ウイリアム・スタインバーグの「惑星」
6月も後半に入り路傍の紫陽花もそろそろおしまい。
終日雨だった金曜は気温が下がり半袖では過ごせぬほど。
土曜の最高気温も27度程度、比較的過ごしやすい一日。
移動自粛緩和で、各地の行楽地は昨日あたりから人出が増えている。
ガソリンを入れるために外出すると国道を走るツーリングのバイクが多数。
緊張が大幅に緩みなんとなくのコロナ慣れ。
抗体検査の結果では日本国内の感染者が少ないことが判明。
未だ感染者が爆発的に増えている国もあり危険なのはこれからではなかろうか。
大幅な断捨離で部屋の片付けの最中に書架に躓き右足を強打して一日中痛い。
どうも最近動きが鈍くなってきた。
ウイリアム・スタインバーグの「惑星」を聴いていた。
手持ちは70年代後半に出た国内廉価盤LP.
・組曲《惑星》 作品32
ウィリアム・スタインバーグ(指揮)
ボストン交響楽団
ニュー・イングランド音楽院合唱団
録音:1970年
ラインスドルフから小澤征爾への中継ぎのような形でスタインバーグがボストン響の音楽監督だった時代の録音。
短い3年という音楽監督、ピッツバーグ響との兼任だったので残された録音は少ない。
だが今聞いてみるといずれも名演揃いでこの「惑星」は代表的な遺産。
「火星」は作曲者の自演に限りなく近い猛烈に早いテンポ。
1拍目の強烈なアクセントでひた押しに押してくるド迫力が凄まじく、ボストン響の切れの良いアンサンブルもあってピーンと張りつめた緊張力に息を飲む。
「金星」のロマンティックな歌に続く「水星」ではこれほど木管楽器群の絡み合いが明瞭な演奏も類を見ない。
雄大な「木星」に深い詠嘆の気配が漂う「土星」など。
オーケストラのショウピースに陥りがちなこの曲を深いところで捉えている稀有な演奏だ。
「惑星」ではボールトや著名なイギリスの指揮者たちによる名演が多いけれども、アンサンブルの精度と深い解釈、知情意のバランスの良さで最右翼の名演だと思う。
自分が通っていた高校の音楽室に備えられていた「惑星」が、このスタインバーグの演奏だった。
あれは確かグラモフォンのレギュラー盤。
その頃、カラヤン指揮ウィーンフィルやストコフスキーの演奏が既に廉価盤で出ていて、生意気盛りの自分は、著名な指揮者の演奏が廉価盤で出ているのになぜ無名の(その頃スタインバーグの名を知らなかった)の高いレコードを学校が買うのか不思議に思った、なんてことを思い出した。
Youtubeはスタインバーグ指揮ボストン交響楽団のベートーヴェン、交響曲第7番のフィナーレ。
マーラー版の改変が随所で聴くことができます。
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コメント
毎回、拝見させていただいています。
わたしもアマチュアオケでチェロを弾いていたことがあり、身近に感じます。
さて、このスタインバーグの「惑星」は、自分もお気に入りの1枚です。自分は、クラシックをLPのみで聴いています。特にグラモフォンの音が好きで、アナログ期のLPはほとんど、収集しました。そのなかでも、この「惑星」は、演奏と言い、録音と言い最高だと思っています。輸出向け(ライナーがすべて英語)の初期独盤をもっていますが、その音の切れ味は素晴らしいです。ぜひドイツ盤を聴いてみられることをお勧めします。
これかもブログ楽しみにしています。
投稿: 甘露堂 | 2020年6月28日 (日) 14時56分
甘露堂さま、コメントありがとうございます。
アマオケでチェロを弾かれていたとのこと。
昨今のコロナ禍で練習もようやく再開した状態です。
それにしてもこのスタインバーグの「惑星」。
譜面の読みの深さとボストン響のバツグンのうまさ。
そしてこの名演を見事に捉えた録音も素晴らしいと思います。
独オリジナルを所有しているとのこと羨ましいです。
私のは国内廉価盤ですが、EQカーヴをAESに調整して聴くと素晴らしい音で鳴りました。
投稿: 山本晴望 | 2020年6月28日 (日) 21時32分