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2020年7月に作成された記事

2020年7月30日 (木)

ベッケルンドのラフマニノフ

曇りのち晴れ、朝のうち小雨。

出社して間もなくのこと、突然の緊急地震速報!
オフィス内に緊張が走る。

 

皆じっと身構えても何も起こらない。

やがて市役所が配信している防災情報メールが入ってきた。
房総半島沖マグニチュード7.3程度以上、

主要動がすでに到達したと思われる地域と震度に伊豆大島5弱から5強・・・など

伊豆大島で震度5ならばここも多少は揺れそうなものだが・・・

ネットで検索してもなかなか地震の情報が出てこない。

 

そのうち震源地が鳥島沖との情報が入る。

鳥島、遠いなぁ・・・

ともあれ多少空振りがあっても、このような情報はこまめに出して欲しいもの。

 

午後から晴れて久しぶりに青空を見た。

西日本で梅雨明け。

 

ノルウェーの音楽家たちによるラフマニノフを聴く。

米CAMDEN原盤の国内盤LPモノラル録音。

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・ピアノ協奏曲第2番

 シェル・ベッケルンド(ピアノ)


 エルヴィン・フィエルシュタード(指揮)
 オスロフィルハーモニー管弦楽団

 録音 1953年

 

いずれもグリーグで名演を聞かせた演奏家たち。

シェル・ベッケルンド(1930-2004)はオスロ生まれ。

8歳でオスロフィルと共演している。いわゆる早熟な天才少年だったのだろう。

ドイツ正統派のピアニスト、ハンス・リヒター=ハーザーとウイルヘルム・ケンプに師事。

 

ベッケルンドの現役盤はほとんど北欧の作曲家たちの作品に限られている。

中でもグリーグのピアノ協奏曲はロングセラーの名演。

 

フィエルシュタートは指揮をクレメンス・クラウスに学ぶ。

オスロフィルのコンサートマスターから指揮者に転じ、1962年から1969年までN響にもしばし客演するブロムシュテットと共にオスロフィルの首席指揮者。

 

ベッケルンドのピアノは師リヒター=ハーザー譲りの鋼鉄のような強靭なタッチとがっしりとした音楽造りが特徴だと思う。

このラフマニノフも煌びやかにして重厚な音色と着実なテクニックが魅力的。

オケも雄弁で疾風怒濤に突き進む雄大な出来だ。

 

第2楽章ではピアノの左手の細かな動きで内声部を浮き上がらせていくのが非常な効果を上げている。
共感に満ちたオケの歌も良い。

ソロとオケが一体となった熱く燃えるような演奏で、第3楽章の終盤を聴いているうちに鳥肌が立ってきた。

 

全く知られていない演奏だが、この曲の数ある名演のうちで最右翼の演奏だ。

 

 

Youtubeはベッケルンドの弾くグリーグ、叙情組曲から

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2020年7月29日 (水)

G.ズッカーマンのモーツァルトのファゴット協奏曲

曇り、夜遅くに気温が下がり霧雨。


7月も残り少なくなって来た。
梅雨前線未だ去らず、東北地方では豪雨となり最上川流域に大きな被害。

台風は来ていないけれども7月で晴れた日の記憶がほとんどない。

 

連日の雨続きに加えてこのコロナ禍。

感染は日本全国に広がり感染者は千人を超え収まる気配はない。

 

モーツァルトの管楽器のための協奏曲を聴く。

モーツァルト若書きのファゴット協奏曲に晩年の名作クラリネット協奏曲

 

70年代初めに出ていたコロンビアダイアモンド1000シリーズの廉価盤LP。

VOX系の録音でジャケットの隅にTurnabautのロゴが見える。
昨年ハードオフでのジャンクコーナーからの発掘品。

 

このLPは発売時にリアルタイムで見ている。

手持ちのLPは50年近く経たにしてはジャケットの状態は良い。

 

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・クラリネット協奏曲イ長調K.622
 
 ヨースト・ミヒャエリス(クラリネット)
 ヒューバート・ラインハルト(指揮)
 ウェストファリャ交響楽団

 

・ファゴット協奏曲 変ロ長調 K. 191 (186e)
 
 ジョージ・ズッカーマン(ファゴット)
 イェルク・フェルバー(指揮)
 ヴェルテンブルク室内管弦楽団

 録音 1974年

元は二つのアルバムから有名曲2曲をカップリングしたもの。

 

ヨースト・ミヒャエリス(1922-2004)はドイツのクラリネット奏者。
一時ハンブルクの放送交響楽団でソロ奏者となっていた。

 

演奏は音も表現も固くて楽しめない。

良く言えば質実剛健だが窮屈で肩が凝りそうだ。
オケの反応も鈍い。

 

B面に裏返してファゴット協奏曲。

これはモーツァルト18歳の時の作品。
モーツァルトはファゴット協奏曲を4曲作曲したと伝えられるが現存するのはこの1曲のみ。

 

序奏の明るく軽快な音にホッとする。

スマートにして爽やか、遅めのテンポで丁寧な音楽の流れが実に自然でズッカーマンのソロにも不満はない。

オケの性能はウェストファリャよりも格段に良い。

ジョージ・ズッカーマンはカナダのファゴット奏者

齢90を超えて未だ壮健のようだ。

このサイトでこの録音の演奏を聴くことができる。

 

Youtubeはモーツァルトのファゴット協奏曲、古楽器による演奏

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2020年7月27日 (月)

アバド&ロンドン響のストラヴィンスキー

またもや雨の月曜日。
昨日は朝から尋常で無い量の雨が降った。

 

新幹線が止まり東名高速道路は一時通行止め。

先日土砂崩れで通行止めにになったトンネルは、ようやく片側通行まで復旧したけれどまたもや通行止め

(しばらくして復旧しました。ご苦労様です)。

 

夜のNHK全国ニュースには豪雨の中の沼津の様子。

 

土曜は娘夫婦が泊りに来て婿殿と鯨飲。

 

先日、ポコの散歩中に裏山にイノシシを見た。

今日雨の合間にその場所に行ってみると完全にヌタ場となっていた。


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大きく二つの窪みになっていたので何匹かが昨晩来たのだろう。

 

アバドのストラヴィンスキーを聴く。

いわゆる3大バレエとバレエ音楽「カルタ遊び」を含むLP3枚組から。


「ペトルーシュカ」「火の鳥」「カルタ遊び」のLP2枚を聴いた。


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① バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1911年版)
② 組曲『火の鳥』(1919年版)
③ バレエ音楽「カルタ遊び」

 クラウディオ・アバド(指揮)
 ロンドン交響楽団
  
 録音:①1972年11月②1974年10月③1980年9月

 

アバド40代のほぼ10年間、ロンドン響の首席指揮者から音楽監督になった時代の録音。

この後アバドはキャリアを積み上げ、ウィーン国立歌劇場の音楽監督を経てベルリンフィルの芸術監督に登りつめていく。

 

アバドのストラヴィンスキーはかつて興味深いライヴCDが出ていた。

 

 

このスタジオ録音のいずれの演奏も細かな部分まで精密に描き出して各声部のバランスも見事。


響きの美しさの中にもフレッシュな勢いもあり見事に調和のとれた演奏だ。。

 

アバドはウィーンフィルとベルリンフィルとの実演を聴くことができた。

優等生的でカロリーは低めだけれど、透明な響きの美しさと音楽の流れの良さが印象に残っている。

 

なお「ペトルーシュカ」は4管編成の1911年版を使用と書いてあるが、アバド独特のスリムな響きで1947年版のように聞こえる。

EQカーヴはffrr

 

Youtubeはアバド指揮ロンドン響の「火の鳥」、1983年の来日公演から。トロンボーンに名手デニス・ウィックが、チューバ奏者はジョン・フレッチャーのはず。

 

 

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2020年7月25日 (土)

明子のピアノ

終日の雨、明け方の激しい雨で目が覚めた。
巷は4連休。

 

本来今頃はオリンピックの開会で、日本中がお祭り気分で沸くはずが歴史的なパンデミックの到来、加えてこの雨。
Go toキャンペーンとはいえ道路を走る県外ナンバーの車は少ない。

 

木曜の夕方にいつも珍しいLPを聞かせてくれる後輩がやってきた。

読んで欲しい本があるという。

 

「明子のピアノ」(中村真人 著 岩波ブックレット)

この7月に出たばかり新刊書。

 

著者は彼の大学時代の友人でベルリン在住。

さっそくその日に読んでみた。


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広島に投下された原爆によって命を奪われた19歳の女性が弾いていたピアノの物語。

 

このピアノは原爆投下の際に被害を受け、その時のガラスの破片がささったままの状態で残され、被爆ピアノとして知られる。


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読んでいるうちにかつてNHKのニュースで紹介されていたのを思い出した。

 

古くなった家とともに廃棄されるはずだったこのピアノが数奇な運命で生き永らえて再生され、アルゲリッチやピーター・ゼルキン、アムランら世界的な名ピアニストたちの目に止まるまでのノンフィクション。

 

ピアノはアメリカのボールドウィン社のアップライトピアノ。
製造番号から1926年製造だという。

この当時、日本の家庭でボールドウィンのピアノがあるのは珍しい。

 

彼女の一家は父の仕事の関係でアメリカに住んでいた。

彼女もアメリカで生まれている。

 

このピアノは母が弾き、やがて成長するにつれて彼女も弾くようになった。

在米中に撮影されたピアノの前に座る生後七か月の彼女の写真が愛らしい。

 

一家は戦争が始まる前に帰国。

 

昭和20年8月6日、彼女が女学校の勤労奉仕に出ていた時に原爆が投下された。

 

当日彼女は体の不調を訴え「行きたくない」と呟いたという。

 

 

印象に残るのはアルゲリッチがそのピアノを始めて目にし「私も弾きたい」と、鍵盤の上に静かに手に置いてシューマン、プロコフィエフ、バッハそしてショパンを弾き始める場面。

 

その現場に立ち会ったピアニストの萩原麻未が「この瞬間、ピアノが大きく目を開いて蘇ったように言葉を発していました」の証言には深い感動を覚えました。

「彼女がショパンを好んで弾いていたことを、このピアノはよく覚えている」のアルゲリッチの言葉も泣かせる。

 

読んでいるうちにピーター・ゼルキンもこのピアノに出会い、このピアノでバッハを弾いたCDが残されていることを知った。

これはぜひ聞きたい。

 

すぐにタワーレコードにオーダーを入れた。


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ゼルキン曰く「このピアノは18、19世紀の古い時代の音がする」と。

 

ゼルキンはこのCDの売り上げをすべてこのピアノの維持費のために捧げている。

 

この「明子のピアノ」の物語は、8月15日にNHKBSでドキュメンタリー・ドラマが放送されます。

 

youtubeはアルゲリッチが初めて明子のピアノに出会ったまさにその瞬間の映像

 

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2020年7月24日 (金)

三島小浜池と「写真とマンガで見る三島宿のジオと歴史」、そしてエドゥアルト・シュトラウス指揮のオペレッタのことなど

曇り時々晴れ、夕方一時雨。

 

コロナ感染者数は相変わらず増え続け昨日東京は300人の大台へ。
国は何も対策を取らずGoto見切り発車、自己責任という名の国民丸投げ。

再び九州は大雨。
何か良いニュースはないものか。

 

連休初日の昨日は隣町三島の郷土資料館で開催中の「写真とマンガで見る三島宿のジオと歴史」に行っていた。

 

三島市立郷土資料館は三島駅から近い楽寿園の中にある。
楽寿園は旧小松宮別邸跡の三島市の市民公園。

かつてここはメリーゴーランドやお猿の電車、ライオンやインド象、キリンも飼っていて静岡県東部唯一の動物園と遊園地を兼ねていた。

 

自分も幼稚園の遠足その他幼い頃からの馴染みの場所。

 

入園料300円を払って公園に入る。
中には幼い子供を連れた家族連れや園内を散策する観光客らしき人々の姿。

 

ここで沼津市民文化センターの女性職員二人連れにばったり出会った。

資料館の展示のことを教えるとUターンして資料館に向かっていった。

 

資料館への途中、市役所職員のアンケートに答えたら災害備蓄用のパンの缶詰をいただいた。


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昨日の楽寿園の小浜池。

この長雨でいつも水枯れ状態の小浜池が満々と水をたたえていた。


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この池はかつて昭和天皇はじめ皇族たちが舟を浮かべて遊んだ由緒ある場所。


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水位が2メートルを超えたのは57年ぶりだという。

これほどタップンタップン状態の小浜池は初めて見た。

 

水辺に遊ぶ鴨たち、そして豊かな水の流れと滾々と湧き出る地下水。


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しばらく池を眺めていると先ほどの文化センターの女性職員に再び会った。
「良いものを見せていただきました。あの方は漫画家ですか?」
などと聞かれた。

 

郷土資料館に入ると多くの人。

お目当ては一藤木秀光さん描くところの三島を題材とした歴史的な漫画の数々。


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氏は幼き頃にヴァイオリンも弾き現在沼響の友の会のメンバーでもある。

ご挨拶するといろいろと詳しく案内してくださった。


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歴史的な文献や古い絵はがき、そして浮世絵の技法を取り入れたり、描いた石垣や灯籠の石材も産地によって色を変えたりと、こだわりが凄い。

園を出て近くの公園を通ると、犬やアヒルを連れて水辺に遊ぶ幼きこどもたちの姿。

 

しばしコロナ禍のことを忘れる。

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三島は水の街。

 

そのまま帰るつもりがしばらくご無沙汰だった三島のハードオフに寄ってしまった。

 

ここは時々珍しいCDが出るところ。

LPコーナーはさほどの出物はなかった。


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CD棚ではシュトラウス一族の一人、エドゥアルト・シュトラウスがヨハン・シュトラウス2世のオペレッタ「ウィーンのカリオストロ」と「愉快な戦争(Der lustige Krieg)」の序曲と抜粋を振ったSvenska Strauss SalskapetのCDが目に入った。

ウィーン交響楽団にウィーン国立歌劇場の歌手たち。

 

未知の曲、しかもエドゥアルド・シュトラウスということで手が伸びる。

未開封新品で税込み440円。

 

断捨離どころか手持ち音盤は増えるばかり、そろそろ置き場所も限界になってきた。

 

帰宅すると娘が帰省していた。

 

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2020年7月22日 (水)

「新世界より」3題、レナルドとパーヴォ・ヤルヴィ、そしてアンチェル

久しぶりの快晴。
未だ梅雨は明けず梅雨の合間の晴れ模様。

気温は高く三島で最高気温31度。

Go to トラベルは今日から開始。
一方でコロナ感染者が地方で急速に増加中。
この施策が感染増に一層の拍車をかけるのは明白。

決断できず責任も取らない国のトップの影響で政府の方針定まらず、混乱と不信で迷惑するのは国民ばかり。

 

雨で伸び伸びになっていたガレージの改修はようやく先が見えてきた。
本日休みで若い業者さんの作業を見ていた。

一人でてきぱきと仕事する姿が小気味の良いほど。
明るい好青年だった。

 

「新世界より」はかつて沼響のHPで130種以上の演奏の聴き比べを連載している。

それ以降あまりこの曲を聴くことがなくなったけれど、今日はスコアも見ずに気楽な気持ちで取りだした3種の演奏のつまみ聴き。

 

新世界3題

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最初に聴いたのは今は無き新星日本交響楽団を振っていくつかの名演を聴かせたスロヴァキアの指揮者オンドレイ・レナルド指揮のブラチスラヴァの放送オケによるNAXOS盤

 

・交響曲第9番 ホ短調 「新世界より」 Op. 95, B. 178

 オンドレイ・レナルド指揮
 ブラチスラヴァCSR交響楽団

  録音:1987年12月
     Concert Hall, Czecho-Slovak Philharmonic, Bratislava

オケの鳴りが悪くNAXOS初期独特の堅い音。

 

粘着質な独特の歌い回しに穏健でローカルな演奏。

いささかユルさもあるけれど聴くときの気分に寄ってはこちらを好むときもあるかもしれない。

第2楽章の第2主題のフルートソロ の暖かさにはホロリ と来た。

 

 

もう一枚はN響初代首席指揮者のパーヴォ・ヤルヴィ。

ロイヤルフィルハーモニック・コレクション中の1枚

・交響曲第9番 ホ短調 「新世界より」 Op. 95, B. 178
・序曲『謝肉祭』 op.92
・スケルツォ・カプリチオーソ op.66
 
 パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)
 ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団

 録音:1993年

 

パーヴォ若き日の録音。

録音 が非常に明快で第一楽章序奏のティンパニの大音響に驚く。

 

鋭角的で突進的、ノンキで温厚なレオナルドの演奏とは対照的だ。

洗練された趣の都会的な「新世界より」。

 

もっとも今のパーヴォならばより深い演奏が期待できるかもしれない。

パヴォーには2005年にシンシナティ響との再録音がある。

 

そしてもう一枚は名盤の誉れ高いカレル・アンチェルの演奏。

・交響曲第9番 ホ短調 「新世界より」 Op. 95, B. 178

 カレル・アンチェル(指揮)
 チェコフィルハーモニー管弦楽団
 
 録音:1961年12月6日
   :プラハ、芸術家の家(ルドルフィヌム)

 

手持ちはLP、CDいろいろあるけれども国内盤初期のCDで聴いた。

レナルドとパーヴォ・ヤルヴィに続けて聴くと、指揮者の格の差をまざまざと感じさせられる。

細かな一つ一つのフレーズに、オケも指揮者もプライドと確信を持って演奏しているのが伝わってくる。

大指揮者ムラヴィンスキーをして、アンチェルがいるから「新世界より」は演奏しないと言わしめたアンチェルの「新世界より」。

細かな感想は沼響の聴き比べコラムへ。

 

YOUTUBEはパーヴォ・ヤルヴィ指揮ベルリンフィルのシベリウス、交響曲第5番からフィナーレ

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2020年7月20日 (月)

ポコルナのラフマニノフ、ピアノ協奏曲第3番

鹿児島は梅雨明け、今日は曇り夕方から一時雨の月曜日。

コロナ感染は増加の一途、県内では初のクラスター発生。

 

今日はベートーヴェンから離れてラフマニノフ。

ロシアの女流ピアニスト、ミルカ・ポコルナの弾くラフマニノフのピアノ協奏曲を聴く。

 

難曲で知られるピアノ協奏曲第3番。

手持ちはイタリアFabliのLPで、昨年地元のハードオフの大量放出格安輸入LPから。

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ピアノ協奏曲第3番ニ短調 作品30

 ミルカ・ポコルナ(ピアノ)
 イエジー・ピンカス(指揮)
 ブルノ国立フィルハーモニー管弦楽団

       録音:1976年4月9日

 

ポコルナのラフマニノフはかつて第2番を聴いている。

第2番の演奏は驚きのカットや、譜面上の改変もいくつかあった超個性的な演奏だった。

 

かつて小学館か何かの名曲入門レコードシリーズにこのポコルナの第2番の演奏が入っていた。

入門編としてはあまりにも個性的。
このような演奏で初めて曲を知った人は他の演奏は受付けなくなってしまうのではと思ったほど。

 

そしてこの第3番。

ファヴリのシリーズは世界規模で販売していた名曲入門シリーズだが、ポコルナの演奏は2番以上に個性的だった。

 

2番は実際に何度か演奏しているので、スコアを見なくても譜面との違いはだいだいわかる。

3番は2番ほど聴きこんではいない。
けれどもこのポコルナの第3番の演奏は、第2番以上により徹底した改編があるようにも聞こえる。

時として全く別の曲を聴いているようだった。

 

ゆっくり優しげな曲の開始とアクのあるフレージングからして普通と違う。
甘くまったりと歌い上げていると思えば急激に加速。

フィナーレのすり寄ってくるようなフレージングとチャーミングなグリッサンドも印象的。

ある種毒のある演奏だが、ローカル色丸出しの垢抜けなさが良い雰囲気だ。

テクニックも達者でバリバリ感が凄い。

聴いているうちに曲の美しさのなかに孤独の影も垣間見える。

ピアノの音色も独特で、このドスのある響きはチェコのペトロフではなかろうか。

 

伴奏のブルノのオケは来日時では、オケが鳴りきれないひなびたローカルさが良い味だったが、この演奏では情熱的な伴奏を付けていた。

オケがあたかもポコルナの毒気に当てられたかのよう。

 

EQカーヴはNAB。

 

Youtubeはユジャ・ワンの弾くラフマニノフ、ピアノ協奏曲第3番

 

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2020年7月18日 (土)

近くの山で土砂崩れ、そしてクリュイタンスのベートーヴェンのことなど

昨晩から激しい雨。

明けて土曜日の今日も朝から雨。

昨晩から気温が下がり半袖では寒いほど。

 

午前中所用で外出。

裏山のトンネルを越えて隣町の清水町に行こうとしたら車のガソリンが少なくなっているのに気がついた。

Uターンしてガソリン補給。

補給を終え目的地に向かうと県道は通行止めになっている。

なんだか様子がおかしいぞ。

 

つい先ほどは通行止めではなかった。

急ぐ用事でもないので一旦帰宅すると、先ほど通ろうとした横山トンネル入り口で土砂崩れがあったとの全国ニュース・・・・・

 

あ!


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崩れたのはちょうどガソリン補給をしていた時だ!

恐ろしくなって今日は一日家で逼塞。

 

今日も引き続きクリュイタンスのベートーヴェン。

第1,2,4番の3曲を聴く。


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1. 交響曲第1番ハ長調 op.21
2. 交響曲第2番ニ長調 op.36
3. 交響曲第4番変ロ長調 op.60

 アンドレ・クリュイタンス

 ベルリンフィルハーモニー管弦楽団

Producers: Christfried bickenbach, Fritz Ganz, Rene Challan
Balance engineers: Ernst Rothe, Horst Lindner

録音:1958年12月(1)、1959年4月(2,3)
   ベルリン、グリューネヴァルト教会

 

まず幻に終わってしまった今年の沼響の定演の演奏曲目だった第1番から。


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明快にして古典的にすっきり整った演奏。

ハイドンのようでいて、まさにベートーヴェンの密度の濃い音楽が鳴っている。

第2番ではさらに顕著。

 

第4番は全集中で最も出来の良い名演だ。

切れ味鋭いリズムの冴えの中でベルリンフィルの引き締まった音が十分に鳴りきっている心地よさ。

あらためて聞き直してみると第2楽章の静謐さが印象に残る。

フィナーレでのファゴットソロも見事。

 

EQカーヴは4番、2番はNAB。
ところが第1番はColumbiaカーヴ。

 

Youtubeはラトル指揮ベルリンフィルのベートーヴェン、交響曲第4番

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2020年7月17日 (金)

クリュイタンスのベートーヴェン、7番と田園

再び雨模様の金曜日。

この長雨で畑の野菜がダメージを受けている。

楽しみにしていたミニトマト類は赤く色づく前にたくさん落ちてしまった。

 

コロナウイルス感染の拡大は加速度的に増加。
Go to キャンペーンは東京を外して実施。

 

昨日は梅雨の合間の晴天。

仕事は休みでカルチャースクールへ行く母を車で送りながらのクリニックへ定期通院。

 

クリュイタンスのベートーヴェンを聴いている。

ベルリンフィルとの名高い交響曲全集から数曲、イコライザーカーヴを探りながらの聴きなおし。

最初に直近で練習している第7番と名演として名高い「田園」から。

 

クリュイタンスとベルリンフィルのベートーヴェンの交響曲録音は「田園」と第7番のモノラル録音から始まった。

この2曲は後にステレオで再録音。

今日聞いたのは1960年の再録音のもの。


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・交響曲第7番 イ長調 Op.92
・交響曲第6番 ヘ長調Op.68『田園』

  アンドレ・クリュイタンス(指揮)
  ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

  録音 1960年2,3月 ベルリン グリューネルワルド教会 

 

手持のLP、CD両方のうちイコライザーカーヴを探るためにLPで聴いた。

70年代に東芝EMIが出した緑色の統一ジャケットのセラフィムシリーズ廉価盤。

7番については沼響の聴き比べコラムでも感想を書いている。

 

いずれも端正で気品のある名演だ。

 

第7番のコントラバスの細かな動きも明確。

「田園」の木管楽器にはフランスのオケのような色気も漂う。

そしてベルリンフィルの重厚な響きに浸る幸せ。

 

購入してもう40年近くを経ても未だに音は鮮明。

結局この2曲に関してはNABが一番よかった。

 

Youtubeはマタチッチ指揮N響のベートーヴェンの交響曲第7番。

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2020年7月15日 (水)

キース・ジャレット ソロコンサート

くもり時々晴れ。
異常に長かった今年の梅雨もようやく明ける兆し。

コロナ禍は東京中心に全国へ拡散の気配。

 

「キース・ジャレット・ソロコンサート」を聴く。

ECM録音のLP3枚組。


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1973年におこなわれたヨーロッパツァーのうち、ブレーメンとローザンヌでのライヴを収録したもの。

全てキースのソロによる即興演奏。

 

バッハやモーツァルトたちが日常披露していた即興演奏によるコンサートライヴ。

 

ブレーメンでは当初キースの体調不良のためキャンセルが発表された。

ところが開演予定の4時間前に突然キースが「どうしてもやりたい」と言い出したのだという。

 

急な発表で集まった客は200名ほど。

集まった僅かな聴衆の前でキースの即興演奏は鬼気迫るもの。

 

これはもうジャズやクラシックという範疇を超えている。

 

バッハのような厳格な対位法を連想させるフレーズから突然ロックやレゲェ調に展開。


ローザンヌでのライヴでは、プリペアードピアノや打楽器のようなピアノの使い方があったりと、聴いていてどこへ飛んでいくのかわからない予測不能さが凄い。

 

録音はケルンコンサートのような音のピュアさはないけれども一種粗削りな音響が演奏全体に緊張感を加えている。

 

Youtubeはキース・ジャレット、1984年東京でのアンコール

 

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2020年7月13日 (月)

本日の練習、沼響久しぶりの日曜練習

新たな週の始まりはまたもや雨。

今週も大雨の連続の予報。
いつまで続くのか・・・・・

本日休みで午前中は床屋。

午後は所用で外出。


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昨日日曜日は雨の降らない一日だった。

何日ぶりだろう。


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ポコとの散歩も久しぶり。

ヒマワリと朝顔が咲いていた。


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もう夏だ。

雲が多く快晴ではないけれど雨が降らないありがたさを思う。

 

夜は沼響久しぶりの日曜練習。


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感染対策をしながらの長時間。

曲は「フィンランディア」、歌劇「ヘンゼルとグレーテル」序曲、「威風堂々」第1番、そしてベートーヴェンの交響曲第7番。


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ホルンパートには過酷な3時間。

 

Youtubeは、「ヘンゼルとグレーテル」序曲から。リモートで演奏するバーミンガム音楽院の16人のホルン奏者たち

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2020年7月11日 (土)

クラシック・レコードコンサートの再開

曇り時々雨の土曜日
梅雨前線未だ消えず、昨晩から再び断続的に激しい雨。

曇りの合間に僅かに顔を出す太陽が眩しい。

 

昨晩は沼津市民文化センター主催のクラシックレコードコンサートの解説だった。

1月以来実に半年ぶりの再開。

この催しを始まったのは市民文化センターができた翌年の1983年。

以来35年を超える中でこれほどのブランクがあったのは初めてだ。

 

仕事を早めに終えて文化センターに行き、会場でオーディオのチェックと持参したソフトを試聴。
文化センターの職員といろいろと話しながらの準備。

文化センターではこのコロナ禍で主催事業は全て中止か延期となり、このレコードコンサートが4月以後今年最初の自主事業だという。


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今回は感染対策のため定員を絞り完全事前予約制とした。

参加者はマスク着用、入場する時には手指消毒。

休憩時間を長くとりその時は窓を開けて換気。

などなど・・・・

 

プログラムもいつもよりも短めにした。


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センター職員に聞くと受付開始二日で定員に達してかなりの人をお断りしたとのこと。

外は雨。

来られた方々は常連さんが多かった。

 

プログラムは今年のベートーヴェン生誕250年にちなんで、「運命」をメインに、同時期の作曲家にしてベートーヴェンとも接触のあったモーツァルトとシューベルトの作品の数々をベートーヴェンとの相関図を示しながらの解説。

 

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お客さんの反応はやはりいつもと違っていた。

真剣に一音一音を噛みしめながら聴いている様子が静かに伝わってくる。

 

生演奏ではないけれども、一つの音楽を不特定多数の人々と共有するこの瞬間が大切なのだ。

 

質問や意見もいつも以上に活発。

この催しは隔月開催だけれど、今までできなかった分毎月お願いしますとのご意見が出た。

ありがたいお言葉ながらこのような状況では次回の開催も流動的。

 

事情を説明して予定通り隔月の開催を告げた。

 

今回はいつもよりかなり早く終了しそうなので、アンコールとして何枚かのディスクを準備していたけれども、久しぶりの解説で調子に乗ってしゃべり過ぎた。

いささか疲れたのでそのまま終了。

 

センターを出ると空から強い雨。

次回は9月。

東京では感染者数が連続200人越えで記録更新中。

予定通りの開催ができるだろうか。

Youtubeはフランスの指揮者ロランス・エキルベイの「運命」、古楽器による演奏

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2020年7月10日 (金)

本日の練習、再開管楽器分奏

蝉が鳴き始めたというのに毎日毎日雨が続いている。
これほどの長雨は記憶にない。

線状降水帯は次第に東上。
岐阜、長野あたりにも被害が出てきている。

今日も雨。

 

木曜の夜はオケの練習。
練習再開3度目、場所は市民文化センター小ホール。

ホルン奏者下田太郎先生を招いての管楽器分奏。


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ステージ上でソーシャルディスタンスを取りながら休憩時間は完全換気。

先生はマスクとフェイスシールド着用。

曲は「フィンランディア」とベートーヴェンの交響曲第7番第1楽章。


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仕事を定時に済ませ、キッチンボルカノで焼肉ランチの夕食を済ませて会場へ。

下田先生はかつて娘もお世話になっている。

簡単なご挨拶をすると「痩せましたね」の言葉が返ってきた。
最近しばらく会っていない人からは一様に「痩せたね」の言葉をかけられる。

特にダイエットをしているわけでもなく体重もさほど変わらない。
体調も悪くはない。

思い当ることは、仕事場までの駐車場が遠くなって歩く距離が増えたことと間食をしなくなったことくらい。

 

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久しぶりの管楽器分奏は人数もそれなりに揃っていたこともあり、感覚的に日常に近い練習になってきた。

奏者間の距離が開いた分、自分の音がよく聞こえる。

その反面、遠くの楽器はほとんど聞こえない

 

最初の「フィンランディア」では冒頭のブラスの音が美しい響きで客席から帰ってきた。

自分の音しか聞こえないので皆が音程の正確さに神経を使うようになったからかしらん。

これは意外だった。

 

先生のご指導もわかりやすく、指導の後でオケの音全体に透明感が増すのがよくわかる。

 

これぞ合奏の醍醐味だ。

Youtubeはイヴァン・フィッシャー指揮コンセルトヘボウ管のベートーヴェン、交響曲第7番

 

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2020年7月 7日 (火)

ボンガルツのコダーイとクライネルトのプロコフィエフ

7月第2週に入り熊本の豪雨は九州全土に広がり未だ止まず。
ここ沼津でも数日大雨警報のまま。

 

本日休み、午前中は母の知人のパネル展を観に母を連れて千本プラザへ。

ここでかつて同じセクションでお世話になった先輩のSさんに会った。

今は新たな職場で奮闘中だとのこと。

お互いの近況やら今後のことなど。

ちょいとお疲れ気味のようだった。

 

ボンガルツのコダーイとクライネルトのプロコフィエフ

旧東欧の指揮者二人の演奏。

 

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・管弦楽のための協奏曲 :コダーイ

 ハインツ・ボンガルツ(指揮)
 ドレスデンフィルハーモニー管弦楽団

・スキタイ組曲 「アラーとロリー」:プロコフィエフ
 

 ロルフ・クライネルト(指揮)
 ベルリン放送交響楽団

 

米URANIAのLP。EQカーヴはAESで聴いた。

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コダーイの管弦楽のための協奏曲は、シカゴ響創立50周年を記念して委嘱された作品、

20世紀屈指の名作オーケストラ曲ともいえるバルトークの著名な作品よりも3年早く作曲された20分弱の作品。

 

どうしても同郷のバルトークの作品と比べてしまうので分が悪い。

 

バルトークのオケコンには膨大な録音があるのにコダーイの同曲の録音は数えるほどしかなく、自分の手持ちはこのボンガルツのほかフェレンチクとグシュルバウアーくらい。

作品の魅力としてはバルトークの曲には及ばず、今思うとほとんどコダーイのオケコンの印象は残っていない。

 

オーケストラの名人芸を競うというよりも各パートの合奏体としての魅力を引き出した作品と言えるようだ。

そしてボンガルツの演奏。

ハインツ・ボンガルツ(1894-1974)はブルックナーなどのほかシベリウスなどにも名演を残している知る人ぞ知る旧東ドイツ指揮界の名匠。

 

ドヴォルザークの交響曲第7番は素晴らしい演奏だった。

うーん、名指揮者ボンガルツにしてもさほど名曲だとは思わない。

 

カップリングはやはり旧東ドイツを中心に活動していたロルフ・クライネルト(1911~1975)」。

旧東ベルリンのベルリン放送交響楽団の音楽監督をアーベントロートから引き継ぎ、急逝したあとはハインツ・レーグナーが引き継いでいる。

 

クライネルトでは、スイトナーの「軍隊」とカップリングされて国内発売されていたハイドンの「時計」が、オケの渋い響きを生かしながら自然な音楽の流れが心地よい演奏だった。

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だがこのプロコフィエフは恐ろしく不器用な演奏。

ひょっとしてちゃんと振れていないのではなかろうか。

 

速いテンポで春の祭典ばりの野性味で迫る演奏が多い「魔人チョルノボフの踊り」など、通常の倍ぐらいの超スローモーさで凶悪さよりも気持ちの悪さと不気味さでは最右翼。

 

Youtubeはプロコフィエフの「スキタイ組曲」、ゲルギエフの指揮

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2020年7月 5日 (日)

ハロルド・バウアーのバッハとドビュッシー

曇りのち雨の日曜日。

熊本の豪雨は未曽有の大水害となってしまった。


このコロナ禍の中で被災された人たち、救助する側、救助を待つ人々の非常な苦労を思う。

 

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先月末に仕事場近くの路傍に咲いていた美しい合歓の花。

 

 

今日はハロルド・バウアー(1873- 1951)のバッハとドビュッシーを聴く。

 

RCAビクターが出していた往年の音楽家たちの録音を集めたセットもの「赤盤復刻シリーズ」からの1枚。

ブックオフで格安でバラ売りしていたものを入手。


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① 主よ、人の望みの喜びよ   :バッハ
② 月の光           :ドビュッシー
③ 天使の夢          :ルービンシュタイン
④ 子守歌           :グリーグ
⑤ ノヴェレッテ 二長調    :シューマン

  

 ハロルド・バウアー  (pf)

録音 ①1928年5月15日 ②1929年3月21日 ③1924年6月17日
   ④1942年1月9日 ⑤1929年4月8日

 

端本故に解説や録音データは付いていない。

録音年は別資料による。

 

バッハはいわゆる有名なヘス編曲ではなくバウアー自身の編曲。

このCDにはラフマニノフとバウアーの師パデレフスキーのピアノ演奏もカップリングされている。

 

ドイツ系イギリス生まれのハロルド・バウアーは10歳の時にヴァイオリニストとしてデビュー。

いわば天才少年だったのだろう。

 

当時人気絶頂だった世界的ピアニスト、パデレフスキーの勧めでピアニストに転向。

 

パデレフスキーもさして技巧派ではなかったけれどバウアーもそのような趣。

 

優しくおっとりとした芸風はヴィルトオーゾピアニストが輩出した同時代の流れの中では異色の存在だった。

 

録音はピアノロール以来数多く残されている。

映像もあるらしい。

聴くと、柔らかでふわりとした独特の音が古い録音から伝わってくる。

このしっとりした響きは他のピアニストから聞かれない独特のものだ。

 

ドビュッシーの「子供の領分」はバウアーが初演している。

ドビュッシーが想定していたのは案外バウアーのような音色なのかもしれない。

 

Youtubeはバウアーのバッハ、「主よ、人の望みの喜びよ」

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2020年7月 3日 (金)

クルツのショスタコーヴィチとプロコフィエフ

曇りのち雨、再び雨模様の金曜日。

通勤時の狩野川は一昨日の大雨の名残で水位は高い。


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雲の合間からわずかに富士山頂。

 

昨日アンチェルで聴いたショスタコーヴィッチの交響曲第1番。

 

この交響曲第1番を別の演奏でも聴きたくなって、バレエ音楽の権威ロシア生まれでグラズノフの弟子エフレム・クルツの演奏も聴いてみた。


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・交響曲第1番 ヘ短調 作品10  :ショスタコーヴィチ
・交響曲第1番 ニ長調 作品25『古典』:プロコフィエフ

  エフレム・クルツ(指揮)
  フィルハーモニア管弦楽団

  録音:1967年

 

米セラフィムのLPでプロコフィエフの交響曲第1番とのカップリング。

アンチェル盤ほどの緊迫感はないものの、天才作曲家の若書きの作品のフレッシュさと青春の息吹のようなものがリズムの冴えと躍動感から伝わってくる。

さすがの名演。

 

プロコフィエフは軽い落ち着きの中に洒落た趣のすてきな演奏だ。

EQカーヴはこちらもAES。

 

Youtubeはクルツのプロコフィエフ、交響曲第1番

 

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2020年7月 2日 (木)

アンチェルのショスタコーヴィチ、「祝典序曲」

7月、昨日は接近した寒冷前線の影響で火曜夜から大雨となり大雨洪水警報の一日。

今日は一転して梅雨の合間の晴天。

 

遠方にいる父方の従兄弟から久しぶりに電話がかかってきた。

父方の叔父叔母は全て故人となり、従兄弟たちとはすっかり疎遠になっている。
自分と同世代の従兄弟としばしの思い出話。

 

最近の小学生の鑑賞教材ではショスタコーヴィチの「祝典序曲」やグリーグの「ホルベルク」組曲などが取り上げられているらしい。

 

時代は変わったものだ。

聞けば子供たちの反応も上々だという。

 

「祝典序曲」はドナルド・ハンスバーガー編曲による吹奏楽版が非常に有名。

 

中学の時、吹奏楽部の顧問の先生と吹奏楽コンクールの全国大会を名古屋まで聴きに行った。
その時聴いた出雲第一中学の「祝典序曲」の鮮烈な演奏は、未だに頭の中に残っている。

 

その当時はオーケストラ版の録音が少なく吹奏楽版の方が圧倒的に有名だった。

 

今日はひさしぶりにオリジナルのオケ版祝典序曲を聴いてみた。

取り出したのはチェコの名指揮者カレル・アンチェルのもの。


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・交響曲 第1番 ヘ短調 作品10、
・祝典序曲 作品96

  カレル・アンチェル(指揮)
  チェコフィルハーモニー管弦楽団

【録音】1964年4月7-9日、4月20日  
    プラハ、ルドルフィヌム

 

手持ちは独逸ベーレンライターから出ていたLP。オリジナルはチェコ・スプラフォン。

 

黒光りするようなブラスの輝かしい響きに一糸乱れぬ弦楽器群。

快適なテンポで流れていくシャープで隙のない緊張感に満ちた素晴らしい演奏だ。

 

この曲で未だにこの演奏を超えるものはないと思う。

 

アンチェルの演奏は、その後国内盤LPやCD化されたものを入手したけれど、このベーレンライター盤のLPの音が最も良い。

 

カップリングされた交響曲第1番も聴いてみたが、こちらも筋肉質のぴしっと引き締まった緊張感が全曲を支配する名演だ。

EQカーヴはAES。

 

youtubeはユーリ・シモノフ指揮モスクワフィルの「祝典序曲」、絵になるような面白い指揮。

指揮者しか映していないのも納得

 

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