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2020年8月 5日 (水)

アブラヴァネルのチャイコフスキー

8月に入り猛暑到来。
蝉の声も大きくなって、夜になっても止むことはなし。

 

ガレージの改修で宿を失ったツバメたちは、いつの間にか姿を消してしまった。

改修中にも交代で近くに寄ってきて、こちらをじっと見たりしていた。


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ツバメにも人と同じような感情が有り、仲間同士お互いにコミュニケーションをとっているようだった。

来年再び帰ってきて子育てをして欲しい。

 

 

アブラヴァネルの指揮でチャイコフスキーの交響曲全集から。

 

モーリス・アブラヴァネル(1903-1993)はギリシャ生まれ。
幼き頃、スイスのローザンヌで名指揮者アンセルメと同じ家に住み、指揮者としてのキャリアの初期にはブルーノ・ワルターのアシスタント。

そして長い間、アメリカ、ユタ州ソルトレイクシティにあるユタ交響楽団の音楽監督を務めていた。

 

その間、アメリカの中堅レコードレーベルVangurdやVOXに膨大な量の録音を残している。

 

交響曲全集だけでも、思いつくままにベートーヴェン、ブラームス。チャイコフスキー、シベリウス、マーラーなど。
特に1963年からほぼ10年をかけて録音したマーラーは、バーンスタインやクーベリック、ハイティンクと並ぶ偉業。

シベリウスも透明な響きの中で淡々と歌い上げた秀演だった。

 

管弦楽曲もいろいろな作曲家をほぼ網羅的に録音していたが、日本国内でアブラヴァネルの演奏はほとんど紹介されていない。

 

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国内盤で思い浮かぶのは、キング・レコードから出ていたルロイ・アンダーソンの曲集ぐらい。

あれはずいぶんとドライで生真面目な演奏だった。

 

ネットの評判を見ると、マーラーの演奏などには、オケの下手さの指摘が大多数を占めているけれども、自分はさほど気にならない。

 

モルモン教の総本山であるソルトレイクシティに本拠を置くユタ響は、巨額の援助を受け資金力もあり、奏者の待遇も良いとも聞く。

むしろこれほど多彩なレパートリーを、一様に高い水準で演奏できるのは凄いことではなかろうか。

 

ロシア音楽でも味のある演奏を聴かせ、イッポリトフ=イワーノフの「コーカサスの風景」はアブラヴァネル以上の演奏を知らない。

 

そしてこのチャイコフスキー。
924

・交響曲第2番ハ短調 Op.17『ウクライナ』
・交響曲第5番ホ短調 Op.64
・マンフレッド交響曲 Op.58
・スラヴ行進曲 Op.31
・序曲『1812年』Op.49
・交響曲第6番ロ短調 Op.74『悲愴』
・交響曲第1番ト短調 Op.13『冬の日の幻想』(第1~3楽章)
・交響曲第1番ト短調 Op.13『冬の日の幻想』(第4楽章)
・交響曲第3番ニ長調 Op.29『ポーランド』
・幻想曲『フランチェスカ・ダ・リミニ』Op.32
・交響曲第4番ヘ短調 Op.36
・幻想序曲『ハムレット』Op.67a
・幻想曲『ロメオとジュリエット』

  モーリス・アブラヴァネル(指揮)
  ユタ交響楽団

          録音:1972~73年
             ソルトレイク・シティ、モルモン・タバナクル

 

有名な後期3大交響曲よりも、第2番「ウクライナ」、第3番「ポーランド」の演奏が秀逸。


小細工をせずに曲自体に語らせるのはアブラヴァネルの良いところ。

ある種バレエ組曲のような趣のこの2曲を卓越した手腕でサラリとべとつかず面白く聞かせる技はさすがの腕前だ。

 

 

Youtubeはアブラヴァネル指揮の「コーカサスの風景」から「村にて」

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