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2020年10月18日 (日)

ダウンズのレスピーギ、「ベルファゴール」序曲のことなど

昨日からの雨は夜明け前には上がる。

気温は低く、富士山は冠雪。

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午後は畑作業。

ブロッコリーと白菜を植えた。

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イギリスの指揮者エドワード・ダウンズ(1924-2009)の演奏を聴く。

CHANDOSへの一連のレスピーギ録音から。

 

長らくコヴェンドガーデン王立歌劇場の指揮者だったダウンズは、その晩年視力を失い、
さらには難聴となっていった。

不治の病となった夫人とともに尊厳死を選んだことで知られる。

 

オペラ畑での活動が主だったダウンズだが、そのキャリアの末期に主にCHANDOSレーベルにBBCフィルを振って近代作曲家たちのまとまった数の録音を残している。

このレスピーギもそのひとつ。


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・歌劇「ベルファゴール」序曲
・トッカータ~ピアノと管弦楽のための
・3つのコラール
・スラヴ幻想曲~ピアノと管弦楽のための

  エドワード・ダウンズ(指揮 )
  BBCフィルハーモニー管弦楽団
  ジェフリー・トーザー(ピアノ)

  録音1994年1月

 

ダウンズの残されたレスピーギ録音はCDで4枚。

「ローマ三部作」や「リュートのための古風な舞曲とアリア」のような有名な曲は録音せずに、全てマイナーな管弦楽曲や協奏的な作品ばかり。

いずれも高水準の演奏で残されているのがありがたい。

収録されている作品は、いずれもレスピーギの手慣れて多彩なオーケストレーションが楽しめる。

「ベルファゴール」とコラール以外の2曲は自由な形式のピアノ協奏曲。

 

「ベルファゴール」はレスピーギの珍しいオペラ。

最近日本で全曲初演されている。

 

「3つのコラール」は、バッハのコラールプレリュードをレスピーギがそのままオーケストラ編曲したもの。

最初の曲は弦楽のみ。
2曲目は管楽器中心の比較的小編成の曲で3曲目はフルオーケストラによる壮大なもの。

いずれもよく知られたメロディなので聴いていてすんなり入ってくる。

だが有名なストコフスキーの編曲とはさほどの違いは感じられない。

シェーンベルクやウェーベルンのバッハ作品の編曲が見事に作曲家の個性が反映されているのとは対照的だ。

 

このアルバムの他の曲を聴いていて感じたのは、古い時代の作曲家の作品やグレゴリオ聖歌などの素材を巧みにアレンジして卓越したオーケストレーションでまとめ上げるレスピーギの技量の高さ。

これはレスピーギの他の著名な作品でも同じだと思う。

 

「スラヴ幻想曲」は最初どこがスラヴ風なのかさっぱりわからなかった。

ところが途中でドヴォルザークのスラヴ舞曲がそのままの形で出てきて、思わずのけ反った。

ともあれダウンズの演奏は実に見事。
ピアノもうまい。

 

気軽な気持ちで近代オーケストラの多彩な響きを楽しめる一枚だ。

 

Youtubeはレスピーギ編曲のバッハ、パッサカリア

 

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