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2020年9月に作成された記事

2020年9月30日 (水)

ライテルのコダーイ

本日快晴、朝の気温は下がり長袖で出勤。

 

月曜に初冠雪を観測した富士山の雪は溶けていた。


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今日はスロヴァキアの指揮者にして作曲家ルトヴィート・ライテルの指揮でコダーイ、スメタナなど。

 

伊RCAのLPでライテルとスロヴァークで3曲ずつの収録。


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・交響詩「モルダウ」    :スメタナ
・春のささやき       :シンディング
・歌劇「ドンナ・ディアナ」序曲  :レズニチェク*
・序曲「謝肉祭」       :ドヴォルザーク*
・バレェ「エクセルシオール」 : マレンコ*
・ガランタ舞曲        :コダーイ

 

  ルドルフ・ライテル (指揮)
  ヴァツラフ・ヴァーレク  (指揮)*
  スロヴァキアフィルハーモニー管弦楽団

 

スロヴァキアフィル と言えば名指揮者ヴァツラフ・ターリヒの設立とされているけれども、実際はターリヒとライテルの共同設立。
初代首席指揮者もターリヒとライテルで分けあっている。

 

スロヴァキアフィルの紹介記事のひどいものでは、名高いターリヒのみでライテルの名のないものがあったりする。

 

実際にはライテル はターリヒが去った後も1961年まで首席指揮者を勤め、スロヴァークに後進を譲った後1971年まで指揮者陣に名を連ねていた。

 

いわばライテルはスロヴァキアフィルの基礎を築き上げた最大の功労者。

 

ちなみにスロヴァキアフィルとの録音が非常に多いコシュラーは首席指揮者にはなっていない。

 

ライテルの録音は比較的多く、ブラームスの交響曲全集のほかモーツァルトやベートーヴェンもあるけれど、ほとんどマイナーレーベルの録音。

 

最大の遺産としてはフランツ・シュミットの交響曲全集。


他にはNAXOSにツェムリンスキーの交響曲録音もある。

 

このLPにカップリングされたスロヴァークは、ライテルの次のスロヴァキアフィルの首席指揮者。

こちらはNAXOSへのショスタコーヴィチの交響曲全集の他多数の録音。

 

 

そしてライテルのこの演奏。

 

「モルダウ」では外面的な効果を狙わずひたすら地味。

枯れた老人の朴訥な話を聞くような味わい。

 

シンディングでは一転した若々しくも清々しい音楽が鳴り響く。

 

最も感銘を受けたのはコダーイ。

微かに郷愁を誘うローカルななつかしさの中に純音楽的な品格の高さを感じさせる演奏だった。

 

これは大指揮者デ・サーバタ以来の名演だ。

 

EQカーヴはNABで聴いた。

 

Youtubeはライテル作曲、木管五重奏曲第1番から第3楽章

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2020年9月28日 (月)

フルトヴェングラー、ローマの「エロイカ」

秋晴れの月曜日。
9月の最後の週に入り富士山平年より二日早く初冠雪。

 

出遅れの彼岸花は今が盛り。
120220674_3377478732371490_6232948337350 朝は町内のゴミ当番。
ふだん挨拶程度の近所の人たちと久しぶりに長話。

 

最近ゴミステーションに出てくる新聞紙の量がかなり少なくなった。
新聞を取る家庭がめっきり減ってきているからだろう。

 

「私も新聞を止めました。ネットニュースで足りてるし。 
でも時々新聞紙がないと困るときもあるわ」とお隣のご婦人。
確かにネットニュースの方が早いけれども記事の深さと正確さでは新聞の比ではない。

 

自分も長い間、新聞は取っている。
一時は2紙購入していた時もあったけれども最近じっくり読む機会は減った。
時には目を通さない日もあったりして部屋の隅に溜まる一方だ。

 

などのとりとめのない話を近所の人たちと・・・。

 

 

 

 

今日はフルトヴェングラーのベートーヴェンを聴く。

 

フルトヴェングラーの晩年、1952年のイタリアに客演した時のライヴ録音で、オケはローマのイタリア放送交響楽団。

 

Img_20200925_232122 ・交響曲第3番 変ホ長調 「英雄」

 

 ウイルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)
 ローマ・イタリア放送交響楽団

 

 1952年1月19日  ローマ、ライヴ

 

同日スカルピーニのピアノでベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番も演奏していて、録音もある。

 

この年のフルトヴァングラーは1月にローマ、3月にトリノのそれぞれのイタリア放送局交響楽団に客演。放送局オケだったために録音も残っている。

 

このエロイカの初出は、1974年に米Olympicレーベルが今まで存在が確認されていなかった交響曲第2番を含めた、史上初のフルトヴェングラーのベートーヴェン交響曲全集が発売された時だった。

 

この全集は大変な話題となり同じ年には日本フォノグラムから国内盤も出た。
Dsc01446_20200929122701 だが注目の第2番は実際にはエーリッヒ・クライバーの演奏だということが判明。
この全集はたちまち姿を消してしまった。

 

この時の騒ぎは今でもはっきり覚えている。

 

この国内盤全集は今手元にある。

 

昨年ハードオフのクラシックジャンクもの大量放出時に見つけて驚喜して購入したもの。

 

今日聴いたのはこの全集からではなく伊Cetra盤LP。
こちらも同じくハードオフのジャンク100円均一コーナーから。

 

大きく極端にテンポが揺れるフルトヴェングラーの他のエロイカとはかなり異なる雰囲気の演奏。

 

フィナーレのコーダ直前の長い音延ばしとその後の突然のパウゼなど、フルトヴェングラーの他の演奏からは聴かれない解釈が興味深いもの。

 

ただ聴いていて演奏になんとなく力がない。

 

フルトヴェングラーの演奏に特徴的なデモーニッシュな凄みが希薄で、時代の古さのみが前面に出ている。

 

録音はフルトヴェングラーのライヴ録音の中では良好な部類。

 

演奏終了後の聴衆の熱狂的なブラボーも収録。

 

youtubeはフルトヴェングラーのブラームス、交響曲第4番のリハーサル

 

 

 

 

 

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2020年9月27日 (日)

アーノルドのイギリス舞曲集

雨のちくもり、午後から晴れ。

九月最後の土日は雨模様。

気温も下がりそろそろ長袖の季節。

 

4連休あたりから車の数が増えてきて家の近くの国道は昨年並みの混雑。

 

昨日東京ではコロナ感染者が200人越え。
夏のバカンスシーズンを終えて爆発的に患者数が増えたヨーロッパの二の舞にならなければ良いのだが。

 

昨日は家内と洋食屋「まろん」で昼食。


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ここは古くからある店だけれども知人からの評判を聞いて初めての来訪。

 

開店早々に行ってみた。

初めてだとちょっと戸惑うような普通の民家風の入り口。

 

店内は意外に広くてメニューも豊富。

私はポークステーキ定食、家内は一番人気の手造りハンバーグ定食。


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寡黙で職人肌の初老のご主人が一人で切り盛りをしている。

 

開店直後なので他の客はなし。

 

トンテキは厚い豚肉に程よく火が通りソースには微かにマスタードのテイスト。

ハンバーグ定食は、外見は似ているけれどもソースの味は全く異なっていた。

 

いずれも手練れの本格的な洋食。

食後のコーヒーも今まで味わったことのない香り豊かな逸品だった。

 

 

今日は20世紀イギリスの作曲家、マルコム・アーノルドによるイギリスの舞曲集。

演奏はアンドリュー・ペニー指揮のクイーンズランド響によるNAXOS盤CD。


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・イングランド舞曲集 Set 1 Op.27
・イングランド舞曲集 Set 2 Op.33
・4つのスコットランド舞曲集 Op.59
・4つのコーンウォル舞曲集 Op.91
・4つのアイルランド舞曲集 Op.126
・4つのウェールズ舞曲集 Op.138

  アンドリュー・ペニー(指揮)
  クイーンズランド交響楽団   

   録音:1995年12月

 

「クワイ河マーチ」で知られるアーノルドの、イギリスのカントリー4つにコーニッシュを加えた5つの地方をテーマした気の利いた舞曲集。

イギリスの各地方の特色を織り交ぜながら、アーノルドは民族的な親しみやすい小曲を書き上げた。

 

ブラスが活躍する吹奏楽的な雰囲気が満載。

それでいて弦楽器によるしっとり感も織り交ぜていて変化に富んでいるので聴いていて飽きない。

 

各曲は数分ほどの短いものだけれども、それぞれ個性的な特徴があって滅法楽しい。

ペニー指揮による演奏は軽く爽やかに演奏しているのが良い。

 

ペニーにはアーノルドの交響曲全集録音もあり、中でも交響曲第9番の録音には作曲者自身が立ち会っている。

アーノルドのスペシャリストと言ってよいだろう。

どこか懐かしさの感じられる曲だと思っていたら金管バンド版のCDが手持ちにあった。

 

こちらの金管バンド版の田舎風の骨っぽさに比べると、ペニー盤は都会的な洗練された趣。

どちらが良いかではなく、イギリスで盛んな工場労働者による金管バンドの雰囲気を伝えるハワース盤とともに存在価値を誇りうるもの。

アーノルドがもっと聴きたくなって手持ちのデーターベースを確認したら、サー・チャールズ・グローヴスの演奏もあってこちらもかつてコメントを残していた。


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また聴いてみよう。

 

Youtubeはアーノルドのスコットランド舞曲

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2020年9月25日 (金)

エリック・テン=ベルクのベートーヴェン、「皇帝」

曇りのち雨。


今日は漁港のある沼津南端の戸田地区へ行っていた。


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昼食は「の一食堂」。

2階席からは戸田港が良く見える。


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ここではいつもは日替わり定食にするのだけれど、なんとなくフライものが食べたくなってフライ定食。


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ごく普通のフライ定食を食べていると、臨席の男性二人の客がオーダーした日替わり定食が運ばれてきた。

 

そこには巨大で生きの良いアジのたたきと刺身。

運んできた店のおばちゃんが「今日は大きな良いアジが入りました・・・・」

横目で見てちょっと後悔。

 

エリック・テン=ベルクのピアノでベートーヴェンを聴く。

曲はピアノ協奏曲第5番「皇帝」

手持ちは伊fabriのLPで、オリジナルは独Ariola音源。

国内では日本コロンビアが発売した家庭向けの廉価盤シリーズの中に、アルトゥール・ローター指揮する「第九」などと一緒に出ていた。


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・ピアノ協奏曲第5番「皇帝」

 エリック・テン=ベルク(ピアノ)
 フリッツ・リーガー(指揮)
 ミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団

 

テン=ベルクErik Then-Bergh (1916-1982)はドイツのピアニスト。

コンサートピアニストとしてのデヴュー時期が第二次世界大戦の始まった時期と重なってしまった、という不運な人。

 

グラモフォンに残した録音の集成がCD化されたりしていたけれど、マックス・レーガーという玄人向けの作曲家のスペシャリストだったりしたので、ピアニストとしては知る人は少ないのではなかろうか。

ネットで検索してもアンチェル指揮のブラームスのピアノ協奏曲第1番くらいしか現役盤がヒットしない。

ほかにはフルトヴェングラーのピアノと管弦楽のための幻想曲などもあった。

実に渋い。

戦後はミュンヘン音楽大学で長い間教鞭を取っていたので、日本人の弟子は比較的多いようだ。

 

そしてこの「皇帝」。

粒立ちのはっきりした美しいピアノの音。

多少線の細さは感じられるけれども、端正にして奇をてらった部分が皆無の正統派のベートーヴェン。

聴いていて、「あぁ名曲だなぁ・・」と素直に感じられるのが良い。

 

リーガーの指揮は完全に黒子に徹していて無難としか思えない出来。

さすがにこれでは感銘が浅い。

凡庸な伴奏だ。

 

これはピアニストを聴く1枚。

 

Youtubeはテン=ベルクの弾くショパン、作品62-1の夜想曲。一種病的な不思議な演奏です。1942年録音

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2020年9月23日 (水)

ハロルド・バーンズのドビュッシー

くもりのち雨。

今年は彼岸花が咲くのは遅く、お彼岸も終わりだというのにようやく小さな芽が出てきた程度。
気温が下がり夜は半袖では肌寒いほど。

接近中の台風はどうやら逸れるようだ。

 

ハロルド・バーンズのドビュッシーを聴く。

伊IGrandi ConcertiのLPで、カサドシュの弾く「映像」第1集とのカップリング。
いずれもモノラル録音。

 

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・「遊戯」

 ハロルド・バーンズ(指揮)
 ベルリン放送交響楽団
 録音 1953年

・映像第1集
 ロベール・カサドシュ (ピアノ)
 録音 1951年

Harold Byrns(1903 - 1977)はドイツの指揮者にして作曲家。

エーリッヒ・クライバーやレオ・ブレッヒの助手としてドイツの歌劇場で修業。
1933年代にイタリアへ移住の後にアメリカへ居を移したのはユダヤ系だったからだろう。
この時本名のハンス・ベルシュタインからハロルド・バーンズに改名している。

活動の場はほぼアメリカが中心となり映画音楽やミュージカルの作曲や編曲を数多く手がけている。この点同じユダヤ系作曲家のコルンゴルドに似ている。

バルトークの「弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽」の世界初録音はバーンズ。

このCapitolの米盤LPは架蔵済み。
LPのA面はチャベスやミヨーの打楽器のための曲がフェリックス・スラットキンの指揮でカップリングされていて、むしろそちらがメインの扱いだった。


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マーラーの初期の歌曲やミュージカルのオーケストレーションなども手掛けていて、マーラーの曲はシノーポリも取り上げている。
いわばオールマイティの才人。

バーンズはステレオ録音を残しても良い世代なのに、上記の弦チェレのほかは協奏曲の伴奏指揮くらいしか見当たらない。

 

このドビュッシーは1953年の録音。

バーンズが戦後ヨーロッパの歌劇場やオケに数多く客演していた時期の録音で、ベルリンのRIAS放送が収録した放送録音だと想像する。

 

演奏は繊細にして緻密、ミステリアスな雰囲気も漂う名演だった。

オーケストレーションの妙を知り尽くしたバーンズの芸風は、ドビュッシーのような色彩豊かなフランス音楽において最大の強みを発揮していたのではなかろうか。

もっとバーンズの演奏を聴いてみたい。

 

録音はモノラルながら非常に良い。

EQカーヴはNABで聴いた。

 

カップリングされているカサドシュの「映像」は、録音年から推測するとコロンビアへのスタジオ録音とは別。

肉厚で黒光りするような太めの音と、着実な足取りのしっとり落ち着いた風情の巨匠の音楽を聴くことができる。

 

Youtubeはバーンズ指揮のドビュッシー、「遊戯」

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2020年9月21日 (月)

ギブソンの「惑星」

晴れのち曇り。

敬老の日の月曜日。


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朝、ポコを連れて散歩に出ると富士山が黒く影絵のように浮かんでいた。

昨晩雨が降ったためか、いつもより大きく見えた。

 

昨日は母と義父母を招いてふぐが旨い「吟水」でランチ。


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岳父と「久保田」の冷酒を飲みながら、松茸の土瓶蒸しなど上質な秋の味覚を堪能。

このコロナ禍でも店は満席。

ひと足早い敬老の日。


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今日は午前中に母を連れて大叔母の眠る裾野市のお寺まで墓参り。

ついでに寄った親戚の家では年寄りの長話に付き合って2時間ほど。

帰りに妻の実家に立ち寄り、ここでも昨日の続きの長話。

その後、回る寿司屋で遅い昼食の後に帰宅すると午後3時を回っていた。

 

 

本日はホルストの誕生日ということで「惑星」

スコットランドの指揮者サー・アレクサンダー・ギブソン(1925~1995)の演奏で聴いた。

英国シャンドス原盤の日本コロンビア発売のLP.

 

ギブソンは晩年にN響に客演。

テレビで見たそのコンサートは、メンデルスゾーンの「スコットランド」とハイドンの交響曲第104番「ロンドン」。

そしてアン・アキコ・マイヤースのソロでバーバーのヴァイオリン協奏曲というセンスの良いプログラミングのコンサートだった。

地味そのものの堅実な芸風ながら、なぜか長く心に残る演奏だった。

 

そしてこの「惑星」


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 サー・アレクサンダー・ギブソン(指揮)

 スコティシュ・ナショナル管弦楽団、合唱団

  

 録音 1979年 11月 グラスゴー・ヘンリーウッドホール 

 

「惑星」初のデジタル録音として知られるもの。

 

渋く冷静な大人の「惑星」。

近代オーケストラを駆使したスペクタクルな効果を意図的に避けているかのような、地味だけれど奥深い味のある名演。

このタイプの演奏では最も成功した演奏だと思う。

 

深く沈潜していく“火星"、“天王星"では、スケルツォ的な華やかさをうまく演出。

オケも優秀、幾分翳のある渋めの音がギブソンの解釈とうまく合う。

 

なおこのLPの解説には初版を使用と書いてあるけれども、通常版とどの部分が異なるのかよくわからない。

“火星"強奏部分のサウンドが聞き慣れぬ響きだった。

これはスコアを見ながらまた聴いてみよう。

 

Youtubeはギブソンが得意としていたシベリウス、「カレリア」序曲

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2020年9月19日 (土)

クーベリック、シカゴ響との「我が祖国」

曇り気温は高く今日も30度超え。
四連休初日の土曜日。自分は故あって出勤。

コロナ禍に関係し新たなプロジェクトが立ち上がり自分が深く関与する破目に。

セミリタイアの身なれど使えるものは何でも使おうということらしい。
自分が以前から温めていた案件でもあり、まさかここで日の目を見るとは思わなかった。

 

夕方、県内に住む娘がお彼岸の墓参りのため帰省。

 

シカゴ響時代のクーベリックをLPでもっと聴きたくなった。

 

取り出したのは「我が祖国」全曲。
クーベリックの同曲録音中、5種あるうちの最初のもの。

 

先日聴いた「展覧会の絵」と同じアーティストギャラリーシリーズから。

 

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・連作交響詩『わが祖国』

 ラファエル・クーベリック(指揮)
 シカゴ交響楽団
 
  録音:1952年12月

 

第1曲「高い城」 から聴く
冒頭のハープからして良い音だ。

演奏はクーベリックの曲への深い思い入れがストレートに出ているもの。

豪快にして起承転結の明確な音楽運びの中に大きな広がりもあり、お国ものという以上に説得力のある名演。

中でも突進的にしてシャープなリズムが緊迫感を盛り上げる第3曲の「シャールカ」が傑出した出来。

 

録音の明瞭度は「展覧会 の絵」よりも落ちる。

どうやらEQカーヴはNABではないようだ。

 

Youtubeはクーベリック指揮チェコフィルの「我が祖国」全曲、1991年の来日公演

 

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2020年9月18日 (金)

クーベリックの「展覧会の絵」

昨晩遅くから断続的に強い雨。
明けて金曜は朝からなま温かな強い風が吹いた一日。

最高気温も30度を超えた。

 

今日はクーベリックの指揮する「展覧会の絵」を聴いていた。

クーベリック若き日のシカゴ響音楽監督時代の録音。

 

手持ちはフィリップス名義で日本フォノグラムから出ていたアーティストギャラリーシリーズ中の1枚。

オリジナルは録音の優秀さで話題になった米マーキュリーによるワンポイントマイクによる録音。

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・組曲「展覧会の絵」

 ラファエル・クーベリック (指揮)  

 シカゴ交響楽団
  

   録音  1951年 4月27日 

 

速いテンポで駆け抜ける爽快な演奏。

各曲の性格の描き分けも見事でフレッシュな中にも老成した熟達の味わい。

 

「ヴィードロ」の音を短く区切ったチューバソロや「古城」でのヴィヴラートタップリのサクソフォンはユニーク。

「チュイリー」ではロマンティックな音の揺れを効かせ「卵の殻の中のヒヨコ」での軽妙なリズムなども絶妙。オーボエソロの微妙なルバートなど、聴いていて思わずニヤリとさせられるほど。

 

冒頭のプロムナードからべらぼうにうまいトランペットソロは、首席就任3年目のアドルフ・ハーセス ではなかろうか。

「カタコンブ」突入寸前のトランペットの速いパッセージなど驚異的な正確さだ。

シカゴ響のライナーとの録音では、トランペットの音がブラス全体の中にまろやかに溶け合っていたが、ここではソリスティックな動きが顕著に出ている。

 

「ババヤーガの小屋」での小気味良い打楽器群や「キエフの大門」でのフォルティシモの中でも埋没しない内声部、シンバルのトレモロの繊細さなど、モノラルながらなんら不満を感じさせない音。

昨今のデジタル録音のような音ではないけれど、バランスの良い明瞭な録音だ。

EQカーヴはNAB。

Youtubeはショルティ指揮シカゴ響の来日公演での「展覧会の絵」。ここでのトランペットソロもハーセス。

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2020年9月16日 (水)

アルトゥーロ・ローターの「エロイカ」

くもり、朝のち雨。
最近夜になると遠い山から鹿の鳴き声が聞こえてくる。

鹿は秋の季語。

 

今日の夜はベートーヴェン。
「エロイカ」を聴く。

アルトゥーロ・ローター指揮のベルリン交響楽団による演奏。
手持ちはイタリアFABRIシリーズのLP。

本家のドイツではOPERAレーベルの廉価盤で出ていた。


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ローターはフルトヴェングラーとほぼ同世代のドイツの指揮者。

ワーグナーと直接関係の深かったハンス・リヒターやモットルといった歴史的な指揮者の下でバイロイト音楽祭のアシスタントを務め、後にデッサウ市立歌劇場、ベルリン・ドイツオペラの音楽監督。ベルリン放送響の音楽監督。

録音はローカルな歌手を起用したオペラ抜粋あたりが多く、あまり表に出ない縁の下の力持ち的なイメージの指揮者。

 

比較的有名なのは、ギーゼキングをソリストに迎えた戦時中のオリジナルステレオ最初期のベートーヴェンの「皇帝」録音くらいではなかろうか。

これは高射砲の発砲音が聞こえることで有名なもの。

 

自分の他の手持ちでは「皇帝」のほかベートーヴェンの「第九」、様々な作曲家の作品を集めたオペラ合唱曲集。
そしてグルックやフンパーディンクらのオペラ序曲を集めたものなど。

ローターの他のベートーヴェンの交響曲録音は「エロイカ」と第九のほかは第1番と第8番があるようだ。

 

ベルリン交響楽団は東西ドイツ統一前には東と西にひとつずつあった。

ザンデルリンクが率いていた東ベルリンのそれはかなり水準も高かったが、西ベルリンのベルリン響は録音を聴く限りセミクラシック的な軽い曲が多かったように思う。

 

この「エロイカ」のオケはどちらかよくわからない。

この録音を聴く限りでは、ローターの職人的で確かな手腕が光り、なかなか高水準の演奏を聴かせてくれる。

よく聞くと「第九」同様、ティンパニのトレモロや木管楽器にホルンを重ねたりと、譜面にはかなり手を加えている。

 

ただそれがマーラー版や近衛版のベートーヴェンのように、明らかに全体の響きまで変わってしまったものとは異なり、密かに隠し味的に使われていて、これが絶妙な効果を上げている、

 

そのような中で、フィナーレの終盤でホルンにヴァイオリンの速い上昇音型を重ねているのには仰天した。

その他フィナーレでの突然のブレーキなど、ところどころ驚きの解釈はあるものの、

中庸のテンポの中で各声部も明瞭、奥行きも余韻も十分に保ちながら充実したベートーヴェンが鳴り響いている。

 

これは隠れた名演だ。

 

Youtubeは「フィデリオ」を指揮するローター

 

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2020年9月14日 (月)

シゲティのプロコフィエフ、ヴァイオリン協奏曲第1番

令和の世は思いがけない激動の時代。
社会が大きく変化する中でも時間の流れは不変。

9月も半ば、夏は次第に遠ざかり蝉の声も遠くなってきた。

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今日は20世紀を代表するヴァイオリニスト、ヨゼフ・シゲティのプロコフィエフ、ストラヴィンスキー、バルトークの作品を集めたアルバム。

日本フォノグラムが出していたアーティストギャラリーシリーズの1枚。

 

・ヴァイオリン協奏曲 第1番      :プロコフィエフ
・ヴァイオリンとピアノのための協奏二重奏曲 :ストラヴィンスキー*
・ヴァイオリンソナタ第2番       :バルトーク*

    ヨゼフ・シゲティ    (ヴァイオリン)
   ハワード・メンゲス   (指揮)
   ロンドン交響楽団
   ロイ・ボーガス(ピアノ)*

        録音 1960年6月、1959年*

 

まさにシゲティ自身が係わりを持った20世紀作曲界の巨匠3人の作品。

プロコフィエフはシゲティが演奏したことによって真価が認められ、バルトークの作品はシゲティと作曲者との録音も残されているほど。

 

美しく歌うヴァイオリンというイメージを超越した孤高のヴァイオリニスト、シゲティ。

ひとつひとつの音に力と魂が籠った厳しい音の連続だ。

 

まさに命を懸けたような入魂の演奏に襟を正したくなる思い。

プロコフィエフの第2楽章スケルツォでの変幻自在に変化するシゲティの音色。

 

この曲はかつて沼響の定演で演奏した。

聴いていてこんな凄い曲だったのかと思う。

メンゲス指揮ロンドン響の伴奏も見事なものだ。

ハワード・メンゲスの残された録音は伴奏 ばかりだけれど、どれも非常に良い

 

Youtubeは樫本大進の弾くプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1盤第2楽章、ラトル指揮のベルリンフィル

 

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2020年9月12日 (土)

ズスケのベートーヴェン

曇り一時雨の土曜日。


夜はだいぶ涼しくなった。


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金曜の夜は文化センターで再開後2回目のクラシックレコードコンサートの解説。


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定員を絞って完全申し込み制。

マスク着用、休憩時間には換気。

 

プログラムは今回もベートーヴェン。


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名ヴァイオリニスト、カール・ズスケの弾くヴァイオリン協奏曲を中心に取り上げた。

 

地味ながらじっくり丁寧に美しく仕上げた演奏。

最初、オケに対して音量が小さいのではないかと思ったけれども、伴奏のオケとの一体感は他の演奏では聴かれないもの。

 

さりとてオケに埋没していないのが見事。

 

あたかもベートーヴェンのもうひとつの交響曲を聴くようだ。

 

秋の夜に美しいベートーヴェンだった。

 

Youtubeはズスケのヴァイオリンでシュポアの「ヴァイオリンとハープのためのソナタ」

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2020年9月10日 (木)

オーマンディのR.シュトラウス

曇りのち雨。


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朝、狩野川からの富士山には傘雲、そしてその横にはつるし雲。

古くから言い伝えは的中して午後から雨。

 

このコロナ禍で沼響の練習が思うようにできなくなり、毎週木曜夜はオケ練習のルーティンが消滅。

一週間のアクセントがなくなってしまった。

 

仕事を終えて帰宅後聴いたのはオーマンディのR.シュトラウス。

CBSソニーから出ていた2枚組のLPで交響詩を2曲。

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・交響詩「ツァラトウストラはかく語りき」

・交響詩「英雄の生涯」*

 ユージン・オーマンディ (指揮)
 フィラデルフィア管弦楽団

 録音 1963年2月3日、1960年12月15日*

 

「ツァラトウストラはかく語りき」はオーマンディの3種ある録音のうち最初のもの。

「英雄の生涯」は4種あるうちの2番目のもの。

名人揃いのオケが鳴り切っていて壮大にして雄渾、精緻に磨き上げた音響の渦はまさにフルオーケストラを聴く醍醐味。
各楽器のソロも非常にうまい。

 

「英雄の生涯」のクライマックスの頂点で、「ドン・ファン」のテーマが鳴り響く部分など鳥肌が立ってきた。

オーマンディの職人技が最高の形で現われた名演だ。

 

EQはColumbiaカーヴがぴたりとハマり、部屋を揺るがす重低音からキラキラと輝くフィラデルフィア管独特の高音までが、見事なバランスで空間を拡散していく。

 

このLPはCBSソニーが会社の草創期に2枚組2500円で出していたシリーズ。

今でも普通に見かける盤だけれどカッティングレベルが非常に高く、音が良いので見つけ次第ダブり買いを承知でも購入している。

この数年後に出たオーマンディの1300円LPシリーズと比べて音は格段に良い。

 

Youtubeはウエルザー=モスト指揮クリーヴランド管による「英雄の生涯」

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2020年9月 9日 (水)

ルイ・ド・フロマンのシャブリエ

本日快晴。今朝の狩野川河川敷からの富士。

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夜から雨。

9月も第2週に入り夜は涼しくなってきた。
昨日までは台風10号由来の雨雲が停滞して一時激しい雨。

月曜は休みでなじみのクリニックで定期検査。
血液検査や血圧など、各種検査値は良好だったけれど最近睡眠不如意で日中全身が怠い。

 

クリニックの帰りにはDIYショップで棚板を買って、室内に整理棚を作ったりしていた。

 

シャブリエのオーケストラ曲を聴く。

伊ファヴリのLPでハードオフのジャンクもの放出品の1枚。


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・歌劇「グヴァンドリーヌ」序曲

・楽しい行進曲

・歌劇「ポーランドの祭り」からスラヴ舞曲

・狂詩曲「スペイン」

・田園組曲

 ルイ・ド・フロマン (指揮)
 ルクセンブルク放送管弦楽団

おそらく米VOXがオリジナル。


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縦の線をきっちり合わせた精密な演奏ではないけれども、おもちゃ箱をひっくり返したようなガシャガシャした喧騒感がなんとも魅力的な演奏。

軽く薄くチープな音がシャブリエの音楽にはぴったりだ。

EQカーヴはAES。

聴いているうちに数年前に急逝した大学の同級生を思い出した。

「グヴァンドリーヌ」序曲は彼のお気に入りの曲で、小エッセイを書いたりしていた。

 

Youtubeはコステラネッツが黄金時代のシカゴ交響楽団を振ったシャブリエの狂詩曲「スペイン」の珍しい映像。


トランペットの神様、アドルフ・ハーセスが若い!オケのアンサンブルの精度が凄い。

 

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2020年9月 6日 (日)

オイストラフ父子のバッハ

巨大台風10号が沖縄、九州方面に接近中。

ここ沼津でもときおり台風由来の激しい雨。

 

昨日はほぼ丸1日を費やして不要品の片付け。

古い本をダンボールで7箱分ほどを処分。

片付けているうちに古い電源コード類やACアダプター、文房具類が大量に出てきた。
コード類は特殊なものも多く、もうどの器具で使ったのかもわからなくなっている。

やはりゴミとして出すしかないのだろうか。

 

今日もバッハ。


オイストラフ父子の演奏で聴く。


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・2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調 BWV.1043 :バッハ
・2つのヴァイオリンのための協奏曲イ短調 Op.3-8   :ヴィヴァルディ

 ダヴィド・オイストラフ(ヴァイオリン)
 イーゴリ・オイストラフ(ヴァイオリン)

 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
 フランツ・コンヴィチュニー(指揮)

  録音:1957年

独逸ETERNAのLPでコンヴィチュニーの指揮に惹かれて購入。

表示にSTEREOとあるので、ETERNAのLP独特の黒光りするような良い音を期待した。

 

ところが聴いてがっくり。

 

高音寄りのキンキンした音しか出てこない。

EQカーヴをいろいろいじってもダメ。

はじめアンプのどこか故障したと思い、いろいろといじってみた。

それでもだめ。

思わずレコードジャケトに目を落とす。

独逸語のジャケットには1957年の文字。

その下にMONO,、STEREOの文字が読み取れるけれど独逸語の意味がわからない。

 

ネットで検索するとオリジナルはモノラルであることがわかった。

疑似ステレオだったのだ。

ETERNA盤で疑似ステレオは初めて見た。

音はまざに出来の悪い疑似ステレオ特有のフラフラした音像。

ジャケットではおそらくモノラルをステレオ化したようなことが書かれているのだろう。

 

かなり落ち着きを乱す音で、演奏の真価はよくわからない。

これはオリジナルモノラルで聴くべきだろう。

 

ちなみにオイストラフ父子はステレオでこの2曲をETERNAに再録音している。

伴奏はグーセンス指揮のロイヤルフィルで1961年録音。

バッハのみヘリオドールの国内廉価盤で架蔵済み。

Youtubeはバッハの「2つのヴァイオリンのための協奏曲」

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2020年9月 4日 (金)

バッハのオーボエ・ダ・モーレ協奏曲

9月最初の週末、超大型台風の接近に福井で比較的大きな地震。


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世間の喧騒を他所に今朝の狩野川河川敷からの富士。

蒼い空に秋の雲。


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小学校の校庭では子どもたちが準備体操中。


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今日はバッハ。

ヘルムート・ヴィンシャーマンの一連のバッハ録音から。

 

ヴィンシャーマンは何度か実演を聴くことができた。
プログラムはカンタータやブランデンブルク協奏曲その他のほとんどバッハだった。

 

演奏は実に見事で、会場全体にほっかりとした暖かさの漂う演奏会だったと記憶している。

あるステージで、終演後に幼い子どもがステージまで駆け寄った様子を覚えている。

ヴィンシャーマンのお子様だったのかな・・

どうやらヴィンシャーマンは現在100歳を超えてご健在らしい。

 

独逸CANTATE原盤の日本コロンビアのLPから.


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・フルート、ヴァイオリン、オーボエのための協奏曲 ニ長調 BWV.1064
・オーボエ・ダ・モーレ協奏曲 イ長調  BWV.1055

 ハンス・ユルゲン・モーリンク (フルート)
 ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル (ヴァイオリン) 
 ヘルムート・ヴィンシャーマン(オーボエ、オーボエ・ダ・モーレと指揮)
 

ドイツ・バッハ・ソリステン

   録音 1962年

この2曲の原曲はチェンバロ協奏曲。

 

バッハの一連のチェンバロ協奏曲の大部分は、他の楽器のための協奏曲やカンタータのシンフォニアやアリアからの流用。

BWV.1064は、3台のチェンバロのための協奏曲第2番ハ長調からマックス・ザイフェルトの編曲。

BWV.1055はイ長調のチェンバロ協奏曲第4番からヴァインシャーマンのアレンジ。

 

BWV1064は疑作の説もあるけれど、原曲は3つのヴァイオリンのための協奏曲とされている。

ここでは3つのヴァイオリンではなく、割り振られた旋律の音の高い順に、フルート、オーボエ、ヴァイオリンを当てはめている。

 

BWV1055は原曲はオーボエ・ダ・モーレのために書かれたという説が有力。

実際聴いてみると、チェンバロ協奏曲としてよりもオーボエ・ダ・モーレ協奏曲の方が明らかに良いと思う。

名手ハインツ・ホリガーも名演を残している。

 

この2曲ではやはりオーボエ・ダ・モーレ協奏曲が秀逸。

明るく爽やかな冒頭の部分など一度聞くと忘れられない。

 

ネットで検索したら7年前の自分の記事がヒット。

同じ時期に同じ曲が聴きたくなるものらしい。

 

Youtubeはオーボエ・ダ・モーレ協奏曲、ベルリンフィルの名手達による演奏

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2020年9月 3日 (木)

バレンボイムのベートーヴェン、ピアノソナタ集

厚く暗い雲の合間に時おりのぞく青い空。
忘れた頃に強い雨が降りそそぐ1日。

気温は高く新潟で9月観測史上初の40度。

南の海からは巨大台風が接近中。

 

今日は仕事で沼津の戸田地区へ行っていた。


要件を済ませて昼食は「の一食堂」でアジの塩焼き定食。


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ぷっくらとよく肥えた地物のアジが一尾。

 

今日はバレンボイムの弾くベートーヴェンのピアノソナタから、作品10の3つのソナタ。

2つあるバレンボイムのベートーヴェンピアノソナタ全集録音から、古い方のEMI盤。

 

手持ちは伊EMIのLP.


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・ピアノソナタ第5番 ハ短調 Op10-1

・ピアノソナタ第6番 ヘ長調 Op10-2

・ピアノソナタ第7番 ニ長調 Op10-3

  

  ダニエル・バレンボイム (ピアノ)

  録音:1966-1969年、ロンドン、アビイロード・スタジオ

 

バレンボイムのベートーヴェンのピアノソナタは映像での全集もあり、かつてBSで放送されていた。

この時、幾分粘りのある力強い音と構成力豊かな堂々たる演奏が非常に良いと思った。

 

このEMI盤も完成度は非常に高い。

 

この頃のバレンボイムのいくぶん気負いの感じられるスタイル、それでいて適度な遊びもあってベートーヴェン初期の意欲作と見事にシンクロしているようにも思える。

映像でも感じたことだけれども右手と左手の音楽の受け渡しが実に自然、聴いていて安心感の覚えるベートーヴェン。

中でも第7番が作品の出来もあって最も聴きごたえがあった。

 

バレンボイムのベートーヴェンでは、70年代の半ばころにFMで聴いた「エロイカ」のライヴを今でもはっきり覚えている。

そこにはフルトヴェングラーの演奏をそのままコピーしたような音楽が鳴っていた。

だがフルトヴェングラーの音楽の深さは全く感じられなかった。

 

バレンボイムの指揮は実演で2度ほど聴いたけれど、ピアニストとしてのバレンボイムの方が私は好きだ。

 

Youtubeはバレンボイムの弾くベートーヴェン、ピアノソナタ第15番

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2020年9月 2日 (水)

パウリクのウィンナワルツ、コンサートホール盤

晴れ、夜から雨。


9月に入り夜は多少過ごしやすくなった。


 


只今家の断捨離実行中。


使わなくなった家具類、道具類に農具類。



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そしてこの際思い切って昭和初期までの古い書籍の一部を処分することにした。


実用書類、叔父達が読んだ旧制中学、大学時代の円本などの小説類や古い文庫類、外国語の副読本は状態も悪いので処分。



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価値があるかどうかはともかく我が家の歴史を感じさせるもののみを残すことにする。



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大叔母が女学校教師時代に使った教科書類、明治期の書籍、大正昭和初期の教科書や「文藝春秋」あたりは残すことに。



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大正から昭和初期にかけての「中央公論」は引取先が見つかった。


古い漫画類は残すことにした。



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自分が買った本でも古い文庫類は字も小さいので処分。



ぱらぱらとページをめくり仕分けしているうちに、拾い読みしたい誘惑にかられる。



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ぐっとこらえて処分用の紙袋に放り込んでいく。


 


 


今日はウィンナワルツ。


ウィーンで活躍したアントン・パウリクの指揮でウィーンにゆかりのある作曲家たちの作品を集めたもの。


手持ちはコンサートホール・ソサエティのLP.



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・ポルカ「うわ気心」(J.シュトラウス)


・円舞曲「ロマンティックな人々」(ランナー)


・シャンペン・ポルカ(J.シュトラウス)


・円舞曲「バーデンの娘たち」(コムザーク)


・ポルカ「ハンガリー万歳(J.シュトラウス)


・円舞曲「スケートをする人々」(ワルトトイフェル)


・ポルカ「雷鳴と電光」(J.シュトラウス)


・円舞曲「オーストリアの村つばめ」(J.シュトラウス)、


・円舞曲「シェーンブルンの人々」(ランナー)


  アントン・パウリク(指揮)
  ウィーン国立歌劇場管弦楽団


 


コンサートホール・ソサエティのウィンナワルツ集では、スワロフスキーやクリップスの指揮したものが中古市場やリサイクルショップあたりでよく見かけるけれど、このパウリクのコンサートホール盤はほとんど見かけない。


 


パウリクは米ヴァンガードにウィーン国立歌劇場管を振ってまとまった数のウィンナワルツを録音している。


一時まとまった量の国内盤CDが出たことがあり、瀟洒にして鄙びたティストがなかなか良くて集めたことがあった。


 


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このコンサートホール盤の録音は、ヴァンガード盤のひなびた雰囲気はなくて洗練されたウィンナワルツ


レハール、コムツァーク父、イヴァノヴィッチなど多彩なワルツを堪能できるアルバム。


 


シャンパンポルカの意表を突く擬音も楽しい。


 


Youtubeはパウリク指揮の「アンネン・ポルカ」


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