ベーム、最晩年のモーツァルト
流れる風に金木犀の香り漂う金曜日。
晴れた空に涼しい風。
秋が深まってきた。
狩野川越しに見える富士山の山肌はくっきり、そして微かに赤かった。
まさに刻露清秀。
今日は仕事を早めに終わらせてクリニックで定期検診。
インフルエンザの予防接種も所望したけども今は65歳以上限定とのこと。
ベーム最晩年のモーツァルトを聴く。
手持ちはグラモフォンの国内盤LP。
ベームの追悼盤として出たもの。
・交響曲第29番イ長調 K.201 (186a)
・交響曲第35番ニ長調 K.385『ハフナー』*
・フリーメイソンのための葬送音楽 K.477 (479a)*
カール・ベーム(指揮)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1979年3月、1980年6月*
ウィーン、ムジークフェラインザール
80も半ばを過ぎたベーム最晩年のモーツァルト。
B面の「ハフナー」から聴いた。
青春の輝きと老いとの共存。
長い間に数多くのモーツァルトを演奏し続けたベームとウィーンフィルの到達点。
レガート多用、遅めのテンポだけれども音楽は弛緩していない。
第3 楽章で響きに多少のだぶつきが感じられるとはいえ、指揮者とオケがお互いにいつまでも演奏を終わらせたくないようにも思える。
この第3楽章最後での長い音の極端な引き延ばしは、まさに後ろ髪を引かれるようだ。
最後の「フリーメイソンの葬送音楽」は鬼気迫るような慟哭の音楽。
コントラファゴットの深い響きは心の奥底を抉られるよう。
「ハフナー」の一年前の録音の29番はだいぶ音楽に張りと艶が感じられた。
テンポの揺れは こちらの方が大きかった。
EQカーヴはAES.
Youtubeはベームの「ハフナー」
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