舘野泉のグリーグ、日本フィル分裂前の最後の録音
薄曇りの一日。気温は高く今日も真夏日。
静岡市では37.1度を記録。
今朝寝苦しくて4時に目が覚めた。
市内の小中学校は今日から遅い夏休み。
今春の長期休校のため実質10日間ほどの休みらしい。
お盆の帰省ラッシュもなく夏の風物詩、高校球児の甲子園大会もない。
社会に広がる閉塞感。
コロナウイルスの感染者は県内でも増え続けてしだいに身近に迫ってきている。
舘野泉のグリーグを聴く。
東芝EMIから出ていた「北欧の叙情シリーズ」から。
・ピアノ協奏曲 イ短調 :グリーグ
・ロマンス・ハ長調
・ピヒラヤの花咲く時
・孤独な樅の木
・ポプラ
・白樺
・樅の木
・ワルツ
・ 踊りの歌
・ マズルカ
・ロンドレット
・ 即興曲
・ キャプリス
・あやめ
・北方のリンネ草
・金魚草
・つりがね草
・村の教会
・ロマンチックな情景 :以上 シベリウス
舘野泉(ピアノ)
オッコ・カム(指揮)
日本フィルハーモニー管弦楽団
録音:1972年4月3,4日 埼玉会館ホール
この時にはラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」も録音。
70年代初め、舘野泉は精力的に幅広いレパートリーの録音を残している。
中でも当時ほとんど国内で未開拓の分野だった、シベリウスのピアノ作品やパルムグレンなど、
北欧の作曲家のスペシャリストとしての扱いが濃厚だった。
舘野泉のクールな叙情と切れの良いテクニックは北欧のイメージにぴったり。
このグリーグも同様の演奏だ。
カラヤン国際指揮者コンクールに優勝したばかりのフィンランドの俊英、オッコ・カムの指揮も若々しい。
1972年と言えば、日本フィルがフジテレビと文化放送との放送契約が打ち切られ、日本フィルと新日本フィルと分裂してしまった年。
放送局からの通告が3月、そして分裂が6月。
このグリーグはちょうどその時期の録音。
この録音の一週間後の日本フィル定期では、このメンバーでブリテンのピアノ協奏曲を取り上げている。
大変な時期なのに、集中力のある見事なアンサンブルを聴かせている日本フィルの演奏も感動的だ。
この録音は分裂前の日フィルのほとんど最後の録音だと思う。
Youtubeは舘野泉の弾くカッチーニのアヴェマリア、左手のための吉松隆版
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