バッハのオーボエ・ダ・モーレ協奏曲
9月最初の週末、超大型台風の接近に福井で比較的大きな地震。
世間の喧騒を他所に今朝の狩野川河川敷からの富士。
蒼い空に秋の雲。
小学校の校庭では子どもたちが準備体操中。
今日はバッハ。
ヘルムート・ヴィンシャーマンの一連のバッハ録音から。
ヴィンシャーマンは何度か実演を聴くことができた。
プログラムはカンタータやブランデンブルク協奏曲その他のほとんどバッハだった。
演奏は実に見事で、会場全体にほっかりとした暖かさの漂う演奏会だったと記憶している。
あるステージで、終演後に幼い子どもがステージまで駆け寄った様子を覚えている。
ヴィンシャーマンのお子様だったのかな・・
どうやらヴィンシャーマンは現在100歳を超えてご健在らしい。
独逸CANTATE原盤の日本コロンビアのLPから.
・フルート、ヴァイオリン、オーボエのための協奏曲 ニ長調 BWV.1064
・オーボエ・ダ・モーレ協奏曲 イ長調 BWV.1055
ハンス・ユルゲン・モーリンク (フルート)
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル (ヴァイオリン)
ヘルムート・ヴィンシャーマン(オーボエ、オーボエ・ダ・モーレと指揮)
ドイツ・バッハ・ソリステン
録音 1962年
この2曲の原曲はチェンバロ協奏曲。
バッハの一連のチェンバロ協奏曲の大部分は、他の楽器のための協奏曲やカンタータのシンフォニアやアリアからの流用。
BWV.1064は、3台のチェンバロのための協奏曲第2番ハ長調からマックス・ザイフェルトの編曲。
BWV.1055はイ長調のチェンバロ協奏曲第4番からヴァインシャーマンのアレンジ。
BWV1064は疑作の説もあるけれど、原曲は3つのヴァイオリンのための協奏曲とされている。
ここでは3つのヴァイオリンではなく、割り振られた旋律の音の高い順に、フルート、オーボエ、ヴァイオリンを当てはめている。
BWV1055は原曲はオーボエ・ダ・モーレのために書かれたという説が有力。
実際聴いてみると、チェンバロ協奏曲としてよりもオーボエ・ダ・モーレ協奏曲の方が明らかに良いと思う。
名手ハインツ・ホリガーも名演を残している。
この2曲ではやはりオーボエ・ダ・モーレ協奏曲が秀逸。
明るく爽やかな冒頭の部分など一度聞くと忘れられない。
ネットで検索したら7年前の自分の記事がヒット。
同じ時期に同じ曲が聴きたくなるものらしい。
Youtubeはオーボエ・ダ・モーレ協奏曲、ベルリンフィルの名手達による演奏
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コメント
ヴィンシャーマンが100歳のご長寿、おめでたいですね。大フィルのマタイを聴いて6年になるのは時の流れの速さを感じます。20年前にも倉敷でマタイを聴き、CDにもなりました。高齢になってから単身でよく日本を訪れるようになったのは子供か孫の配偶者などに日本人がいたからでしょうか。「バッハは楽しく活き活きと」という信条どおり、暖かくもキビキビした音楽づくりが印象に残っています。
投稿: ぶりちょふ | 2020年9月 5日 (土) 15時16分
ぶりちょふさん。
ヴィンシャーマンの奥様は日本の方のようです。
何度も来日していて沼津のような地方都市にも2回ほど来てくれました。
一度はバッハのカンタータと自身がオーボエを吹いての協奏曲。
もう一度はブランデンブルク協奏曲のみのコンサートでした。
長身のヴィンシャーマンがオーボエを吹きながら指揮していた様子が今でも目に浮かびます。
投稿: 山本晴望 | 2020年9月 6日 (日) 20時33分