フルトヴェングラー、ローマの「エロイカ」
秋晴れの月曜日。
9月の最後の週に入り富士山平年より二日早く初冠雪。
出遅れの彼岸花は今が盛り。 朝は町内のゴミ当番。
ふだん挨拶程度の近所の人たちと久しぶりに長話。
最近ゴミステーションに出てくる新聞紙の量がかなり少なくなった。
新聞を取る家庭がめっきり減ってきているからだろう。
「私も新聞を止めました。ネットニュースで足りてるし。
でも時々新聞紙がないと困るときもあるわ」とお隣のご婦人。
確かにネットニュースの方が早いけれども記事の深さと正確さでは新聞の比ではない。
自分も長い間、新聞は取っている。
一時は2紙購入していた時もあったけれども最近じっくり読む機会は減った。
時には目を通さない日もあったりして部屋の隅に溜まる一方だ。
などのとりとめのない話を近所の人たちと・・・。
今日はフルトヴェングラーのベートーヴェンを聴く。
フルトヴェングラーの晩年、1952年のイタリアに客演した時のライヴ録音で、オケはローマのイタリア放送交響楽団。
ウイルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)
ローマ・イタリア放送交響楽団
1952年1月19日 ローマ、ライヴ
同日スカルピーニのピアノでベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番も演奏していて、録音もある。
この年のフルトヴァングラーは1月にローマ、3月にトリノのそれぞれのイタリア放送局交響楽団に客演。放送局オケだったために録音も残っている。
このエロイカの初出は、1974年に米Olympicレーベルが今まで存在が確認されていなかった交響曲第2番を含めた、史上初のフルトヴェングラーのベートーヴェン交響曲全集が発売された時だった。
この全集は大変な話題となり同じ年には日本フォノグラムから国内盤も出た。 だが注目の第2番は実際にはエーリッヒ・クライバーの演奏だということが判明。
この全集はたちまち姿を消してしまった。
この時の騒ぎは今でもはっきり覚えている。
この国内盤全集は今手元にある。
昨年ハードオフのクラシックジャンクもの大量放出時に見つけて驚喜して購入したもの。
今日聴いたのはこの全集からではなく伊Cetra盤LP。
こちらも同じくハードオフのジャンク100円均一コーナーから。
大きく極端にテンポが揺れるフルトヴェングラーの他のエロイカとはかなり異なる雰囲気の演奏。
フィナーレのコーダ直前の長い音延ばしとその後の突然のパウゼなど、フルトヴェングラーの他の演奏からは聴かれない解釈が興味深いもの。
ただ聴いていて演奏になんとなく力がない。
フルトヴェングラーの演奏に特徴的なデモーニッシュな凄みが希薄で、時代の古さのみが前面に出ている。
録音はフルトヴェングラーのライヴ録音の中では良好な部類。
演奏終了後の聴衆の熱狂的なブラボーも収録。
youtubeはフルトヴェングラーのブラームス、交響曲第4番のリハーサル
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