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2021年1月に作成された記事

2021年1月31日 (日)

ジャック・ダニエルでクリス・コナーを聴く

晴れて穏やかな土曜日曜日、今日で1月も終わり。

庭の白梅は満開。

見ると緑色の小鳥が二羽。ウグイスのようだ。

微かに春の気配はあれど明け方は冷えて車のフロントガラスが凍結していた。

 

昨日は県内に住む婿殿とそのご両親が来訪。

婿殿の父はギターの名手。
どちらかといえばロック、ポップス系の人だが幼い頃はヴァイオリンを学んだことがあるらしい。

 

音楽部屋で談笑しているとベートーヴェンの「大公」が聴きたいとおっしゃった。


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取り出したのはアイザック・スターンとピアニストのユージン・イストミン、チェロのレナード・ローズのトリオによるCBS盤。
国内盤LP.
このメンバーの「大公」には映像も残されている。

のびやかにして風格豊かなベートーヴェン。
三者のバランスも完璧だ。

 

いくぶんアルコールが入り気味で聴いたけれども、抵抗なくすんなり受け入れることができる名演だった。

 

 

続いてジャズヴォーカル。

クリス・コナーのヴォーカルで聴く。


米ベツレヘムのLP.でアルバム名は「クリス」。


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50年代半ばのモノラルながら音は良い。

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ハスキーで知的なクリスのヴォーカルにまろやかなテネシーウィスキー、ジャック・ダニエルが良く似合う。

 

Youtubeはクリス・コナーのRound Midnight (Live at the Village Vanguard)

 

 

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2021年1月29日 (金)

マリナーのブランデンブルク協奏曲、第1回録音

寒風吹きすさぶ金曜日。


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狩野川河川敷から見る富士山も凍れる姿。

 

メニューインのブランデンブルク協奏曲を聴いてから、手持ちの音盤をいろいろと聴き直してみたくなった。

トランペットのデニス・クリフトが参加しているサーストン・ダート盤もあったはずと思っていたが、それは自分の思い違い。

手持ちのダート盤は「水上の音楽」全曲だった。

 

ダートのブランデンブルク協奏曲全曲録音は、「水上の音楽」と同じキングレコードのバロック音楽シリーズの2枚組廉価盤で出ていた。

かつて中古市場で何度か見かけていたので、てっきり購入していたと思い込んでしまった。
CDにもなっておらず今や入手難。

 

 

サーストン・ダートは、イギリスの音楽学者で鍵盤奏者、室内オケのフィロムジカ・ロンドンを組織して、モノラル期からステレオ初期にかけてバロック期の録音を残している。

ダートの教えを受けた音楽家はマンロウ、ホグウッド、ガーディナー、マリナーなど、影響を受けた俊英は数多い。

 

今日はダートが通奏低音で参加しているネヴィル・マリナー盤を聴く。

マリナーの3種ある同曲録音のうち最初のもの。

手持ちはフィリップス原盤の国内盤LP.

 

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・ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046 

 アラン・ラヴデー (ヴァイオリン)
 コリン・ティルニー (チェンバロ)
 フィリップ・レッジャー (チェンバロ)

・ブランデンブルク協奏曲第2番ヘ長調BWV1047

 デイヴィッド・マンロウ (リコーダー)
 ネイル・ブラック (オーボエ)
 バリー・タックウェル (ホルン)
 アイオナ・ブラウン (ヴァイオリン)
 サーストン・ダート (チェンバロ)
 レイモンド・レッパード (チェンバロ)

・ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調BWV1048

 サーストン・ダート (チェンバロ)

 

・ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調BWV1049

 ジョン・ターナー (リコーダー)
 デイヴィッド・マンロウ (リコーダー)
 アラン・ラヴデー (ヴァイオリン)
 サーストン・ダート (チェンバロ)
 レイモンド・レッパード (チェンバロ)

 

・ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調BWV1050

 クロード・モントゥー (フルート)
 アイオナ・ブラウン (ヴァイオリン)
 ジョージ・マルコム (チェンバロ)

 

・ブランデンブルク協奏曲第6番変ロ長調BWV1051

以上
 ネヴィル・マリナー (指揮)
 アカデミー室内管弦楽団

 

この録音は通常演奏されているブランデンブルク候への献呈稿以前のケーテン時代の版にダートによる仮説を含めた校訂が行なわれたもの。

 

このLPの初出時には、世界初のブランデンブルク協奏曲の第一稿の録音とされていたが、実際には50年代半ばにマックス・ゴーバーマンが一部の曲で試みている。

 

聞き慣れたブランデンブルク協奏曲とは細部でかなり異なる。

第1番では楽章の異動があり 第3楽章アレグロはなく第4楽章のあとに付録と言う形で第3楽章が来る。
メヌエットもトリオのポラッカが細部で異なる。

 

第2番はトランペットではなくホルンで演奏されている。
しかもコルノ・ダ・カッチャではなく通常のホルン。

ソロは名手バリー・タックウェルだが完全にホルンコンチェルトと化している。
正直なところこの曲はトランペットソロで聴きたい。

 

第3番第2楽章はヴァイオリンと通奏低音のためにト長調のソナタBWV1021を使用。

ここでのヴァイオリンのアイオナ・ブラウンとダートのチェンバロの物悲しいデュオが心を打つ。

 

第4番は通常よりも1オクターヴ高いソプラニーノリコーダーを使用。
本来はフラジョネットという楽器のために書かれたがソプラニーノリコーダーではチープな響きだ。

 

第5番の長大なチェンバロソロはかなり短め。

 

ダートはこの録音中に病に倒れ、収録直後の3月6日に49歳の若さで他界することに。

したがってダートが参加しているのは第2番、第3番、第4番の一部のみ。

 

残りはレイモンド・レッパードとコリン・ジェルニー、フィリップ・レジャー、ジョージ・マルコムが替わってチェンバロを弾いている。

通常ならば取り直しをするところだが、不完全ながらダートの演奏を残したのはこの全曲録音に当たってダートの存在があまりにも大きかったからだろう。

 

この日本盤全曲LPにはネヴィル・マリナーのダートへの追悼文が掲載されている。

 

そこにはダートの全面的な協力の下に史上初のオリジナル版によるブランデンブルク協奏曲の録音に望みながら、志半ばで倒れたダートへのマリナーの大きな悲嘆が赤裸々に書かれている。

 

なお日本語解説は大御所吉田秀和氏。

 

演奏全体としては名人を集めた割には散漫な印象だ。

やはりキーパーソンのダートが抜けた穴は大きい。

 

Youtubeはマリナー指揮の「魔笛」序曲

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2021年1月28日 (木)

メニューインのブランデンブルク協奏曲

一月最終の週は雨模様。

今日も朝から雨。

 

仕事上のひとつのプロジェクトが今週末に始動する。

コロナ関連の事業で半年余りの準備期間。

かつて自分が原案を練っていた案件でもありセミリタイアの身ながら深くかかわることに。

結局自分は口を出しだけで大部分は実働部隊の若いメンバーの力。

社長への報告も終わりあとは結果を待つのみだ。

 

 

 

今日はバッハのブランデンブルク協奏曲。

手持ちは数多あれど今日はヴァイオリニスト、ユーディ・メニューインを中心としたメンバーによる演奏を聴く。

東芝EMIが70年代に出していたLP2枚組。

解説が村田武雄氏なのでかなり古いレコード。


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・ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
・ブランデンブルク協奏曲第2番ヘ長調BWV1047
・ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調BWV1048
・ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調BWV1049
・ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調BWV1050
・ブランデンブルク協奏曲第6番変ロ長調BWV1051

  バリー・タックウェル(ホルン)
  デニス・クリフト(トランペット)
  クリストファー・テイラー(リコーダー)
  ジャネット・クラクストン(オーボエ)、
  エレーヌ・シェーファー(フルート)
  ジョージ・マルコム(チェンバロ)

 ユーディ・メニューイン(ヴァイオリン、指揮)
 バース・フェスティヴァル管弦楽団

   録音:1959年7月

 

この演奏はかつて聴いたときにはあまり良い印象を持っていなかった。


EQカーヴがぴたりと合えば大きく化けるのではないかとの期待からの再聴。

 

メンバーはメニューインが主宰していたバース音楽祭のメンバーということになっているが、メンバー表にはメニューインの他、ホルンの名手タックウェルなどが見える。

第3番の第2楽章にはバッハのオルガンのためのトリオ・ソナタ(BWV530)からベンジャミン・ブリテンが2本のヴァイオリンと通奏低音のために編曲したものを使用するなど、録音に際しかなりの研究と準備を重ねたことがわかる。

 

ちなみにブリテン指揮のブランデンブルク協奏曲録音では第3番に同様の措置は取っていない。

 

EQカーヴはColumbiaカーヴがピタリと嵌った。

改めて聞くと驚くほど良い演奏だった。

各楽器のソロの名人芸を堪能、オケも非常に良い。

 

EQカーヴが適正だとソロと合奏との受け渡しが鮮やかに再生される。

 

中でも2番と3番が傑出。

2番のソロトランペットの安定した技巧に鮮やかなハイトーン。


これは相当な名人だ。

トランペットのDennis Cliftは1946年から1956年までロンドンフィルの首席だった人。

1957年録音のサーストン・ダートのブランデンブルク協奏曲でもソロトランペットを吹いている。

 

いわゆるモダン楽器による伝統的な演奏だけれども水準は非常に高い。

 

Youtubeはメニューイン指揮のブランデンブルク協奏曲第2番

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2021年1月26日 (火)

本日の練習、初練習は並木先生

1月最後の週。


土日が雨模様だったこともあって、富士山にも雪が降った。


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鳶舞う空に純白の富士。

神々しくも風格がありやはりこの姿が美しい。

 

日曜夜は久しぶりのオケ。

今年初めての沼響の練習だった。

 

今回はプロのホルン奏者の並木先生を招いての管楽器分奏。

場所は市民文化センター小ホール。

 

昨年の定演がコロナ禍のために中止になり、再開した練習はパート練習や分奏中心。

 

並木先生は同郷、高校吹奏楽の大先輩。

 

久しぶりにお会いするので開始前に廊下で軽いご挨拶。


お互いマスクを付けていて最初先生は誰なのかわからなかったらしい。

 

わかった瞬間。

「おぉ・・!元気そうだね」

 

曲は昨年のメイン曲となる予定のチャイコフスキーの交響曲第1番「冬の日の幻想」とロッシーニの歌劇「どろぼうかささぎ」序曲。

テキパキと効率の良い練習が進む。


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休憩中は音出し厳禁でひたすら換気。

みなさん一斉スマホ中。

 

自分は準備不足のためにチャイコフスキーでメタメタになってしまった。

先生とは久しぶりなのに・・・反省

 

コロナ感染の先行きがわからない中、ともあれ今年の定演を目指しての再スタートだ。

 

Youtubeはダニー・ケイ指揮ニューヨークフィルの「どろぼうかささぎ」序曲

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2021年1月23日 (土)

今年最初のクラシックレコードコンサートはウィンナワルツ

朝から雨の土曜日。

長い間晴天が続いたので良いお湿りだ。
これで富士山も雪化粧。

静岡で4人目の変異したコロナウイルス感染者。

特に県東部の感染者数が増えている。

隣町の三島市ではクラスターが発生。
徐々に入ってくる情報が身近なものになってきた。

 

昨晩は市民文化センターでレコードコンサートの解説。

会場入り口には自主事業の仲道郁代と辻井伸行のコンサートチラシが貼ってあり、いずれもSOLD OUT。


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担当者に「盛況だね」と声をかけると、ソーシャルディスタンスを保つために席の間隔を空けて収容人数を絞ったのだという。

 

このクラシックレコードコンサートも事前申込制とし人数を絞っている。


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会場内はマスク着用。

検温と手指消毒をお願いし窓も開放し換気を十分にとって開始。


近隣でのコロナ感染者の増加と夜から雨の予報もあり事前キャンセルが数人。

 

内容は新年最初ということもあり、ニューイヤーコンサートを中心としたウィーンフィル特集とした。

モーツァルトやシューベルト、そして後半はウィンナワルツなど。
比較的ポピュラーな曲を並べて時間も平時よりも短めにした。


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(写真は2年前のものです。実際は皆さんマスクをされています)

解説はウィーンフィルの成り立ちや使用楽器、ゆかりの作曲家たちのことなどエトセトラ。

 

けれども調子に乗って大失敗。


ウィーンフィル独特のウィンナワルツでの3拍子の演奏の特徴を説明した直後に、紹介したのがニューイヤーコンサート創始者のクレメンス・クラウス指揮の「アンネンポルカ」。


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これ、2拍子の曲。

 

流し始めて「しまった!」

 

困惑気味に手を三拍子に動かしている人数人。

 

曲が終わり「すいません、2拍子のポルカをかけてしまいました。」・・・ペコリ。
一同爆笑。

 

質問も活発に出ていつになく盛り上がった。

 

Youtubeはクレメンス・クラウス指揮ウィーンフィルの「アンネン・ポルカ」と「常動曲」

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2021年1月21日 (木)

グリエールの「赤いけし」

昨日芥川賞、直木賞の発表があって沼津生まれの宇佐見りんが受賞。

宇佐見りんは一昨年文芸賞を受賞をした時から注目していた。

沼津は数多くのゆかりの作家を生み出している。

井上靖や大岡信は沼津で青年時代を過ごし若山牧水の終焉の地も沼津。

その他池宮彰一郎、芹沢光治良など・・・・。


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そして宇佐見りん。

若干21歳の若さで第一作で文芸賞と三島由紀夫賞を受賞し第二作で芥川賞とは凄い才能だ。

 

通勤の車中でロシアの作曲家グリエールのバレエ音楽「赤い芥子の花」全曲を聴いている。

NAXOSから出ているCD2枚組。

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・バレエ音楽「赤いけしの花」 Op. 70 

 アンドレイ・アニハーノフ(指揮)
 サンクトペテルブルク交響楽団

 録音: June 1994, Concert Hall of St. Petersburg Radio, St. Petersburg

グリエールにはホルン協奏曲があるし、コロラトゥラー・ソプラノのための協奏曲というユニークな曲のほか、交響曲第3番「イリア・ムローメツ」という大作がありこちらにはストコフスキーやオーマンディ、シェルヘンやフリッチャイらの録音もある。

世代としてはラフマニノフと同世代、作曲の弟子のひとりにはプロコフィエフ。

「赤いけし」の中では「ロシア水兵の踊り」が非常に有名で、録音は数えきれないほど。

確か映画「アポロ13」でもそのモティーフが使われていた。

 

「赤いけし」の録音はLP時代には初演者ユーリ・ファイエルのハイライト盤がロシアメロディアから出ていた。

 

組曲版ではフィストラーリの他いくつかの録音があるけれども、全曲盤はこのNAXOS盤が初めてではなかろうか。

 

グリエールの作風はチャイコフスキーを泥臭くした感じ。

この「赤いけし」は中国を舞台とした作品だけに(プッチーニのトゥーランドットとほぼ同時期の作曲)5音音階を多用した東洋的ティスト満載のメロディーが親しみやすい。

1920年代にアメリカで流行したチャールストンを入れ込むなど、聞き手になんとなく媚びているような気配も感じられるけれど、1曲1曲が変化に富んでいて全曲通して聴いても聞き飽きない。

 

ただ全曲の後半になると、なんとなく曲の緊張感に勢いが薄れるというか息切れ感もあるように思う。

演奏は曲を知るのに十分な水準。

オケは存分に鳴りきっているしアンサンブルもきちっとした出来だ。

 

ちなみに初演者ファイエル盤も聴いてみた。

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このアニハーノフの方がオケの水準もあって良い。

 

Youtubeは名手バボラークの吹くグリエールのホルン協奏曲。伴奏はキタエンコ指揮ベルリンフィル

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2021年1月19日 (火)

ホグウッドのモーツァルト

本日快晴。


昨日、国内初の変異ウイルス患者が静岡県内で確認されて、本日県内に感染拡大緊急警報が発令された。
既に県内東部では病床使用率が70%を超えている。

コロナ感染よりも他の疾病や怪我の救急時に病院で迅速な対応ができなくなるのが恐ろしい。

 

昨日休みでポコを車に乗せてトリミングに連れて行ったりしていた。


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温泉に漬かりさっぱりしてゴキゲンのポコ。

 

今日もモーツァルト。

ホグウッドによる英オワゾリールへの古楽器による記念碑的な交響曲全集中から初期の作品を集めたもの。

 

ホグウッドのモーツァルトの交響曲全集の収録曲数は64曲。

セレナードなどから数楽章を抽出して交響曲の形式で演奏されたものの含んでいるので数は多い。

この一枚には旧1,4,5番に加えてこの録音の数年前の1981年に発見されたK19aの交響曲と昨日紹介した「ガウデアムス・ムジクム」と同じ素材を使ったK32の交響曲版も収めている。


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・交響曲 第1番 変ホ長調 K.16
・交響曲 第4番 ニ長調 K.19
・交響曲 ヘ長調 K.19a (Anh.223)
・交響曲 第5番 変ロ長調 K.22
・交響曲 ニ長調「ガリマチアス・ムジクム」 K.32

 クリストファー・ホグウッド(指揮)
 AAM
     録音  1978-85

 

演奏は同曲の他の同種の演奏を大きく引き離す見事なもの。

K.32など先日聴いた原曲を上回る芸術性の高い作品に聞こえる。

 

K6の第1番は、第2楽章の主題がモーツァルト最後の交響曲となった第41番「ジュピター」のフィナーレと同じ主題によることで有名な曲だ。

 

Youtubeはホグウッド来日時のモーツァルト、交響曲第39番

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2021年1月17日 (日)

モーツァルト2題

薄曇りの日曜日。

昨日は春のような暖かさ。


日差しも強く屋外の方が過ごしやすいほど。


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午後には遊びに来た娘婿夫婦と外で餅を焼いた。


七輪を用意して炭火で焼く餅の味は格別。


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ついでにソーセージを焼いたらそれが旨くて、ついつい昼間から婿殿とビール。

 

今日は阪神・淡路大震災の日。

震災時はこちらでは大きな揺れはなかったけれども、神戸に住む家内の叔母が直接被害を受けた。

なかなか叔母と連絡が取ることができず、義兄が我が家で取れた野菜や救援物資をリュックに詰めて叔母一家の安否を確かめに神戸に向かったことを今でも昨日のように思い起こす。

 

今日は一昨年のいただきもののLPからモーツァルト

ベルリンフィルのメンバーによる13管楽器のためのセレナーデ(グランパルティータ)

1981年のデジタル録音。


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ベルリンフィルはベーム指揮で同曲を録音している。

メンバーはほぼ同じだけれどこちらは指揮者なしでデジタル録音。

 

自由闊達な名人芸のオンパレード。
それでいてベルリンフィルのオケの音が聞こえる。

当たり前のことだが。

 

もう一枚はコレギウム・アウレウム合奏団のメンバーによるハルモニア・ムンディ原盤のテイチク国内盤。

このシリーズの国内盤はカッティングが良くいい音のものが多いけれども、なぜかこの盤は音が濁り気味。


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・音楽の冗談 K.522
・5つのコントルダンス K.609
・ガリマティアス・ムジクム ヘ長調 K.32

 コレギウム・アウレウム合奏団

 

いわゆるモーツァルトが書いた幾分お遊び的な娯楽音楽を集めたもの。

コントルダンスの第1曲は歌劇「フィガロの結婚」のアリア「もう飛ぶまいぞこの蝶々」と同じ旋律だ。

 

「ガリマティアス・ムジクム」はモーツァルト10歳の時の作品。

当時流行していた旋律をアレンジした17曲を集めた混成曲。

それぞれ1分余りの小曲が大部分で出版された版によって曲数や順番が異なるようだ。


交響曲の体裁を整えたシンフォニア版も出ている。

今残る自筆譜は父レオポルドの筆跡のものもあり、父子の共作とも言えるかもしれない。

「音楽の冗談」では、調子っぱずれの遊びの気分がよく出ていて良い雰囲気だ。

やはり名手が集まっていたからだろう。

 

Youtubeはベルリンフィルのメンバーで「グランパルティータ」、現芸術監督ペトレンコの指揮

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2021年1月15日 (金)

シューリヒトのウィンナワルツ

火曜日に久しぶりの雨が降り昨日から暖か。


今日も一日良く晴れて日差しも春のようだった。

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画像は水曜日朝の富士山。

前日の雨にかかわらず雪は少ない。

今日はシューリヒトのウィンナワルツ。


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・ワルツ「南国のバラ」 OP.388
・トリッチ・トラッチ・ポルカ OP.214
・ワルツ「ウィーンの森の物語」 OP.325
・シャンペン・ポルカ OP.211
・ワルツ「ウィーン気質」 OP.354
・宝石のワルツ (喜歌劇「ジプシー男爵」より)
・ワルツ「酒,女と唄」 OP.333
・常動曲) OP.257

 カール・シューリヒト指揮
 ウィーン国立歌劇場管弦楽団

   録音 1963年4月 ウィーン

シューリヒト晩年の一連の会員通販用レーベル、コンサートホール・ソサエティへの録音。

手持ちはコンサートホールレーベルのLP。

涼風の吹き抜けるようなウィンナワルツ。

響きが薄くカロリー少ない録音がシューリヒトの芸風を助長しているような気がするけれども、聴いていて襟を正したくなるような格調高いウィンナワルツ。

中でも「ウィーンの森の物語」が飄々とした軽みが感じられ序奏のツィターも雰囲気十分だ。

 

3拍子の2拍目を微妙に速めに演奏するのはウィーンのオケがウィンナワルツを演奏するときの独特の取り方。

Youtubeはシューリヒトのワルツ「ウィーンの森の物語」 OP.325

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2021年1月12日 (火)

ワルベルクのビゼー

底冷えのする一日。

今日は休みで午前中に畑のダイコン、白菜を収穫。

今年は沢山採れたけれども今野菜は安い。

 

午後から30日ぶりの雨。
こんな天気なので家に逼塞して部屋の片付けなど・・・

 

ハインツ・ワルベルクのビゼーを聴いてみた。

東芝から70年代に出ていた廉価盤セラフィムシリーズの1枚。


ハードオフのジャンクコーナーでゲット。


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・「アルルの女」組曲第1番、第2番
・「カルメン」組曲第1番

  ハインツ・ワルベルク(指揮)
  フィルハーモニア管弦楽団

 

ワルベルクはN響に頻繁に来演しているのでお馴染みの名前。

ウィキでは録音があまり多くないようなことが書いてあるけれども、外盤でオペラを中心にかなりの録音。
ある時期ヨーロッパではかなり売れっ子だったような記事もどこかで読んだことがある。

 

N響との演奏はいつもニコニコしていて穏健で無難な印象しかないけれども、どの曲もそれなりの水準にまとめ上げる職人的な手際の良さが重宝されていたようにも思う。

 

そしてこのビゼー。

オケの優秀さもあってなかなか楽しめる。

ドイツ的、フランス的とは無縁な無国籍なカラー。

これといった特徴がない中での、ひたすら陽気でロマンティックな暖かさがヴァルベルクの信条なのかもしれない。

 

Youtubeはワルベルク指揮N響のシューマン、4本のホルンのためのコンチェルトシュトゥック。ソリストは名手ヘルマン・バウマンとN響の奏者たち。

 

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2021年1月10日 (日)

グスタフ・マイヤーのベートーヴェン

よく晴れて波も穏やかな日曜日。

近くのコンビニに振り袖姿の成人を迎えた娘さんを見かけた。

そうか今日は成人の日・・・

 

午前中は庭の水道工事の立ち会い、その後家内と娘で近くの「弥次喜多」で昼食。

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通常の三連休ならば多くの県外ナンバーが駐車場に並ぶ店だけれど今日は市内ナンバーの車ばかりだった。

 

店を出て獅子浜にあるケーキ屋Grandmaシーサイド店に寄ってみた。

 

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ここのデッキからは美しい富士山がよく見えた。

目を転ずると駿河湾を隔てて遠くに見える南アルプスの山々には雪。


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今日はマイナーな指揮者のベートーヴェン。

 

ハードオフのジャンクコーナーで見つけたLPで、グスタフ・マイヤー指揮のベートーヴェン。伊コロンビア盤。


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・交響曲第5番 ハ短調
・序曲「レオノーレ」第3番

 グスタフ・マイヤー(指揮)
 ロンドンフィルハーモニック・プロムナード管弦楽団

 

正直なところこの指揮者については全く知識がなく、盤を手に取った時に架空の名の指揮者ではないかと思ったほど。

 

グスタフ・マイヤー(Gustav Meier 1929-2016)はスイス生まれ、主にアメリカで活動し、多くの指揮者を指導。
かつてはタングルウッド音楽祭の指揮者セミナーの講師陣に名を連ねていた。

指揮法の著書もあるようだ。


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門下にはヤコブ・クライツベルク、準・メルクル、リコ・サッカーニ、ジョン・マウチェリ、マリン・オルソップなど、現在メジャーオケの音楽監督になったりしている中堅クラスの著名指揮者の名が並ぶ。

 

だが本人の演奏録音は珍しいのではなかろうか。

 

スワロフスキーやフェラーラ、パヌラのほか指揮法の理論書を残しているマックス・ルドルフなど、指揮の名教師と言われる人々の演奏に共通した窮屈さはこの演奏には感じられない。

速めのテンポでオケをバランスよく響かせて冷静にして必要十分な音が鳴りきっている名演だ。

 

それでいてトスカニーニやセルのような厳しいベートーヴェンではなく、どこか暖かさが感じられるのが良い。

 

第3楽章から第4楽章のブリッジでのティンパニの刻みも実に雄弁。
そのまま緊張感を維持しながらのフィナーレでの小気味よいほどの「運命」の動機の強調。

凄みやスケールの大きさよりも曲の偉大さをストレートに伝える非凡な演奏だった。

EQカーヴはColumbia。

 

Youtubeは小澤征爾指揮N響の「運命」一期一会の名演です。

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2021年1月 8日 (金)

2020年最後の音盤購入

本日快晴、昨日からからっ風吹く沼津。


あいかわらず富士山は雪が少ない。


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東京の感染者はあっという間に2000人を越えた。

早朝くしゃみが止まらなくなった。そして鼻水も。

恐る恐る体温を測ると平熱。

悩ましい花粉症が始まったようだ。

 

年明け早々開設以来全く変えていなかったブログの体裁を変えてみようといろいろ試みた

いろいろ試してみたけれど結局しっくりいかず、元の形に戻すことにした。

ところが以前の環境を忘れてしまって多少違うものになってしまった。

 

 

昨年の振り返りのついでに昨年最後の音盤購入の備忘録。

ブックオフでのCD購入の後に、これで今年はお仕舞いにしようかと思いつつもヤフオクをサーフィンしていたら長い間探していたLPを格安で発見。

自制のタガが外れてまた買ってしまった。

 

結局それだけでなく同じ出品者から何点かと他の出品者からも数点落札。

 

最初見つけたのはガブリエル・フォーレ合唱団によるフォーレの小ミサ曲とプーランクの「黒い聖母の連祷」のIPG盤。


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ガブリエル・フォーレ合唱団のフォーレと言えばVOXオリジナルで日本コロンビアから出ていたフォーレ合唱曲集が名高い。

ただしこちらはガブリエル・フォーレ少年合唱団となっている。

この日本コロンビアのLPは何度も再発されて、かつては多くの中古LPショップでよく見かける盤だった。

広く売れたのだろう。

 

その後この団体の実体もよくわからぬまま消息も不明となっていた中でIPGからガブリエル・フォーレ合唱団の名でトマジの「12のコルシカの歌」が出現。

それが非常に魅力的な演奏だった。

 

その後同名の団体による同曲のCD再録音も出たがこれは驚くべき醜演。

この団体の演奏はあまり見かけなくなってしまった。

 

そんな中で見つけたこの盤。


ジャケットの体裁から察するとトマジと同じころの録音のようだ。

 

もともと格安だったけれども50円高い即決価格で即落札。

音盤は見つけた時にゲットしなければ直ぐに入手難になってしまうのがこの世界。

 

以前、知り合いの漁師が「親の仇と魚は見つけた時にすぐ取れ!」と言っていたことを思い出しポチリ。

送料も考えて同じ出品者からあと数枚。

 

フランスのバリトン、シャルル・パンゼラの歌う、ドビュッシー、フォーレの歌曲集、フィリップスモノラル盤。
パンゼラのフォーレはEMIへの旧録音は架蔵済み。


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このフィリップス盤は夫人のマドレーヌ・パンゼラのピアノソロで、ドビュッシーの「水の反映」と「沈める寺」「ミンストレル」、そしてフォーレの「舟歌第2番」も聴くことができる。

 

そしてジュライティス指揮ボリショイ劇場管弦楽団によるプロコフィエフ、「ロメオとジュリエット」全曲盤LP3枚組


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この組み合わせの演奏は90年代にNHKBSでバレエ映像が放送されたことがあり、この時の演奏が非常に良かった。

このLPは同じ頃のセション録音で、1940年のレニングラード初演の後に削除された未出版の3曲も収録されているという完全全曲盤。

この3曲を収録した完全全曲盤としては世界初だったはず。

 

大型家電店DAMが出していた45回転高音質レコードシリーズの第4弾。


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A面は津軽三味線、B面は高橋アキの弾く石井真木のピアノ曲と朝比奈隆指揮大阪市音楽団によるイェーガー作曲吹奏楽のための交響曲第4楽章。

このうち朝比奈隆の演奏は東芝EMIからLPで出ていた。

 

他の出品者からはヴァイオリンを3枚。

 

1964年、17歳でエネスコ国際コンクールで優勝したクロード・ベルナールのヴァイオリンでハチャトウリアンのヴァイオリン協奏曲とプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番、フィリップス盤。


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ハチャトウリアンの伴奏指揮は作曲のハチャトウリアンでオケはブカレストフィル。

どうやらベルナールのコンクール優勝直後の録音らしい。

ジャケットの写真?の姿も初々しい。

 

コンセルトヘボウ管の名コンサートマスターだったヘルマン・クレバースのヴァイオリンでブラームスのヴァイオリン協奏曲とブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番。


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ヨルダンス指揮ブラバントフィルによるこちらもフィリップス音源のペラジャケ国内盤。

 

イギリスのヴァイオリニスト、テミアンカでグリーグの3曲のヴァイオリンソナタ、
ORION盤。


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結局2020年も大量購入。
いつまでも懲りない私。

 

Youtubeはフォーレの「ラシーヌの雅歌」

 

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2021年1月 6日 (水)

2020年回顧

終日曇天、寒波迫る。

正月気分を感じることも少ないままに明日は七草。


新しい年になってもコロナ感染は終わりが見えず、本日東京の新規感染者は1500人を超え各地で過去最多を記録。
静岡県も過去最多タイ記録。

100年前のスペイン風邪は終息までに3年を要したという。

ここで昨年の振り返りです。


2020年はコロナ一色の世の中。
仕事でもプライヴェートでも大きな影響を受けて仕事が増えました。


プライヴェートでは娘が結婚。
開催が危ぶまれた結婚式はぎりぎりのタイミングで2月に挙行することができました。


音楽関係では沼響の36回定期演奏会が中止に。

創立以来毎年続いていた合宿や演奏会、通常の練習もできなくなってしまった。

企画と解説を受けている市民文化センター主催の「クラシック・レコードコンサート」も開催は例年の半数。


コンサートは1月のエッシェンバッハ指揮N響と12月の高関健指揮静岡交響楽団第100回定演の2回のみでした。


このような年は今までの自分の人生で経験のないことです。


音盤購入では、東京での音盤購入巡りは1回のみだったけれど、結局コンサート枯れの反動でネット通販、オークション、近隣のハードオフ、ブックオフ行脚で購入632枚。

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この頃はかつて主流だった通販サイトの新譜リストを眺めての購入よりも、ハードオフやブックオフでの未知の音盤との出会いが楽しみになっています。


一昨年はコアな海外盤コレクターと想像される音盤の大量放出に遭遇。

加えて数人の方からの譲り受けもあって初めて年間受け入れ点数が3桁台になってしまいました。


そろそろ自分自身の身辺整理も考えないと。

置き場所ももう限界。

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2021年1月 5日 (火)

ボスコフスキーのワルトトイフェル

曇が低く垂れ込めた寒い一日。

昨日は仕事始め。
コロナ禍関連で新たなプロジェクトが佳境に入り、新年の挨拶を早々に済ませ社内会議に入る。年末休暇にも何人かは出勤していたらしい。

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昨年畑でサツマイモを収穫。

食べたところあまり旨くなかったので泥がついたまま放置していた。
種類は黄金千貫という白いサツマイモ。

 

このまま放置すると痛みそうだったのでオーブンで焼いてみた。


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するとホカホカでトロリと柔らかく、食べてみたら極上のスィートポテトのようだった。

熟成して甘みが増したようだ。

 

今年も黄金千貫を植えることにしよう。

 

ニューイヤーとなったのでワルツを聴こう。

 

聴いたのはウィンナワルツではなくフランスのシュトラウスと称されたワルトトイフェルの作品集。

ウィーンフィル往年のニューイヤーコンサートの顔だったボスコフスキーが珍しくもモンテカルロのオケを振った演奏。

手持ちは国内盤LP.


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・ワルツ『スペイン』 op.236
・ポルカ『真夜中』 op.168
・ワルツ『スケートをする人々』 op.183
・ギャロップ『プレスティッシモ』 op.152
・ワルツ『女学生』 op.191
・ポルカ『美しい唇』 op.163
・ワルツ『歓呼の声』 op.223
・ポルカ『フランス気質』 op.182

 

 ヴィリー・ボスコフスキー(指揮)
 モンテカルロ国立歌劇場管弦楽団
 
 録音:1976年5月
 録音:モンテカルロ、パレ・ガルニエ

 

「スケートをする人々」「女学生」のような著名な曲を含む8曲。

演奏はウィーン風のティストが感じられなくはないけれど、フランス系の軽くカラフルな華やかさを前面に押し出したもの。

 

曲としてはシュトラウスの影響は避けられず、有名な「スケートをする人々」の導入部などは「美しく青きドナウ」の冒頭ホルンソロをそっくり借用したように思えてくる。

ボスコフスキーの演奏で聴くとなおさらだ。

 

ワルツ「スペイン」はシャブリエの狂詩曲「スペイン」ほとんどそのままワルツ風にアレンジした曲。

 

こうしてまとめて聴いてみると、ワルトトイフェルは流行していた曲のエッセンスをさりげなく取り入れて、手際よくチャッチャと大衆向けにまとめる要領の良い作曲家だったように思える。

 

Youtubeは「スケートをする人々」

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2021年1月 3日 (日)

ワルター・ウェラーのデュカスの交響曲

鳶の舞う青い空。


今朝の富士山、年末に積もった雪は風で飛ばされてしまった。


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正月気分は年を経るにつれて薄れて明日から仕事。

ポコは今年も元気です。


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今日から仕事の婿殿は昨日勤務地へ帰っていった。

本日普通の日曜のような気分。元日の新聞を今日初めて目を通す。

庭の清掃や部屋の片付けなどでたちまち一日が暮れる。

 

今日はデュカスの交響曲をワルター・ウェラー指揮の英DECCA盤で聴く。


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・交響詩「魔法使いの弟子」
・交響曲ハ長調

 ウァルター・ウェラー(指揮)
 ロンドンフィルハーモニー管弦楽団

 録音 1975年

 

昨年4月にハードオフのジャンクコーナーで見つけたもの。

ウィーンフィルのコンマスだったウェラーも指揮者としては影が薄い印象があって、手持ちではロイヤルフィルを振った「ペール・ギュント」くらいしかない。

録音歴としてはベートーヴェン、メンデルスゾーン、プロコフィエフ、ラフマニノフの各交響曲全集など。

少なからずのボリュームがあるけれども正直なところ食指が動かない。

 

このデュカスもジャンクもので110円だったし,英DECCAで音が良いかなくらいで期待せずに購入。

ところが聴いてみてビックリ。

 

最初の「魔法使いの弟子」からして強烈なエネルギーの放射。

オケを豪快にドライヴしながらも粗くはならずアンサンブルは緻密。

今まで自分が聴いた中でこれを超える演奏はすぐに思い浮かばない。

 

続く交響曲も実に見事な演奏で、こんなに良い曲だったのかなと思い直すほど。

中でも第2楽章の美しさは尋常でない。

 

録音も驚くほど鮮明。
EQカーヴはffrr.

アナログの良さを再認識するような実在の響きだ。

聴いていて作品のほとんどを破棄してしまったデュカスの音楽を真剣に見直す気持ちになってきた。

交響曲第2番もほぼ完成しながら破棄してしまったのだという。

残念なことだ。

 

Youtubeはデュカスの交響曲ハ長調から第2楽章

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2021年1月 1日 (金)

明けましておめでとうございます

明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

元日の朝も良い天気。
富士山もよく見えました。

娘夫婦を交えて家族で過ごした正月。

昼には弟夫婦も来て皆で会食。


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夕方にコロナ感染の終息を願い、地元の吉田神社に家族で初詣に行きました。

沼津市下香貫楊原にある吉田神社は、安政年間のコレラ大流行時に疫病退散を祈念して、地元の人たちが資金を出し合って京都の吉田神社を勧請した神社。


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そのまま皆で隣町の家内の実家へ。

そこには今か今かと待ち構えていた岳父の姿。
昨年米寿となった岳父はますます元気。

 

秘蔵の日本酒やワインを次々と出してきて、杯を重ねるうちに若い婿殿はあえなく沈没して途中から泥酔。

帰省出来ずに東京にいる娘はLineでリモート参加。


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写真は銘酒「臥龍梅」に踊るガジュマルの樹。
帰宅は10時ちょっと前。

 

 

今年の初聴きは何にしようかとあまり意識せずに気楽な気持ちで取りだしたのは、昨年ハードオフのジャンクコーナーで見つけた2枚。

ルドルフ・バウムガルトナー指揮ルツェルン祝祭管によるバロック音楽のアンソロジーと、不当に過小評価されている実力派指揮者マリオ・ロッシ、ウラディミール・ゴルシュマンによるロシア物。


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バウムガルトナーは60年代のバウムガルトナーとしては比較的初期の録音。
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A面にアルビノーニやパッヘルベルといったバロック音楽アンソロジーの定番曲にB面は全てバッハの曲を集めた選曲。

パッヘルベルは有名なカノンに続いてジーグも納めているしバッハにはモーツァルト編の珍しい平均律クラヴィーア曲集第2巻の編曲作品も含まれていてなかなか凝った内容となっている。

録音が固いのが多少気になるけれども、学究肌のかちりとしたまじめに取り組んだ演奏として良いものだと思う。

 

マリオ・ロッシのシェエラザードはこのブログでも取り上げられているしゴルシュマンの「展覧会の絵」は以前沼響で演奏したときに沼響のホームページで聴き比べを取り上げている。

 

聴いたのはやはりジャンクコーナーでゲットした60年代後半発売の廉価盤。

原盤は米Vangurd。


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詰め込みのカッティングが気になるけれども、EQカーヴをNABで聴いてみたらいずれも見違えるような音になり演奏の印象はさらに好印象となった。

さらにこのLPには「シェエラザード」のヴァイオリンソロにミリアム・ソロヴィエフ(1921-2004)の名。

以前から気品のある美しい音で聴かせるヴァイオリンソロが誰なのかが非常に気になっていた。


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ソロヴィエフはアメリカ生まれ、早くして第一線から退いたので録音は少ない。
ロッシの演奏は端正にして格調の高い見事なもの。

なおオケ標記はウィーン国立歌劇場管。

おそらくフォルクスオパーのオケだろうと思っていたが、マリオ・ロッシ・エディションの標記ではウィーン交響楽団となっている。

 

ゴルシュマンの「展覧会の絵」は聴き比べの連載の時は随分と酷評になってしまったが、NABで聴き直してみるとオケをきちっと鳴らしながら洒落て垢抜けた歌い回しがパリジャン・ゴルシュマンの面目躍如たる演奏。

ロシア的な泥臭さよりもパリ風の洗練さを感じさせるのが良い。

 

長い間バレェ・リュスの指揮者として活躍していた実力者ゴルシュマンを再認識させる名演だった。

Youtubeはゴルシュマン指揮のラヴェル、「マ・メール・ロア」から。名演です。

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