サッカーニのチャイコフスキー、「冬の日の幻想」
GWも後半、昨日に続き今日も晴れ。
午後から雲が出てきて天気はゆっくり下り坂。
先日の突風被害で近所のビニールハウスはかなり破れていた。
ちょうどその場に解体途中の家屋があり、今日その場所を通ったらぺちゃんこに潰れ完全崩壊。
明日が雨になりそうなので今日は畑作業。
成長してきたトマトとナスに支柱を立てたりしていた。
里帰りしていた娘や婿殿が使った布団を干して片付けたりと再び静かな日常。
画像は昨日狩野川河川敷からの富士山。
雨が降って再び雪化粧。
先日アメリカのフロリダに住む友人からの私信があり、ドライブスルーでワクチン接種を受けたとのこと。
一時期急速にコロナ感染者が増えたアメリカだが、ワクチン接種が進むにつれて鎮静化に向かっている。
それに比べこの日本。
OECD加盟国37か国で日本はワクチンの接種率最下位だという。
首相は7月末までに高齢者へのワクチン接種を完了させると宣言したけれども医療従事者も未だ終わらず。
ここ沼津では3200人分のワクチンが届いたのみ。
次がいつ来るかもわからない。
家の近くの国道は県外ナンバーの車ばかり。
国道沿いの人気の寿司屋には行列ができていた。
政府の施策の迷走ぶりに国民は信頼がおけなくなり、緊急事態宣言もあまり効果はないようだ。
定演でチャイコフスキーの「冬の日の幻想」を演奏して、今更ながらこの曲についてもっと知りたくなってきた。
いつものことながら沼響の演奏会プログラムの曲目解説は長い間自分が書いている。
書くに当たってリサーチはしているけれど、いくら調べても曲への理解の度合いは実際演奏して得た経験の比ではない。
チャイコフスキー自身が標題を与えたのは交響曲第1番「冬の日の幻想」と第6番「悲愴」の2曲のみ。
作曲されたのはチャイコフスキーが26歳の時、若きチャイコフスキーはロシア的な素材によって伝統的なソナタ形式の交響曲の作曲に挑戦している。チャイコフスキーにとってこの曲は最初の交響曲にして初の大規模な作品となった。
今日はスコア片手で「冬の日の幻想」を聴いてみた。
聴いたのはイタリアの指揮者リコ・サッカーニ指揮のブタペストフィル。
ブタペストフィルのライヴを集めた自主製作CDの22枚組セット中の1枚。
このライヴは映像も収録されていてYoutubeで非常にたくさんアップされている。
・チャイコフスキー:交響曲第1番『冬の日の幻想』
・プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番
クン・ウー・パイク(P)
ブダペスト・フィルハーモニー管弦楽団
リコ・サッカーニ(指揮)
ブタペストフィルはハンガリー国立歌劇場のピットに入るオケ。
サッカーニは90年代に来日して読売日響を振っている。
このときの模様はTVで放映された。
放送されたのは「ローマの松」とダンディの「フランス山人の歌による交響曲」
この2曲の演奏が非常に良くて、すっきりとした造形の中に丁寧に歌わせた音楽造りが非常に印象に残っている。
このブタペストフィルのセット物演奏は正直なところ曲によって出来不出来が大きく、読売日響で名演を聴かせたレスピーキもドタバタした五月蠅さが前面にでてあまりよくなかった。
けれどもこのチャイコフスキーは面白く聴けた。
オケの技量は超一流とはいかないけれども、サッカーニの曲への思い入れを素直に受けて熱い演奏を聴かせてくれる。
第1楽章から速めのテンポで小細工なしのストレートな解釈。
メロディの歌わせ方が実に豊か。
第2楽章ではスコアにない強弱のメリハリをつけて歌わせていく。
この曲に特徴的な木管楽器のソロとヴァイオリンが同じメロディを奏でる部分のバランスも良い。
第3楽章の非常に難しいティンパニソロが静かに消えゆく箇所など、祭の喧噪が去った夢のあとのよう。
フィナーレのコーダでは猛烈な加速に加え、この部分のティンパニのトレモロに大太鼓を付加して派手な効果を上げていた。
カップリングのパウクのプロコフィエフは、バリバリ弾きまくるパウクのソロが実に痛快。
チャイコフスキー以上の名演だ。
Youtubeはサッカーニ指揮読売日響のダンディ、「フランス山人の歌による交響曲」、ピアノは神谷郁代。
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