印象に残っています。
架空の人物だという説が出るほど生地ドイツでも忘れ去られているバイエル。

 

この本は、ドイツやアメリカまで渡り、何度も絶望的と思われた状況に陥りながら長い年月をかけ作曲家フェルディナント・バイエルの実態に迫った迫心のドキュメンタリーです。

 

教則本「バイエル」の初版を求めアメリカに渡り、ようやく所在をつきとめたニューオルリーンズの図書館は直前のハリケーン「カトリーナ」の来襲で水没してしまっていた。

 

奇跡的ともいえるいくつかの偶然が重なり、マインツの公文書館でバイエルの戸籍を発見する場面など感動的ですらあります。

 

バイエルの墓が第二次世界大戦のマインツ爆撃で破壊され、今は跡形もなくなって草地と化していたという悲しい現実を交えながらも、著者はさらにバイエルのルーツや子孫にまで遡っていきます。

 

「教則本バイエル」の音楽のルーツが、母方の先祖たちが関係した教会で歌われたプロテスタントのコラールにあり、幼い頃に母から受けた音楽レッスンの思い出をバイエルの上巻に込めたことまで掘り下げていく中には、著者のバイエルに対する深い愛情も伝わってきます。

 

この本ではバイエルの肖像画も見ることができました。


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先月のドメニコ・ガロのトリオ・ソナタつながりで、ストラヴィンスキーの「プルチネルラ」の音源をいろいろとネットで物色していた。

 

そこでヴァンデルノートの演奏を見つけた。
へーぇ、こんな音源があったんだ。

 

ベルギーの指揮者アンドレ・ヴァンデルノートは、将来を嘱望され若い頃には優れた録音を残していて、一連のモーツァルト録音は今でも時々取り出すことがある。

ところがいかなる理由か次第にドロップアウト。
やがて表舞台から姿を消してしまった。

 

その後90年代にベルギーのオケを振ったライヴのセットものが突然の登場。

これが大きな話題となり往年のファンは驚喜して買い求めた!?

 

私もそのひとり。

 

ところが演奏内容のあまりの悲惨さにこれまた話題となってしまった。

聞いてびっくり、商品化した良識を疑うほどの低水準。
とても最後まで聴き通すのが辛いほど。

結局、続編が計画されながらも、第1弾のあまりの反響の大きさ? に、続編の発売は流れてしまった。

 

そしてヴァンデルノートの名は再び遠い彼方。

 

このEMIの「プルチネルラ」はタワーレコード・ヴィンテージコレクション中の1枚。

 

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・.バレエ組曲「プルチネルラ」
・バレエ音楽「妖精の口づけ」~ディヴェルティメント

 

アンドレ・ヴァンデルノート(指揮)
フィルハーモニア管弦楽団

 

録音
  1961年1月14日(プルチネルラ)
  1961年4月28&29日、7月10日(妖精の口づけ)
  Abbey Road Studios, London

 

ちょうどポイントが溜まっていたので払った金額は57円。
ヴァンデルノート若き日の録音で期待の演奏。

 

youtubeはメータの指揮で「プルチネルラ」

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