エリック・テン=ベルクのベートーヴェン、「皇帝」
曇りのち雨。
今日は漁港のある沼津南端の戸田地区へ行っていた。
昼食は「の一食堂」。
2階席からは戸田港が良く見える。
ここではいつもは日替わり定食にするのだけれど、なんとなくフライものが食べたくなってフライ定食。
ごく普通のフライ定食を食べていると、臨席の男性二人の客がオーダーした日替わり定食が運ばれてきた。
そこには巨大で生きの良いアジのたたきと刺身。
運んできた店のおばちゃんが「今日は大きな良いアジが入りました・・・・」
横目で見てちょっと後悔。
エリック・テン=ベルクのピアノでベートーヴェンを聴く。
曲はピアノ協奏曲第5番「皇帝」
手持ちは伊fabriのLPで、オリジナルは独Ariola音源。
国内では日本コロンビアが発売した家庭向けの廉価盤シリーズの中に、アルトゥール・ローター指揮する「第九」などと一緒に出ていた。
・ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
エリック・テン=ベルク(ピアノ)
フリッツ・リーガー(指揮)
ミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団
テン=ベルクErik Then-Bergh (1916-1982)はドイツのピアニスト。
コンサートピアニストとしてのデヴュー時期が第二次世界大戦の始まった時期と重なってしまった、という不運な人。
グラモフォンに残した録音の集成がCD化されたりしていたけれど、マックス・レーガーという玄人向けの作曲家のスペシャリストだったりしたので、ピアニストとしては知る人は少ないのではなかろうか。
ネットで検索してもアンチェル指揮のブラームスのピアノ協奏曲第1番くらいしか現役盤がヒットしない。
ほかにはフルトヴェングラーのピアノと管弦楽のための幻想曲などもあった。
実に渋い。
戦後はミュンヘン音楽大学で長い間教鞭を取っていたので、日本人の弟子は比較的多いようだ。
そしてこの「皇帝」。
粒立ちのはっきりした美しいピアノの音。
多少線の細さは感じられるけれども、端正にして奇をてらった部分が皆無の正統派のベートーヴェン。
聴いていて、「あぁ名曲だなぁ・・」と素直に感じられるのが良い。
リーガーの指揮は完全に黒子に徹していて無難としか思えない出来。
さすがにこれでは感銘が浅い。
凡庸な伴奏だ。
これはピアニストを聴く1枚。
Youtubeはテン=ベルクの弾くショパン、作品62-1の夜想曲。一種病的な不思議な演奏です。1942年録音
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