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2020年11月に作成された記事

2020年11月30日 (月)

ルイージのヴェルディ、序曲前奏曲集

この土日で寒くなってきた。明日から師走。
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昨年不作だった畑の蜜柑類が今年は鈴生り。


 


とりわけ樹齢50年近くの蜜柑が今年は沢山の実をつけた。


 


古い品種なので小粒で酸味も強いけれども、毎年ジュースにして大量消費。



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レモンもネーブルも虫は付いているけれども順調だ。



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収穫の秋。


 


イタリアの指揮者、ファビオ・ルイージのヴェルディを聴く。


ヴェルディのほとんどのオペラの序曲、前奏曲18曲を集めたCD2枚組


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「ヴェルディ:序曲、前奏曲、管弦楽曲集」


 


1. 運命の力 [7:52]
2. アイーダ [11:37]
3. ドン・カルロ [17:03]
4. 仮面舞踏会 [4:08]
5. シチリアの晩鐘 [8:52]
6. 椿姫 [4:35]
7. スティッフェリオ [10:10]
8. ルイーザ・ミラー [5:45]
9. レニャーノの戦い [9:31]
10. 海賊 [2:60]
11. 群盗 [5:06]
12. マクベス [3:25]
13. ジョヴァンナ・ダルコ [7:42]
14. エルナーニ [2:51]
15. エルサレム [5:30]
16. ナブッコ [7:12]
17. 一日だけの王様 [5:25]
18. オベルト [6:55]


 


  ファビオ・ルイージ(指揮)
  フィルハーモニア・チューリッヒ



  録音:2017年1月 スイス、ドルナッハ、ゲーテアヌム


 


全編に漂う歌心、トスカニーニのような強靭なカンタービレではなく幾分さわやかな趣なのはチューリッヒのオケの特性か。


 


それでいてヴェルディ特有のドスの利いた凄みも感じさせるのが良い。


「ドン・カルロ」はバレエ音楽付きの珍しいヴァージョンを使用。


 


Youtubeはルイージ指揮スカラ座フィルのR.シュトラウス「英雄の生涯」の終結部


 


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2020年11月27日 (金)

ノイホルトのニーベルングの指輪

晴れのち曇り。11月最後の金曜日。

 

昨日仕事は休みで畑のサツマイモを試し掘り。

サツマイモは以前肥料をやりすぎて栽培に失敗した経緯があり、以後肥料は控えている。

 

今年もツルが盛大に繁茂。
このツルの茂り具合を見て嫌な予感。
また栄養がそちらに回って肝心の芋本体は小さいかもしれない。

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芋を掘りだしてびっくり。
白い!
比較的まともな大きさだったけれども白いサツマイモは初めて見た。

 

ネットで検索すると。シロユタカと黄金千貫という二つの品種がヒット。

 

シロユタカはでんぷん生産用の品種で青果には向かないという否定的なコメント。

 

一方の黄金千貫も似たようなもので、主に芋焼酎の原材料のようだ。

 

苗を園芸ショップで贖った時においしいサツマイモだと勧められたのだが。

実際食べたらどうなんだろうか?

 

 

通勤の車中のカーステレオでオーストリアの指揮者、ギュンター・ノイホルト指揮のリング全曲を聴いている。

2年ほど前にamazonで2千円を切る値段で入手したCD14枚組。

 

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・ニーベルングの指輪 全曲

 

  ギュンター・ノイホルト(指揮)
  カールスルーエ・バーデン州立歌劇場管弦楽団
  ジョン・ヴェーグナー(Br)
  エドワルド・クック(T)
  ウォルフガング・ノイマン(T)
  カルラ・ポール(Sp)
  オレグ・ブリュヤック(Br)ほか

 

     録音 1993~1995年、

 

ドイツの中規模地方都市の歌劇場での上演記録。

 

このようなワーグナーの超大作の全曲を家の中でじっと集中して通して聴くのはかなりの覚悟がいるのでカーステレオでのながら聴き。

 

この歌劇場はワーグナーの信奉者で「パルシファル」の初演者だったヘルマン・レヴィや「ニーベルングの指輪」の最初のバイロイト上演で副指揮者を務めたフェリックス・モットル、他にバイロイトの常連だったカイルベルトなど、錚々たるドイツ系のオペラハウス叩き上げの猛者たちが歴代の音楽監督に名を連ねている。

 

ドイツ日常の歌劇場の雰囲気を伝えている中にも手慣れた気配も感じられるのはワーグナー上演の伝統が脈々と受け継がれているからだろうか。

歌手も手堅く堅実な実力者を揃えているようだ。

 

演奏は奇を衒わない充実したワーグナー。

 

聴き慣れた有名どころの曲の中には他に優れた演奏はいくらもあるけれども、音楽の流れの中で各々のモチーフが自然に浮き上がってはさりげなく消えていくのが良い。

 

聴衆の反応も熱狂的。

 

Youtubeはノイホルトの指揮するワーグナー楽劇「パルシファル」から聖金曜日の音楽。スペイン、ビルバオ市のオーケストラ。

オーボエ首席は渡辺恭子さんです。

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2020年11月25日 (水)

シッパーズのプロコフィエフ

雨のち晴れ、朝のうち細かな雨。

昨日、高校時代の恩師の訃報が入ってきた。

先生は自分が在学中の吹奏楽部の顧問で、その暖かな人柄と教養の深さで多くの人たちの尊敬を受けていた。

数年前に有志と先生の喜寿のお祝いの会を開いたことが昨日のように思い起こされる。

大変お世話になりました。
ご冥福をお祈りいたします。

 

アメリカの指揮者トーマス・シッパーズ(1930-1977)を聴く。

シッパーズの生年はマゼール、カルロス・クライバーと同じ。
その前後の指揮者にはハイティンクやプレヴィン、アバドらがいる。

シッパーズについてはイタリア放送局が制作したドキュメンタリー映像が残されている。

 

このシリーズには他にアバド、小澤征爾、メータのほか長老ヴィットルド・グイも取り上げれていて、かつてレーザーディスクの国内盤が発売されていた。

かなり以前に見たおぼろげな記憶では、シンシナティ交響楽団に就任した時の映像から始まっていた。
そこには地元シンシナティ市民の熱烈な歓迎の様子が、シッパーズの死に先立ち同じ癌により世を去った美しい夫人とともに紹介されていた。

 

シッパーズはアメリカの指揮者としてもバーンスタインに次ぐ世代の指揮者として期待され、若い頃からオペラを中心に精力的なレコーディングをおこなっていた。

ベルリンフィルにも客演し、弱冠33歳にしてバイロイトにも登場。
1967年の大阪国際フェスティバルのバイロイト引っ越し公演で来日し、「ワルキューレ」を振っている。

同世代の指揮者の大部分は既に故人となってしまったけれども、シッパーズも長命していれば世界の指揮者サーキットの中でも間違いなく同様な役割を果たしていたと思う。

 

シッパーズのコンサートピースの録音としてはサミュエル・バーバーの管弦楽曲集が印象深い。

 

今日聴いたのはシッパーズの生涯最後のポスト、シンシナティ交響楽団音楽監督時代の録音、シューベルトの交響曲第9番(第8番)グレートと呼ばれるハ長調の交響曲。

 

VOXへの録音で手持ちはVOX盤とイタリアファブリのLPがあるけれども今回はイタリア盤で聴いた。

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・交響曲第9番 ハ長調

  シンシナティ交響楽団

第一楽章冒頭の超スローモーな開始に吃驚する。
このまま最後までいったらと心配になってしまうほど。

主部に入ってから猛烈な加速。

後半の二つの楽章の音楽の力漲る推進力が素晴らしい。

EQカーヴはNABがうまく嵌らずRIAAで聴いた。

 

もう一枚はEMIへの録音でプロコフィエフの交響曲第5番。

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・交響曲第5番 変ロ長調 

 フィルハーモニア管弦楽団

 録音:1957年

手持ちは東芝セラフィムの国内盤。


こちらはColumbiaカーヴがピタリと決まった。

かなり以前から聴き込んでいた演奏だが、各楽器の細部の動きと微妙なニュアンスが明瞭になり、あらためてシッパーズの力量を感心した次第。

この時シッパーズは27歳。

若々しいフレッシュでパンチの効いた音楽運び、オケを十二分にドライヴして豪快に鳴らす技はとても20代の指揮者とは思えない。

 

シッパーズのEMI録音の大部分はオペラ録音だが、このプロコフィエフのレコーディングがいかなる理由で実現したのか知りたいところ。

Youtubeはシッパーズ指揮するベルリオーズ、「クレオパトラの死」。ソプラノがギネス・ジョーンズ

 

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2020年11月23日 (月)

ヴェロニク・ディエッチのモーツァルト

昨晩からの強風交じりの雨は朝には止み、富士山頂付近はうっすらと雪。


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日中は気温が上がり良い天気。

今日はフランスのソプラノ、ヴェロニク・ディエッチ(VERONIQUE DIETSCHY)のモーツァルトを聴く。
Adesから出ていたCD。

 

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・クロエに寄す K. 524 1.
・ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いたとき K. 520
・魔術師 K. 472
・おいで、いとしのツィターよ K. 351
・孤独に K. 391
・すみれ K. 476
・老婆 K. 517
・満足 K. 473
・ドイツ軍歌 「私が皇帝になったら」 K. 539
・別れの歌 K. 519
・寂しい森の中で K. 308
・私の胸は喜びに高鳴る K. 579
・自由の歌 K. 506
・鳥よ、年ごとに K. 307

  ヴェロニク・ディエッチ (ソプラノ)
  ジェフ・コーエン  (ハンマー・フリューゲル)

安定した歌唱、晩秋にふさわしいしっとりと落ち着いた気配漂うモーツァルト。

ハンマー・フリューゲルの古雅な響きも良い雰囲気だ。

 

マンドリン伴奏のために書かれたと言われる第4曲「おいで、いとしのツィターよ」 K. 351では伴奏がギターのような面白い効果を上げていた。

 

評判の良いディエッチのドビュッシーも聴きたくなった。


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Youtubeはディエッチの歌うドビュッシー、「美しき夕暮れ」

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2020年11月22日 (日)

Go to トラベル、そしてバッハのカンタータ第34番のことなど

今年最後の三連休が始まった。
雲は多いけれども暖かで風の無い日曜日。

 

この3連休は下の娘と合流してちょっとした家族旅行を計画。
Go to なんとかを利用して宿と往復の交通チケットも確保していた。

 

ところがここ数日のコロナの急速な感染拡大。
先週あたりからその傾向は見え始め、これはヤバいかなと迷っていた矢先の数日前からの爆発的な感染者数の増加。
ここ静岡県でも連日の記録更新。

 

結局、旅行をキャンセルすることにした。

 

宿のキャンセル料は想定範囲内のものだったが、JRのキップはトク50で買った場合は取り消し手数料がなんと50%!

 

結局、キャンセル料だけでそこそこの宿に泊まれる金額になってしまった。orz

 

 

政治家達はこの感染爆発はGo toトラベルとの関連性はないと主張しているけれど、日本医師会長の発言の方がよほど説得力がある。

 

関連がない根拠を示してもらいたいものだ。

 

 

昨日土曜日はオフになったので、お隣の植木屋さんにお願いしていた庭石と植木類の移動の立ち会いなど。

 

今日は家内とスシローに出かけていた。

 

開店早々の時間に店内に入り、いつもは100円皿をセレクトしてオーダーしているけれども今日は半ばヤケになって短い時間の間に300円皿を夫婦で暴れ食い。
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帰りに立ち寄った「伊豆 村の駅」には湘南、横浜など関東圏の車が多数。
遠くは岐阜やなにわナンバーも。

 

混んではいたものの、皆さんなんとなく遠慮がちの表情。
感染リスクを背負いながらのショッピングが表情に表れていた。
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その後「ららぽーと沼津」に対抗?して改装なった清水町の大型ショッピングモール「サントムーン柿田川」では印象派絵画風の美しい紅葉を見ることができた。

 

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本日、沼津で初のクラスター発生。

いよいよ身近になってきた。

 

 

今日はバッハを聴く。

 

ヘウムート・リリングの指揮でカンタータを2曲。

リリングの偉業バッハ、カンタータ全集中の1枚。

手持ちは日本コロンビアが出していたLP
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・カンタータ第34番 「おお永遠の火、おお愛の源よ」BWV34
・カンタータ第74番 「人もしわれを愛せば、わが言を守らん」BWV74*

  ヘレン・ドナート (ソプラノ)*
  ヘレン・ワッツ (アルト)
  ヒルデガルト・ラウリヒ (アルト)*
  アダルベルト・クラウス (テノール)
  ウォルフガング・シェーネ (バス)
  フィリップ・フッテンロッヒャー (バス)*

  シュトゥットガルト・ゲッヒンゲン聖歌隊
  シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム
  ヘルムート・リリング (指揮)

 

この2曲はいずれもトランペットが大活躍の壮麗な曲。

34番はブラームスも愛したという傑作カンタータで、現在ブラームスが実際に演奏した演奏譜が残されている。

 

そこには原典にないオルガンパートと、フルートとオーボエ各2本が加えられている。

ブラームスがフルートとオーボエを加えたのは主にトランペットパートを振り替えるためで、バッハの時代には容易であった高音域を楽に出せるトランペットの奏法が絶えてしまったことを想像させるもの。

 

リリングは当然ながら原典版を使用。
ここでのトランペットの妙技が聴きものだ。

74番も同じくトランペットが入る。

曲はカンタータ第59番の楽器の振り分けを変えた改作。
編成はこちらの方が大きい。

 

いすれも演奏は質実剛健

BWV.74は低音ゴリゴリのバスのアリアをはじめとした多彩なアリアが印象深い。

 

EQカーヴはffrr。

 

Youtubeはバッハのカンタータ第34番

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2020年11月20日 (金)

Tーボーンコンチェルト

曇りのち雨。
気温は高く、夕方の気温は20度


朝、出勤時に車を走らせていると空から何かが降ってきた。
駐車場に到着してみると車のボンネットに巨大な鳥のフン。


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まさに高高度精密爆撃。

朝から嫌な予感。

帰宅するときにフンは雨に流されていた。

 

コロナ感染第3波はこれまでとは桁違いの勢いで拡散中。
東京は500人を突破、ここ静岡でも一昨日は過去最高の感染者数。

この3連休に計画していた宿泊を含むいくつかの予定は急遽中止にすることにした。

しばらく静かにしていよう。

 

今日は北欧の作曲家による吹奏楽を聴いた。

オランダの作曲家ヨハン・デ・メイ(1953-)の作品など。

Amstel Classicsから出ているCDでデ・メイとデンマークの作曲家スーレン・ヒルデガード(1962-)の作品。


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・コンチネンタル序曲
・マドゥローダム
・Tボーン・コンチェルト*   

          (以上 ヨハン・デ・メイ)
・マルシェ・アメリカーナ
・「ハンス・クリスチャン・アンデルセン」組曲
・チボリ・フェスティバル序曲  

          (以上スーレン・ヒルデガード )

  クリスティアン・リンドベルイ(トロンボーン)*
  ヨーアン・ミッサー・イェンセン(指揮)
  デンマーク・コンサート・バンド
  トルン聖ミカエル吹奏楽団*

 

スゥェーデンのソリストにデンマークの演奏家たち。
CDタイトルは「 スカンジナビアン・コネクション」

 

おめあてはTボーン協奏曲。

これはTボーンステーキにトロンボーンをかけた言葉遊びのような曲。

「レア」「ミディアム」「ウエルダン」の3楽章から成る。
1995年作曲。

 

聴いても特にステーキを彷彿させるような感じではなく、疑似バロック風の中にも漂うポップスのテイスト。

編成はトロンボーンのソロのほか、室内楽風の比較的小人数の木管楽器と金管楽器に多彩な打楽器群。

チェンバロが加わることをみてもバロック音楽を意識したことがわかる。

ただ事前の知識無しで聴いたときは編成の小ささには気が付かなかった。

それだけ作曲技法が秀逸ということだろうか。

 

リンドベルイのソロは相変わらず超絶的な演奏を聴かせる。

 

YoutubeはT-ボーンコンチェルト

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2020年11月18日 (水)

Kさん宅で最新のオーディオ情報に触れる。

今日も11月中旬とは思えない暖かさ。
それでも秋は深まり市民文化センターの欅は紅葉が始まった。
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コロナ今までで国内最大の感染者数。
ここ静岡県内でも各所でクラスター発生。


先日音楽とオーディオの師匠Kさん宅へ遊びに行っていた。

Kさんは若い頃からいろいろと音楽やオーディオのことで教示をいただいていた職場の先輩。
退職した今は悠々自適、音楽三昧の生活。

常に最新の音楽情報を仕入れていて、コンサートにも頻繁に出かけオーディオ環境も訪ねるたびに変わっている。
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遊びに行くたびに有望な若手演奏家の最新情報や、音源などをいろいろ聞かせていただいている。

今回オーディオルームに入ると、かつてLPがずらりと並んでいた棚がすっかり空となっていた。
尋ねるとすべて処分したという。

驚いている間もなく最新の音楽フォーマットMQAの話が始まった。


ファジル・サイの弾くベートーヴェンのピアノソナタ、アルゲリッチのショパン、
ムターの弾くサン・サーンスなど、いろいろと聴かせていただいた。


通常のCDとMQAを聞き比べるとMQAのクオリティの高さは従来のCDの比ではなかった。
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ただ率直に言えば、ピアノソロではかなりのリアル感を伴って響いては来るものの、オーケストラになると実演とは別物の世界がここにあるような、ある種の違和感。

これはアナログとて同じことだが、収録の場では当然録音エンジニアが介在し各楽器のバランスなどを調整している。

デジタル録音では音のクオリティが上がれば上がるほど、何か演奏者とは別の第三者の存在感が増していくような気がしてきた。

いろいろと聴いているうちに、アナログ時代の録音がMQAでどのように甦るか興味が出てきた。

サンプルディスクにカラヤン指揮ウィーンフィルの「惑星」があったので聞いてみる。
DECCAによる1961年録音。

この演奏は自宅にもLPとCDがあり、若い頃から聴き慣れたお馴染み録音だ。

ところがこれがよくない。

音が水平方向のみに広がっていて、奥行きがほとんど感じられず無機質な音のみが鳴っている。
この演奏はもっと熱く、ヴィヴィッドな演奏だったはず。

マスターテープが劣化しているのだろうか。
それともアナログに聴き慣れた自分の耳が鈍いのか???
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再び新しい録音でグリーグのピアノ曲やフィンジの歌曲などを聴かせていただいた。

これはよい。
穏やかな曲想ということもあるけれど、しっくりと自然に入ってくる。

KさんはMQAを導入して間もないということで、これからいろいろと調整していくうちに変わって行くのだろう。

それにしてもこのコロナ騒ぎで今年予定していたコンサートが全て流れてしまった、と嘆いていたKさん。

巨大なホーンシステムをマランツの銘器でドライヴ。
最近はコード類を1930年代のものに交換したという。
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ヴィンテージオーディオの中でLINNやMERIDIANのMQAのシステムが何の違和感もなく混在している。

自分の好みの音とは目指す方向が異なるけれども、相変わらずの探求心と新しいものを次々に取り入れる柔軟さは凄いと思う。

今回も有望な若手演奏家の新しい情報をたくさんいただいた。

大きな刺激になりました。
ありがとうございました。

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2020年11月17日 (火)

フルトヴェングラーセンターの「第九」

今年はスズムシや松虫などの秋の虫の声があまり聞こえてこない。
本日の最高気温、三島で22度超え。

朝、玄関先にヤモリを見つけた。

よく見ると事切れている。
ずいぶんとやせ細っていた

写真は在りし日のヤモリくん。


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今年は餌になる虫が少ないのかもしれない。

 

今日は休みで、クリニックに行き定期検診。

午前中に行くと駐車場に車はなし。

こんなに空いているのも珍しい。

血圧その他、検査結果は良好だったものの体重が増えていた。

 

帰りに畑に撒く堆肥を買ったりしたあとにハードオフに寄ってみた。

 

LPジャンクコーナーからは佐藤陽子のヴァイオリン、岩崎淑のピアノでヘンデルのヴァイオリンソナタ第3番の東芝LP.
どうやら教材用の録音らしい。

 

CDコーナーはざっと見て、いつもと変わり映えしないな・・と思って隅の方に見慣れない背ラベルのCDが2枚。

 

あれ? これは?

 

よく見るとフルトヴェングラーセンターが出していた会員用に頒布されたCDだった。

 

極めて有名な1951年バイロイトに最晩年のフィルハーモニア管との1954年ライヴの「第九」2枚。

 

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バイロイト盤については国内外のLP、CDは架蔵済だけれど、このフルトヴェングラーセンター盤はバイエルン放送所蔵の音源を使用した初のCDとして非常に話題になったもの。

 

フィルハーモア盤はスイス、ルツェルン音楽祭での記録。
この演奏が巨匠最後の「第九」となった。

この2枚いずれも税込み440円。

 

Youtubeはこのフルトヴェングラーのバイロイトの「第九」についての解説

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2020年11月15日 (日)

ゲルハルト・タシュナーのことなど

穏やかで暖かな日曜日。

昨日沼津港の前を通るとかなりの人出。
全て県外ナンバーの車ばかり。

このコロナ禍も物ともせずに繰り出す人々。

 

今日は一日仕事。

昨日、静岡市に行った時、所用で立ち寄った近くの旧家に横に大きく広がった立派なヤマモモの樹があった。


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見とれていたら何処からか車で来た方が写真を撮っている。

車は浜松ナンバー。

 

どうやら有名な樹らしい。

 

ネットで調べてみると紹介記事が見つかった。

樹齢400年を超える県下最大のヤマモモ

徳川家康ゆかりの可能性もあるらしい。

 

へぇー・・・

 

フルトヴェングラー時代のベルリンフィルのコンサートマスター、ゲルハルト・タシュナー(1922-1976)のSP期録音集成を聴く。

Archiphonから出ていたCD2枚組でタシュナーが残した78回転シェラック盤に協奏曲の放送録音を加えたもの。

 

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・ヴァイオリンソナタ第7番 ニ長調 Op. 1, No. 13(ヘンデル)
  コール・デ・クロート(ピアノ)
  録音1943年2月26日 ベルリン
  

・無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 から シャコンヌ(バッハ)

  録音:1941年11月25日 ベルリン

 

・ヴァイオリンソナタ イ長調 M. 8 (フランク)
  コール・デ・クロート(ピアノ)
  録音1943年2月23日 ベルリン

 

・ヴァイオリンとギターのためのソナタ ホ短調 (パガニーニ)
  ゲルダ・ネッテ=タシュナー(ピアノ)
  録音 1942年3月11日 ベルリン

・スペイン舞曲集 Op. 22 - 第1番 アンダルシアのロマンス
  ゲルダ・ネッテ=タシュナー(ピアノ)
  録音 1942年3月11日 ベルリン

・スペイン舞曲集 Op. 23 - 第2番 サパテアード
・スペイン舞曲集 Op. 23 - 第2番 サパテアード(別テイク)
  ゲルダ・ネッテ=タシュナー(ピアノ)
  録音 1944年10月26日 ベルリン

・ツィゴイネルワイゼン Op. 20
・ツィゴイネルワイゼン Op. 20 (別テイク)(以上サラサーテ)
  ゲルダ・ネッテ=タシュナー(ピアノ)
  録音 1944年10月27日 ベルリン

 

・ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 Op. 26 - 第2楽章 アダージョ
・ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 Op. 26 - 第2楽章 アダージョ(別テイク)
    フリッツ・レーマン(指揮)
    ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
    録音 1944年11月7日  ベルリン

・ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 Op. 26 - 第3楽章 フィナーレ(以上ブルッフ)
    フリッツ・レーマン(指揮)
    ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
    録音 1944年11月8日  ベルリン

 

・ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op. 35 (チャイコフスキー)
    アルトゥール・ローター(指揮)
    ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
    録音 1948年4月11-12日  ベルリン

 

タシュナーは19歳でベルリンフィルのコンサートマスターに就任。

フルトヴェングラーがベルリンフィルを振った第9の映像では副コンマスの位置にタシュナーの姿を見ることができる。

 

タシュナーはソリストとしての活動が短く、残された録音は少ない。

ツィゴイネルワイゼンでは同日録音の2つのテイク。

ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番も第2楽章の同一日収録の二つのテイクを収録しているが、なぜか第1楽章がない?

 

サラサーテではふたつの演奏にさほどの違いは感じられないけれども、ブルッフでは2回目めの演奏が断然良い。

チャイコフスキーはブルッフ以上の名演だ。


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沼響のHPの聴き比べコラム、新「第九を聴く」にレーグナー指揮ベルリン放送響の感想をアップしました。

実に3年ぶりの更新です。(^^;

 

 

 

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2020年11月14日 (土)

金曜夜はレコードコンサート

朝は冷えたけれども日中は暖かな一日。

今日は娘夫婦に会うために家内と静岡市に行っていた。

 

東名高速道路は工事中で対面通行。

その間は50キロの速度規制。これでは一般道の方が良かったな。

婿殿のご両親も交えて近くのお好み焼き屋で昼食。

 

帰宅は夕方。

 

昨晩は今年最後になる市民文化センター主催のクラシックレコードコンサートの解説だった。
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今年はコロナ禍のために2回分が中止となってしまった。


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今回は生誕250周年の記念の年を迎えたベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」。


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コロナ対策で定員を25名に限定させていただいた。


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多数の申し込みがあり、申し込み初日で満席になってしまったとのこと。

次回は会場を変えた方が良いかもしれない。

 

Youtubeはペトレンコ指揮ベルリンフィルの「第九」

 

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2020年11月11日 (水)

フランティシュク・ベンダの交響曲

本日快晴。
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トップニュースはアメリカ大統領選から国内のコロナ感染に変わってきた。

 

新型コロナウイルスの感染者は予想通り寒さの到来と共に再び増加。
8月以来の第3派の襲来。

 

ここ静岡県東部は、今までさほど脅威とは感じていなかったけれど、先月あたりから感染者が増加、クラスターも発生している。

第1派、第2派の時よりも危険が身近に迫って来ている予感。

 

ボヘミア生まれでベルリンで活動したフランティシュク・ベンダ(1709-1786)の交響曲集を聴く。

ムンツリンゲル指揮アルス・レディヴィヴァ合奏団の演奏。

チェコ・スプラフォンの録音の国内盤LP2枚組
この当時ベンダの交響曲を集めた初のレコードだという。


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フランティシュク・ベンダは17世紀にプロイセン王フリードリヒ2世の宮廷で活動していたいわゆるベルリン楽派の作曲家のひとり、

 

ベンダの子孫は音楽家として連綿と続き、その係累は今も続くほどの音楽一族。

20世紀以降の音楽家ではハンス・フォン・ベンダという指揮者がいて、第二次世界大戦前の一時期にベルリンフィルの音楽監督だった。

 

ベルリン楽派の作曲家たちは、このフランティシュク・ベンダのほかクヴァンツ、グラウン兄弟、エマヌエル・バッハなどの作曲家たちで、ちょうど大バッハの後半生からハイドン、モーツァルトが活動を始めるまでが活動時期。

 

いわばバロック音楽から古典派の音楽への橋渡しのような人たち。


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ベンダの交響曲は18曲ほど残されていて、このレコードには10曲が選ばれている

基本は3楽章形式、弦楽器の編成でチェンバロが入る。

 

これらの曲の作曲年代はいずれも1740年代以降。

ベンダが没した1786年には、すでにハイドンは85番、モーツァルトは38番までの交響曲を作曲していた。

 

ハイドンやモーツァルトの作品に比べると、ベンダの作品は交響曲と呼ぶにはあまりにもプリミティヴ。

いかにも古めかしいスタイルだ。

それだけハイドンとモーツァルトの音楽が最先端の音楽だったということだろうか。

 

正直なところベンダの交響曲は、交響曲というよりもヴィヴァルディあたりの合奏協奏曲やモーツァルトのK136の初期のディヴェルティメントに近い音楽が鳴っている。

このアルバムで管楽器の入る唯一のニ長調の曲に、かろうじて交響曲らしさの片鱗が感じられる程度。

 

10曲通して聴くと一部閃きを感じさせるものの、変化に乏しく、どの曲も同じように聞こえる。

演奏の良さで退屈の一歩手前で踏みとどまっている。

 

Youtubeはベンダのフルート協奏曲

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2020年11月 8日 (日)

ハラシェヴィチのショパン

雨上がり、すっきり秋晴れの日曜日。


ちょうど北海道か信州の高原にいるような爽やかな朝だ。


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富士山はちょうど雲をかぶってしまったけれども、頂上付近にも山肌がはっきり見えていた。

昨晩の雨でも富士山頂にはまとまった雪は降らなかったようだ。

 

今日は市内一斉清掃日。


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ショパン、ハラシェヴィヴィチのショパンを聴いていた。

 

アダム・ハラシェヴィチはポーランドのピアニスト。

 

1955年のショパン国際コンクールでアシュケナージを抑えてハラシェヴィチが優勝し、その結果に対して審査員のミケランジェリが抗議したことはハラシェヴィチとショパン国際コンクールを語るときに必ずのように引き合いに出される。

 

2位だったアシュケナージのその後の華々しい活躍と比べられ、コンクール後のハラシェヴィチの評価は気の毒なほど低くなっていった。

 

10数年前の自分のコメントも批判的。

 

昨年のハードオフジャンクLPで、まとまった数のハラシェヴィチのショパン演奏を入手。

その中から前奏曲とポロネーズを聴いてみる。


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イタリアfontanaのシリーズから。

EQカーヴをAESにして聴いてみると今まで気がつかなかったことが見えてきた。

 

使用ピアノはおそらくスタインウェイではなくベーゼンドルファー。

柔らかく暖かい独特の音色、渋くて人のぬくもりの感じられる音。

 

ハラシェヴィチは堅実なテクニックでひとつひとつの音の粒立ちも明確。


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幾分古風な中に美しくも落ち着いたおとなのショパンをここで聴くことができる。

 

鮮やかで華やかなアシュケナージのショパンが時代の波に乗ったのはよくわかる。

だが今の自分にはハラシェヴィチのショパンの方が心の琴線に触れるものが大きい。


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ショパン国際コンクールで優勝したハラシェヴィチの実力はやはり本物だったのだ。

Youtubeは1955年のショパン国際コンクールの表彰式、若き日のアシュケナージとハラシェヴィチの貴重映像

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2020年11月 7日 (土)

オーマンディのラヴェル

曇りのち雨。朝の富士山には傘雲。


午後からお約束通りの雨。


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注目のアメリカ大統領選は高い投票率に大接戦。

 

大勢はほぼ決しても結果を待たずに一方的な勝利宣言をする現職。

なりふり構わぬその姿勢にアメリカ国内の分断はさらに加速、コロナ患者も増え続け混乱は増すばかり。

一国の指導者にはそれなりの品格が必要ではなかろうか。

こんな人でも有権者の半数近くの支持があるのが驚き。

 

 

先日、パレー指揮デトロイト響のラヴェルをまとめて聴いた。

今日は同じアメリカのオケでフィラデルフィア管のラヴェル。

聴いたのはCBS時代の録音。

 

一枚目は米Odyssey盤。


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・組曲「クープランの墓」 1958年11月16日 録音
・道化師の朝の歌     1958年1月5日
・ボレロ         1960年3月19日

               あるいは1968年2月24日

 

そしてCBSソニーの国内盤LP


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・スペイン狂詩曲        1963年2月24日
・「ダフニスとクロエ」第2組曲  1959年4月19日
・ラ・ヴァルス         1963年2月3日
・亡き王女のためのパヴァーヌ  1963年2月3日

  ユージン・オーマンディ(指揮)
  フィラデルフィア管弦楽団

以上の曲目がオーマンディーが録音したラヴェルの曲全て。

それぞれ複数回の録音がある。

結局オーマンディは「マ・メール・ロア」は録音しなかった。

「ボレロ」についてはCBSに残した二つの録音のうちどちらかが特定できない。

 

カラフルなオーマンディ時代のフィラデルフィア管の音色はフランス音楽に相性が良いのではないかと思う。

オーマンディーの解釈は、ゴージャスなオケの音も相まって、レガート多用の古風なフレーズの粘りが幾分50―60年代のアメリカの豊かさと甘さを連想させるもの。

 

この時期のフィラデルフィア管には、フルートのキンケイドやオーボエのジョン・D・ランシーなどフランス系の名人奏者が揃っていた。

オーボエの活躍する「クープランの墓」や「ダフニスとクロエ」のフルートソロなどは、

さすがに聴きごたえのあるソロだ。

 

演奏としては「クープランの墓」と「ラ・ヴァルス」が良い。

 

Columbiaカーヴで再生するとしっとりとした弦楽器の音が美しく響いていた。

 

60年代初めのアメリカのメジャーオケは、デトロイト響のパレー、ボストン響のミュンシュ、そしてフィラデルフィア管のオーマンディなどの豪華な指揮者が音楽監督や常任指揮者として名を連ねていた。

フランス音楽を聴くには良い時代だった。

 

さらに同時期のクリーヴランド管にはジョージ・セル、シカゴ響にフリッツ・ライナーが君臨。

ニューヨークフィルの音楽監督には俊英バーンスタインが就任したばかり。

 

まさに強きアメリカを象徴する黄金時代を迎えていた。

 

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2020年11月 5日 (木)

メニューインのモーツァルト

今日も良い天気、ポコもゴキゲン。


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午前中カルチャースクールに行く母を送ったあとに、最近服を買うことは滅多にないけれど「洋服の青山」の金券があったので実用的なものをショッピング。

 

今日はメニューインのモーツァルトを聴く。

 

何げなくレコード棚の協奏曲コーナーで目に入ったので取り出してみたレコード。

レコード棚にあるということは少なくとも1回は聴いているはずなのに、聴いた記憶がない。購入した記憶もない。

 

入手した音盤は最初に購入順のリストやデーターベースを作成。
視聴後にレコード棚に収めている。
未聴のものは段ボールに詰めて別部屋へ。

このシステムで2万点の音盤の内容はほぼ把握できている。

 

ところでこのメニューイン、購入記録を見ると15年ほど前にオケの元団員Sさんから大量のアーベントロートのLPと一緒にいただいたものだった。
Sさんの弟さんは元レコード会社のプロデューサーだった方。

このLPは東芝から出ていたセラフィムの廉価盤シリーズでふたつのヴァイオリン協奏曲


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・ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216
・ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219『トルコ風』

  ユーディ・メニューイン(ヴァイオリンと指揮)
  バース・フェスティヴァル管弦楽団

  録音 1960年代前半

 

これはモーツァルトのヴァイオリン協奏曲のうち、今では疑作とされる6番と7番、さらに贋作のアデライーデ協奏曲を含み、さらには協奏交響曲や2つのヴァイオリンのためのコンチェルトーネハ長調 K.190(186E)をも含む完全なる全集から、有名な2曲をカップリングしたもの。

CDでも全ての録音が出ていた。

 

メニューインの演奏にはテクニックが甘く、いくぶんの生ぬるさを感じさせるものもあるけれど3番は良い演奏だった。

とりわけの名演というものではないけれど曲の良さが自然に伝わってくる、いわば自然体のモーツァルト。

 

ところが5番になると3番に聴かれた気楽な楽しさが影を潜め、メニューインの生真面目さが前面に出てきて、何かモーツァルトと懸命に格闘しているような息苦しさを感じる。


音も美しくない。

 

なお5番のカデンツァはメニューイン自作のもので大変ユニーク。

3番のカデンツァはサム・フランコのものを採用。

 

Columbiaカーヴで聴くとソロの立ち位置が明瞭で、バックのオケもよい雰囲気で鳴っていた。

 

Youtubeはメニューインの弾くバッハ、ソナタ第3番

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2020年11月 3日 (火)

シュライヤーのドイツ民謡集

昨日来の雨が朝に残り、曇の多い一日。
日差しは比較的強く過ごしやすい晩秋の文化の日。

今年はヒガンバナや金木犀の咲くのが遅かったけれど紅葉も遅いようだ。

 

ららぽーとで買ったブドウ。


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食べようとしたらハートの形。

 

 

ペーターシュライヤーの歌うドイツ民謡集を聴く。

旧東ドイツのArs Vivendiから出ていたCD.
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これはまだCDのレギュラー価格が3千円台が普通だったころに一部輸入CDとしてデパートのワゴンセールで買い求めたもの。

このシリーズにはコンヴィチュニー指揮ゲヴァントハウス管によるブラームスの交響曲第1番のような名盤も含まれていて、なかなか侮れないシリーズだった。

 

購入記録を見ると購入したのは1992年5月。

同日に同じシリーズからズスケの弾くバッハのヴァイオリン協奏曲集と、テオ・アダムの歌うドイツ歌曲集。

フレーミヒ指揮のドレスデンの演奏家たちによる16世紀のモテット集などを1枚当たり800円均一で買っている。

当時としてはこの値段でも格安で嬉々として買っていた。


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このCDの伴奏はホルスト・ノイマン指揮のライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団。

曲によってはライプツィヒ放送の合唱団が入る。

 

軽いながらも格調高く歌い上げているシュライヤーの柔らかくのびのびとした歌声。

ほとんどの曲はなじみのない曲だけれど、この曲の何曲かはホルンアンサンブル用の譜面が出ている。

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沼響の合宿の時など、練習の合間に皆で楽しく遊んだ曲も入っていて懐かしい。

 

Youtubeはベルリンフィルホルンアンサンブル

 

 

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2020年11月 2日 (月)

ジルバーマン・オルガンによるバッハ

晴れのち雨。

 

昨日快晴、ポコとの散歩での富士の姿。

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新芽が出始めた大根と蕪に風よけをかぶせたり、その後ホルンを吹いたりの休日。

今日も休み。

朝、埋め立てごみをステーションに出した直後にわか雨。

犬の散歩に出かけていた隣の奥さんが慌てて横を走り抜けていった。

午後から本格的な雨。父の従兄弟の親戚親子が来て2時間ほど歓談。

 

バッハのオルガン曲をジルバーマンオルガンで聴く。

 

70年代に東芝EMIから出ていたセラフィムシリーズの廉価盤LPで4人のオルガニストがバッハの有名曲を弾き分けている。

4人に共通しているのは使用楽器が銘器ジルバーマン・オルガンだということ。

 

東芝EMIから出ていたジルバーマン・オルガンによるバッハ・オルガン名品集数枚からの編集もの。

このアルバムはCDでも出ていたようだ。
どうやら音源のオリジナルは独逸ETERNAあたりらしい。

 

ジルバーマン一族はシュニットガーと並ぶ18世紀ドイツの著名なオルガン製作者

アンドレアス・ジルバーマンと3人の息子たち、そしてアンドレアスの弟ゴットフリート・ジルバーマン (Gottfried Silbermann)たちは教会や礼拝堂のオルガンを数多く製作し名器として知られる。

 

ジルバーマンはバッハと同時代のオルガン製作者で、バッハ自身もジルバーマン作のオルガンを弾いている。


もっともバッハはジルバーマンのオルガンをさほど高くは評価していなかったらしい。


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・トッカータとフーガ ニ短調BWV565
   ヘルベルト・コルム (オルガン)
   Church of Reinhardtsgrimma(1731)

 

・トッカータとフーガ ニ短調BWV538「ドリア調」
   ハンス・オットー  (オルガン)
    Church of Grosshartmannsdorf (1738-41)

 

・トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調BWV564
   ヨハネス=エルンスト・ケーラー,(オルガン)
   Church of Fraureuth (1742)

 

・フーガ ト短調BWV578「小フーガ」
  ロベルト・ケプラー (オルガン)
  Church of Grosshartmannsdorf (1738-41)

 

オルガニストといずれもなじみのない人たちでジャケットには演奏者の紹介もない。

演奏者をネットで検索してみるといずれも旧東ドイツ圏で活躍していた人たち。

レーベルには使用オルガンが欧文で書かれている。

このアルバムの使用オルガンは全てゴットフリート・ジルバーマン製作によるもの。

 

北ドイツにあるシュニットガーの明るく輝かしい音色に比べ、中部ドイツのジルバーマンのオルガンには人間の声にも似た落ち着きと暖かさが感じられ、時として弦楽器の音色に近いようにも思える。

 

このアルバムの演奏には壮大さよりも素朴な響きが感じられる。

 

オルガンの音は非常に奥深く、このあたりは知識もなく勉強不足なので断定的なことは書けないけれど奏者による使用パイプの選択によって響き全体がかなり変わるようだ。

同じシュニットガーのオルガンで同じ曲を聴いても、奏者によって音色が全く異なって聞こえる。

 

Youtubeは鈴木雅明 の弾くジルバーマン・オルガンによるバッハ、幻想曲ト長調、フライベルグ聖マリア大聖堂

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