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2020年6月23日 (火)

カラヤン&フィルハーモニア管との「プロムナードコンサート」その他

低く垂れ込めた雲の合間に青い空。
湿度は高く梅雨の合間の晴れた1日。

 

家にある古いものの大量処分中。

 

旅行の時に買った各種ガイドブックや大学時代の参考図書など、既に役割を終えたものをしみじみと手に取りながらも処分。

大量の文庫本なども多くは処分することにした。

今読み返してみると古い文庫本の活字の小さいことに驚く。


Dsc07651

大叔母が女学校の音楽教師時代に使った珍しい楽譜と、明治期の日本楽器製オルガン。

100年を超えても未だに音は出る。

これは捨てられない。

 

 

カラヤンのフィルハーモニア管時代の管弦楽小品集を聴く。


70年代に東芝EMIが発売した廉価盤LPで番号はAA5108.

これはシリーズもので、東芝EMIが発売した初めてのカラヤンの千円盤だった。

最初千円で発売されたのがオイルショックによる値上げですぐに1200円。

 

このシリーズは1940年代から1960年にかけて録音したカラヤンのEMIへのレコーディングのうちフィルハーモニア管との録音を中心に、一部40年代のウィーンフィルと50年代末のベルリンフィルとのステレオ録音を混在させたもの。

 

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① 喜歌劇《天国と地獄》序曲
② 喜歌劇《軽騎兵》序曲
③ 喜歌劇《こうもり》序曲
④ 喜歌劇《ジプシー男爵》序曲   
⑤ ラデツキー行進曲
⑥ 皇帝円舞曲             
⑦ ポルカ《雷鳴と電光》作品324
⑧ ピチカート・ポルカ         
⑨ ワルツ《うわごと》        

ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)

フィルハーモニア管弦楽団

 

録音 1950年5月20日④⑥⑧⑨
   1955年4月③
   1960年9月①②⑦
   1955年?⑤

 

1950年5月20日録音の「シャンペンコンサート」と1960年9月録音の「プロムナード・コンサート」の両アルバムがオリジナル。
そして「こうもり」序曲のみ1955年4月録音の全曲録音から収録。

 

録音会場はすべてロンドンのキングズウェイホールだが、当然のことながら「シャンペンコンサート」のシュトラウス4曲と「こうもり」序曲はモノラル録音。

 

AA5081ではモノラル録音はすべて電気的にステレオ化してある。

 

なお60年録音の「プロムナード・コンサート」は、カラヤンがフィルハーモニア管を振った最後のスタジオ録音となった。

 

 

実は1953年から1955年にかけて、カラヤンは1960年録音の「プロムナード・コンサート」と全く同じ曲目を同じ曲順で録音している。

オケはこちらもフィルハーモニア管。

 

「プロムナード・コンサート」


・ワルツ《スケートをする人々》作品183
・トリッチ・トラッチ・ポルカ作品214
・ラデツキー行進曲
・狂詩曲《スペイン》
・楽しい行進曲
・ポルカ《雷鳴と電光》作品324
・喜歌劇《軽騎兵》序曲
・歌劇《バグパイプ吹きのシュワンダ》よりポルカ
・喜歌劇《天国と地獄》序曲)

これがよほど売れたのか全く同じ内容で60年にステレオ録音。

 

そこでこのAA5081.

 

聴いてみるといろいろと面白いことがわかった。

EQカーヴはいずれもcolumbiaカーヴ。

 

このLPは、オリジナルステレオ録音とモノラルからの疑似ステレオ録音の混在で最初の2曲、「天国と地獄」と「軽騎兵」は1960年録音。

ここではEQカーヴがぴたりとはまり実に鮮明な生々しい音。


これほどの優秀録音だとは思わなかった。

 

1955年録音の「こうもり」序曲となるとがくりと音像が狭くなる。

 

B面はラデツキー行進曲から。

 

1960年録音の真正のステレオ録音かと思いきや、音像は疑似ステレオのままだった。

なんと「ラデツキー行進曲」は1960年のステレオ音源を使わずに1955年のモノラル音源の旧録音をわざわざステレオ化して製品化したようなのだ。

ジャケットには*はモノラル録音を電気的にステレオ化したものです、との表示はあるけれどラデツキー行進曲には*表示はない。

 

Youtubeは2020年のウィーンフィル・ニューイヤーコンサートから「軽騎兵」序曲。ネルソンズの指揮

 

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