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2020年12月 9日 (水)

サヴァリッシュの「新世界より」旧録音

曇りのち晴れ。朝は今にも雨が降り出しそうな雲行き。

出勤時に見た沼津市民文化センター前庭の鮮やかな紅葉。

 

Img_20201209_082641

12月も半ばになろうとする時期だけれど今年は気温が高いのだろう。
付近の山にも未だに鮮やかな紅葉。

 

昨日休み。

このところ鼻が詰まり気味で睡眠不如意。

ネットを検索しているうちに副鼻腔炎の症状のような気がしてきた。
幼い頃に鼻炎を患ったことも気になる。

休日を幸い数日前に転倒した母を整形外科連れて行くついでに近くの耳鼻科へ行くことにした。

 

このクリニックにはもう何年も行ってないので診察券を探すのに一苦労。

受付に診察券を渡す。
聞くと前回診察したのは5年前とのこと。

しばらく来ないうちに予約制になっていた。

特に発熱のある人については診療時間を明確に区別しているようだ。

幸い空いていたので早くに診ていただいた。

 

副鼻腔炎かどうか確かめるために頭部をレントゲン撮影。

画像を見せていただいたけれど頭蓋骨がかなりリアル。

まるで他人のように見える自分のしゃれこうべをまじまじと見つめる。

 

幸い膿の蓄積は見られず単なる鼻炎との診断。

薬を受け取り、母を迎えに整形外科へ。

結局母は肋骨にヒビが入っていたとのことでしばらく安静が必要。

 

サヴァリッシュの若き日の録音を聴く、

 

東芝EMIから70年代に出ていた廉価盤LP2枚組。

このシリーズは短期間で姿を消してしまったけれども、ハンニカイネンのシベリウスやシューリヒトのブルックナーの3番と9番など、なかなか渋い内容のものが出ていた。

このサヴァリッシュ録音はこれ以後出ていないと思う。


Img_20201209_222436

 

・交響曲第9番 ホ短調 「新世界より」 :ドヴォルザーク
・組曲「くるみ割り人形」       :チャイコフスキー
・組曲「白鳥の湖」           

 ウォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)
 フィルハーモニア管弦楽団

 録音:1958年
        
サヴァリッシュの初レコーディングは、1940年代末のRIAS響とのブランデンブルク協奏曲とコンラート・ハンセンをソリストに迎えたチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番などのREMINTON盤。

その後サヴァリッシュは、1954年のフルトヴェングラーの追悼演奏会にベルリンフィルを指揮するなど、着実にヨーロッパでのキャリアを固めていった。

 

やがてEMIのプロデューサー、ワルター・レッグの目に止まり、レッグが創設したフィルハーモニア管を指揮してのいくつかの録音が始まった。

それはカラヤンがベルリンフィルの音楽監督に就任し、ベルリンフィルとのレコーディングが始まった時期と一致している。

 

おそらくレッグは、近い将来フィルハーモニア管を去ることになりそうなカラヤンのドイツ系指揮者の後釜として、サヴァリッシュに目を付けたのだろう。

この3曲はサヴァリッシュがフィルハーモニア管とレコーディングを行った最初期の録音になる。

他にはR.シュトラウスの「町人貴族」、ドヴォルザークの交響曲第8番と「スケルツオ・カプリチオーソ」などが録音されている。

 

サヴァリッシュの自伝「音楽と人生」にはレッグの下で、カラヤンが録音していなかった曲から始めた、と書いてあるけれども「くるみ割り人形」と「白鳥の湖」はカラヤンがフィルハーモニア管を振った録音が存在する。

おそらくレッグはステレオでのいわゆる売れ筋名曲のラインナップをいち早く揃えたくて、自分の手を離れつつあったカラヤンではなく、若手の有望株のサヴァリッシュを起用したのではなかろうか。

ちなみに「新世界より」もカラヤン指揮ベルリンフィルのEMIへの1958年のステレオ盤が存在する。

 

演奏は一見冷静なサヴァリッシュには珍しく熱く燃えた演奏だった。

 

速めのテンポで颯爽と駆け抜けて未来への明るい希望を感じさせるような瑞々しさが聴いていて心地よい。

オケの水準も申し分ない。

 

サヴァリッシュは後年フィラデルフィア管と「新世界より」を再録音している。

その演奏は、音楽が極端に肥大していて聴いていて辛いものがあった。


この旧録音の方が圧倒的に良い。

 

チャイコフスキーも水準以上の出来だけれど「白鳥の湖」は選曲に問題あり。
終曲を最後まで入れず序奏の部分だけで終わってしまっている。

 

EQカーヴはColumbia。

 

Youtubeはサヴァリッシュ指揮のR.シュトラウス、歌劇「アラベラ」。サントリーのCMから

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